表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

【天原 奈都】の場合。

話数が増えるに連れて長くなる…。

でも無理矢理1話にまとめる僕って…。

12月24日(木)。

ホワイトクリスマス。


「なっちゃん!」


「ナツ!」


兄が経営するバーを入るやいなや、双方から腕を取られゲンナリする私。

忙しいクリスマスに手伝いをしにきて、初っぱな疲れてる。

只でさえ週3で来ている為に、今週は毎日地獄に足を踏入れる事になる。


「だーかーらー…、…お前らいい加減にしろってのっ!!」


怒鳴りながら腕をぶん回す。

しかし、コイツらはしぶとかった。


「ナツが俺に好きって言えば離すよ?ほら、言ってみて。」


「俺はなっちゃんがキスしてくれたら、押し倒すよ☆」


「兄貴~…(泣)」


丁度裏で作業してた兄が出てきたので助けを求めた。

手には色々な酒を持ってい


「…てっ!!!?」


「うわっとっ!?」


「ヤベぇってっ!」


『持っていて』否、『持っていた』酒瓶は、私の両側をスレスレで飛んでいった。

虫達は華麗に避け(…チッ)死を逃れ、酒瓶は派手な音をたて後ろで散る。


「ナッ…、ナイスコントロールっ…。」


「流石ッスね…、伊隼先輩…。」


紹介しようっ!

我が超自慢&尊敬する兄《天原伊隼…イハヤ》は、高校野球3連覇の経験を持っていて、1年から投手の座を背負い、2年で主将になられた偉人である。(凄いだろっ!!)

コントロールに関しては全国レベルだ。


「当たり前だろっ♪天原伊隼だからなっ!」


まぁ卒業してからは、バイトだったけどオーナー直々にココの経営を任され1年目って所だ。野球推薦の量は凄まじかったが、兄曰く『ゆったりしたいからな』と言う理由で経営を選んだそうな。


「とは言っても、…兄貴、明日のシャンパンどーするの…?」


「あっ……。」


高かったのに…。あのシャンパン。


「伊隼先輩が見栄なしに投げるから…。……って言うか先輩、『倉木奈都』ってしっくりしますよね?」


何言ってんだお前…?


「『深澤奈都』のがなっちゃんらしいっ!」


はぁ?


「……誰がお前らに奈都をやるか。だったらまだ松下にやる。」


便乗してシャンパンの事水に流しやがったっ!!

でも、この話は乗って置かないと…。


「…松下先輩ならコイツらよりwelcome。」


「えっ?ねぇ、松下って誰?」


「俺の高校の1個上の先輩で、伊隼先輩の後輩。」


そうだっ!…すいません。コイツらと私の紹介はしてませんね。


まず私《天原奈都…ナツ》。17歳・高2、

女子校の野球部で主将です。


んで、さっきから超!『ナツナツ』うるさくほざいてるのが《倉木修祁…スギ》。

兄の高校の後輩で、私と同い年。

当時3年だった兄が、当時1年だった修祁に"ココのバイト"を紹介してしまったのが始まり。

我が家に居候中↓。

本当は独り暮らしをしていたが、家賃を払えない位"金欠"だったので、見かねた兄が拾ってきた。


後は、なっちゃん言ってる"超ウルトラミラクル変態人"が《深澤慧俚…ケイリ》。

慧俚は男子校の寮暮らしだそうだ。

因みに慧俚も同い年。

普段なんて知りたくも無いので省略。


「奈都、修祁。お前らゴミ出し行ってくれっ!後、…買い物も。」


「はーい!」


「了解です。」


兄から頼まれたゴミ出し。

ゴミ袋は4つある。だから2つ持ってこうとしたら修祁が3つ持っていった。


「ちょっ、修祁っ!」


慌てて裏口を出ると、修祁は左手を差し出してた。


「早く。」


私は急いでゴミ袋を左手に持って、右手は修祁の左手を握る。


「やっと2人になれた…。」


修祁のため息に少し笑う。

私も同じ気持ちだったから。


「見られたら伊隼先輩に殺されるよなぁー、きっと。」


「家も追い出されるよ。」


お母さんもお父さんもずっと海外(旅行)にいて、滅多に帰って来ない。あの夫婦はイチャつきが半端無い為、居ない方が楽なのだ。

だから兄は私の世話を任せられてて、過保護っぷりは引く勢いにある。


「買い物、何買うって?」


質問に答えようとメモを開いて、疑問が生まれた。


「シャンパンに、……卵、牛乳、小麦粉?」


「パンケーキ…。」


「何でまた。」


シャンパンはさっきの事故の為だが…、バーに新メニューとして入れるには、ちょっとどころか結構おかしい。


「お前…。」


「何?」


「…いや、何でも無い。」


「あっそ…。」


ゴミ出しを完了させて、スーパーへと歩き出そうとしたら、修祁が立ち止まってる。早く行こって言おうとしたら、


「…今だよなぁ。」


そう呟いて近付いてきた。

私の体を抱き寄せて、手に何かをのせた。


「…HappyBirthday、奈都。ずっと一緒にいような?」


「……!」


誕生日の事なんて忘れてた。

クリスマスはバーが忙しくなる日。

自分の誕生日なんてかまってられないのに…。


「誕生日知ったの最近だったから…。」

付き合って2年目にしての初プレゼント。


「ありがとう…!」


背伸びして修祁の頬にキスをした。

顔を見たら真っ赤だった。


「…家に帰ったら、平常心!兄貴に殺されるのはヤダよ?」


「……ムリ、かも…。」



過保護な兄と変態にバレたら終わり。

しかも修祁は同居人。

私達のちょっとスリルな秘密の恋。

登場人物が増えましたっ!

段々と広がる世界…(笑)。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ