振り返るときは身体ごと
夜道で振り返るとき、首だけではなく、身体ごと向き直らなければならない。
そんな言い伝えを聞いたことがあるだろうか。
なんでも、人の頭と両肩にはそれぞれ灯火がともっており、その明かりのおかげで、この世ならざるモノが近づけないらしい。
首だけで振り返ってしまうと、その灯火を弱めたり消してしまったりして、悪いものが隙を突いてくるのだとか。
私は今日のお昼過ぎから、結果的にその言いつけを守ることとなり、振り返る際には身体ごと向き直っていた。
〜今(10/30 00:24)から遡ること28時間前〜
チームを異動したばかりの私は、職場のディスプレイと椅子の高さが合わず、肩こりと首こりが日に日に酷くなっていくことに頭を悩ませていた。
ストレッチをしても、揉んでみても改善しない。毎日お昼ごろにはガチガチになる始末である。
最近は頭に血が巡らなくなってきたのか、眠気を感じることもある。そんなときは少し肩を揉むと、すっきりする気がした。
何か解決策はないものかと帰りの電車に揺られていると、何年か前に懸賞でもらった小型のマッサージ機があることを思い出した。
小さめの枕くらいのサイズで、揉み玉がグルグルと回るタイプのものだ。
さっそく家に着くなり、押し入れをひっくり返す。
少し埃を被っているが、電源コードも健在。
機械に賞味期限はないので、多分いけるだろう。
電源を入れると、グイングインと動き出した。
布団を丸めて寄りかかれるようにし、マッサージ機を肩に押し当てる。
いい感じである。
刀剣乱舞がイベント中なので、周回しながらマッサージを続ける。
10分が経った頃、マッサージ機が動きを止めた。
どうやらタイマーが付いているらしい。
首と肩はまだ満足していない。周回も終わっていない。
もう10分、延長することにした。
さらに10分が経過し、マッサージ機が止まる。
最後の延長10分。
合計30分のマッサージである。
いい感じに肩もほぐれ、満足して眠りについた。
翌朝。
普段と変わらず、相変わらずお昼前には肩も首もガチガチになっていた。
今夜もマッサージ機のお世話になるかな〜などと考えながら、首を回していると。
ピキッ……。
激痛が走る。
しまった、筋をやってしまった。
右手、左手、右足、左足。どこにも痺れはなく、粗相もしていない。
ひとまず安堵した。
昔、どこかで首を鳴らしていた人が半身不随になった、という話を聞いたことがあったからだ。
両の手足は無事だが、首は無事ではなかった。
上下左右を向こうとすると肩にかけて痛みが走る。結果として、ウルトラ怪獣のように、胴体とセットで頭を動かすことしかできなくなってしまった。
その後は、メンバーから話しかけられるたびに、身体ごとぐっと振り返って対応するなどした。
あの言い伝えは、風水的な意味合いだけでなく、首だけで振り返ったりすると筋を痛めることがあるので注意せよ、という教訓でもあったのではないか。
寝転がってスマホでこれを書きながら、そんなことを思う。
皆さんも、マッサージはほどほどに。
振り返るときは身体ごと。




