表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/51

ある朝起きたら、視界が歪んで見えた。


真っ直ぐな筈の物には不規則な波、

人の顔のパーツは有り得ない配置、

なだらかな婉曲は弾けたようにギザギザ。


そういえば、こんな絵を描く画家がいたなぁと思い出す。

綺麗な長方形であった筈の鏡を覗くと、平凡な顔がおかしなことになっていた。

小さな目は大きく拡大され、左右の大きさもばらばら。

低い鼻はさらに低く、普通の大きさだった口は鼻よりも小さい。

耳もやたら大きいし、頭だって破裂しそうなほど大きい。


違和感あるけど、普通に生活が出来るあたりが不思議だ。

せっかく、こんな変な視界を手に入れたのだから、とあちこちを巡ってみた。


世界は面白い程に歪んでいた。



新しく出来たビルは真ん中からぽっきりと折れているし、

新品の新札は誰が汚したのかやたら汚いし、

街を歩く子供達の背後には常々真っ黒の手が後を付ける。



面白かったけど、流石に気が狂いそうで、毎日元に戻してくださいと祈りながら眠った。

一週間後の夜、目の無い神様が夢に出て来て、自分の眼をえぐり取って行った。

その夢から覚めた朝に、視界は元に戻った。



これでいいんだ。


神様の目が欲しいなんて、願うもんじゃないね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ