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黒い人

作者: 砂川

これも夢で見た内容を脚色した話です

別にこんな夢ばっかり見てるわけでもないです

 大学の友人の葬式に行った。


 それも立て続けに。


 もし俺が70代以上だったなら、それも当たり前の事だろう。


 最近は暑さのせいか年寄りが体調を崩すことが多く、死ぬ人が増えているという。


 だが、俺は未だ働き盛りの30代で、言うまでもなく死んだ友人たちも同じような年ごろだった。


 激務に追われ、ストレスが溜まっていたことも死んだ理由にはなるだろう。


 俺達ぐらいの歳になると上からの圧力と、下の面倒で日々死ぬような思いをしている。


 疲れも1日2日寝た程度では全く取れない。


 だがそれは俺達だけに限った話ではない。


 日本中の同年代はみんな似たようなものだ。


 その中で俺達だけが、多数の死者を出していた。


 こうして葬式後の振る舞いに集まるのも、恒例行事になりつつある。


 ・・・・・・集まる度に人数は確実に減っていたが。



「実は俺、あいつが死ぬ前にある話を聞いていたんだ」


 ほとんど減っていないビールを傾けながらAが不意に言った。


 Aに限らず、俺達の誰もがコップ一杯のビールすら空にしていない。


 夜になってもまだ暑く、ビールを飲むのには絶好の季節だというのに。


 最初の葬式では昔話に花を咲かせたりもしていたが、こうも続くと誰もが鬱々とした気持ちに支配されていた。


「黒い人に追われているって」


「黒い人?」


 Bがオウム返しに聞き返す。


「ああ。実はDやEの葬式でも、そういう噂を参列者から聞いてたんだ。死ぬ直前に黒い人に追われてるって周囲に漏らしてたって」


「バカバカしい」


 Bは鼻で笑った。


 理系学部のBはその中身も理系人間の教師で、学校でも数学を教えている。


 そんなBからしたら、Aのオカルト話は聞くに堪えないほどくだらないもなのだろう。


 Aは明らかにむっとしていた。


 俺はと言えばAほどオカルトにかぶれているわけでも、Bほどの科学信奉者でもない。


 ただこの暗い雰囲気を変えてくれるなら口喧嘩でもマシだと、黙って様子を見ていた。


「じゃあどうやって説明するんだ! 立て続けに働き盛りの人間が心臓麻痺で死んだんだぞ!?」


「医学的な理由ならいくらでも説明できるが、ここで問題なのはその確率の方だろうな。じゃあこういうのはどうだ。お前は今回のようなことが偶然起こる確率は1/2000万以下だと思うか? 日本人の1/6を無作為に選んで、そういう事が絶対に起こらないと言えるか?」


「それは……ないとは……いえないが……」


「つまりその可能性はあるという事だな。起こる可能性のあることはいつか起こる。マーフィーの法則だ。ちなみに2000万と言うのは年末ジャンボの当選確率だ。宝くじを買う連中は、そういうあり得ない確率にすがっているという事になる。で、だ。宝くじを買っているお前はなぜあり得ない当選は信じられて、この偶然の死をあり得ないものだと断言できる?」


「・・・・・・」


 Aは言葉に詰まる。


 たいていAとBが何か言い争いをすると、Bが理詰めで論破する。


 Bはさらに追い打ちをかけた。


「人間は歴史的に、理解できない事象に超常的な理由付けを行い、理解できる事象に変換して安心しようとする。俺はその理解できないことを理解できないことと認め、科学的に理解できるよう調べることが人間の進歩だと思ってるんだ。教え子にもそう言っている」


 Bは目を閉じる。


「だから今はありもしない妄想に囚われず、ただ死者を悼むだけにしておこう。それが友人の義務じゃないか?」


「・・・・・・そうだな」


 今回も最後はAも折れた。


 そして俺達3人は死んだCのために杯を掲げる。


 6人いた俺達のグループも、もう半分になっていた。



 Cの葬式の翌日。


 あれほど否定されたAのオカルト話が早くも現実になる。


 噂の黒い人がいたのだ。


 それも都心のど真ん中に。


 見かけたのは、取引先に向かう途中だった。


 初めは見間違いかと思った。


 大勢の人間が行きかうスクランブル交差点のど真ん中に、長身の、黒づくめの人間がいたのだから。


 どんな服装かはよく分からないが、とにかく上から下まで黒い服に帽子をかぶっている、非常識な存在だった。


 暑さが見せた幻、最悪白内障の初期症状かと思った。


 だが、目をつぶろうが擦ろうが、黒い人は消えず、しかも行きかう人々はその存在に全く気付いている様子は見せず、ただ通り過ぎていく。


 明らかに認知しているのは俺だけだった。


 俺はその時は逃げることも確認することもせず、そのまま取引先に向かった。


 Aのオカルト話より、商談に穴を開けることの方が怖かったのだ。


 幸いにも、と言うべきか商談は順調に進み、今年のボーナスは心配せずとも済みそうであった。


 気分が良く、気も大きくなった俺は帰りも同じ場所を通ったが、その時には黒い人はいなかった。


 しかし、黒い人は全く、予想だにしない場所に再び姿を見せた。



 夢の中だ。



 その日の夜、ここ最近の激務の影響か、帰って早々熟睡した俺は、夢で黒い人を見た。


 夢の舞台はどこかの寺で、俺は長い階段の途中にいた。


 夢から醒めた時に気づいたが、そこはCの葬式をしていた寺をデフォルメ化した場所であった。


 夢の俺はそれに気づかず、ただ突き動かされるように階段を下りていた。


 怪談の上からは遅れて黒い人達が下りてきた。


 黒い人達と言っても、彼らは別に異形の存在ではなかった。


 老若男女の喪服を着ている葬儀の参列者で、その帰りという風だ。


 黒い人はその集団の中にあってさえ、一際異彩を放っていた。


 頭一つどころか二つ以上飛び出て、どんな視覚効果があるのか一際黒い。


 それが喪服の人間達と一緒に降りてくる。


 ただ降りて来るだけではなく、振り返る度に位置が変わり、どんどん俺の方に近づいてきた。


 俺は捕まったら殺されると確信し、急いで階段を降りる。


 そして階段を折りきったところで目が覚めた。


 寝るときは一晩中冷房をかけているが、それでも寝汗で寝間着がぐっしょりと濡れていた。


 今まで熱を出した時以外、ここまで汗をかいた試しはない。


 俺はAに詳しい話を聞こうかと、一瞬スマホに手が伸びかけたが止めた。


 朝も早いし、見間違えかどうかも分からない存在を一回見ただけだ。


 夢を見たのも、Bの言う未だ科学で解明されていないただの偶然によるものかもしれない。


 何よりいい大人の男が、怖い夢を見たというだけで友人に泣きつくのが恥ずかしかった。


 会社では部下もいるというのに。


 俺は大きく深呼吸して自分を落ち着かせ、その後いつものように出勤することにした。


 昨日と違い、今日は黒い人には会わなかった。


 その代わり、黒い人が気になったのか仕事でのミスが多く、部下の前で上司に叱責されるという不愉快な目に遭った。


 そこで俺はそのまま家に帰らず、飲み屋で散々憂さを晴らしてから、千鳥足で帰路についた。


 ・・・・・ついたと思う。


 実を言うと、飲み屋を出てからの記憶がなかった。


 だが、夢の記憶はしっかりとあった。


 あの黒い人が再び出たのだ。


 その時の夢は、完全に昨日の夢の続きで、俺は長い階段がある寺の下にいた。


 すぐに状況を理解した夢の俺は、何度も振り返りながら走り出す。


 振り返れば振り返るだけ黒い人が近づく気がしたのだから振りけらなければいいのだが、夢の自分にはそんな判断などできない。


 実際に黒い人は振り返る度に距離を詰め、ついには喪服の集団の先頭にまで立ってていた。


 俺はとにかく駅を探した。


 ここから、あの怪物から電車で逃げなければと、必死で探した。


 電車であることに理由などない。


 夢とはそういう不条理な世界なのだから。


 なんとか駅を見つけ乗客のいない電車に乗り、席について俺はほっと一息ついた。


 そして安堵しながら車窓を見る。


「ひっ――!?」


 思わず情けない声を上げた。


 黒い人は窓を隔てた目の前まで接近していたのだ。


 あともう少し電車に乗るのが遅れていたら、捕まっていたかもしれない。


 少なくとも走って逃げる際にあと一回振り返る回数が多かったら、駅に着く前に捕まっていただろう。


 その至近距離でも、黒い人の顔は見えず、ただただ黒い()()であった。


 黒い人は突っ立っているだけで、離れていく電車を追いかけも、悔しがって地団太を踏む様子もない。


 顔の前後左右が全く分からないが、同じ態勢でずっと、おそらく目の前を見ていた。


 俺は電車が出発しても全く安心はできなかった。


 何かよく分からない本能が、絶対に逃げられないと訴えていた。


 そして、あの不気味な黒い人を至近距離で見て、どこかで会った人間のような気がした。


 目が覚めたのは、そう思ったあたりだ。


 その日は布団も敷かずに家で寝ていた。


 ちゃんと家まで帰れた点だけマシかもしれない。


 昨日以上に大量の寝汗をかいたためか、暑いを通り越して寒気すら覚えた。


 俺はその指ですぐにAに電話した。


 もはや世間体を気にしている場合ではない。


 俺はあの黒い人が死を――友人達同様に俺に死を運ぶ死神だと確信していた。


 Aにメッセージを送ったが、すぐには反応がなかった。


 それも当然だろう。


 今日は平日で時刻は未だ日の出前だ。


 だが、そうと分かっていても俺は焦る気持ちを抑えられず、直接電話をした。


『・・・・・・もしもし?』


 眠そうな声のAが答える。


 そのすぐあと、電話の背後で「誰から?」という女の声が聞こえた。


 Aは妻帯者なので、おそらく嫁だろう。


 Aはその声に「大学の友達だよ」と答えてから電話に出た。


『なんだこんな朝早くから。嫁まで起きちまった』


「見たんだ黒い人を」


 俺は前置きを省いて、単刀直入に言った。


 俺の話を聞いたAは無反応だった。


 疑っていたり、馬鹿にしている様子ではない。


 寝起きすぎて頭が働かないのだろう。


 都合10分は待たされただろうか。


 もちろんそれは俺の主観で、本当はもっと短かったかもしれないが、Aはようやく口を開いた。


『……マジか?』


「マジだ。最初勤務先近くの交差点で見て、それから夢に出てくるようになった。夢を見るたびにどんどん近づいてきている。Bに馬鹿にされるかもしれないが、多分捕まったら殺される。なんとかできないか!?」


『なんとかって・・・・・・』


 Aは言葉に詰まった。


「本当に何か方法はないのか!? もしこれがただの妄想だったとしても、俺は何もしないで死にたくはない! 科学的にあり得ないだろ!? 助かりたいんだ! お前だってこれ以上友達が死ぬのは嫌だろ!!」


『・・・・・・』


 自分でも意味不明の理屈をAに畳みかけた。


 Aは何も答えない。


 それから感情のままに喚き散らし、無意味にAをなじる言葉まで出た頃、Aがようやくまともなことを言ってくれた。


『……俺は霊能力者でもないただのオカルト好きだから、対処法なんて分からない。けどお前がそこまで真剣なら調べようと思う。ここまで連鎖的に人間が死んでるなら、次は俺の番かもしれないしな。お前も今日は会社を休んで、全力で調べてみてくれ。あと詳しい内容も送ってほしい』


「あ……ああ……分かった、ありがとう、じゃあ、その、任せた……」


『ああ』


 その言葉を最後に電話は切られた。


 俺はすぐに会社に休む連絡を入れ、Aにこれまで起こった詳細をメッセージにしたためると、ネットで黒い人の噂について調べた。


 良くも悪くも、似たようなケースはネットにごろごろ転がっており、体験談らしきものを見つけるのにはそれほど苦労しなかった。


 だが、どれもあからさまな作り話ばかりで、対処法まで書いてあるものは全くなかった。


 あったとしてもやれ、祖先を大事にしろとか、塩をまけとか、念仏を唱えろと言ったありきたりなもので、役に立つとは到底思えない。


 それでも俺は藁にも縋る気持ちで、日中はその全てを試した。


 今は俺の部屋は四方を盛塩に囲まれ、入り口にはしめ縄があり、BGMが般若心経だ。


 1週間前の俺が今の俺を見たら、頭がおかしくなったと思うだろう。


 まだ冷静な客観視は出来ていたので、そう自分を顧みることはできた。


 これで何もなかったら、本当に気が狂ったサラリーマンだ。


 だが、俺の本能がこのまま終わるわけがないと断言していた。


 Bの科学的な理屈より、俺はその本能に従った。


 何より、何も起こらずただの変人で終わってくれるなら、その方が100倍マシだ。


 本能は、こうも言っていた。


 次が最後、寝れば捕まる、と。


 俺は可能な限り何日でも徹夜するつもりで、黒い人について調べた。


 そして時計の針が夜の6時を過ぎようしていた頃、Aから連絡が入る。


 俺はそのメッセージを、スマホに穴が開くほど見た。


 その内容はこうだった。


 ―夢占いの本や、有名な占い師、ついでに今まで葬式してきた坊主にも話を聞いてみた。―


 ネットだけに頼っていた俺と違い、オカルト好きのAのアプローチははるかに説得力があった。


 だが、結果は芳しいものではなかった。


 ーその結果、対処法は分からないという結論に至った。おはらいや祈祷に関しては、坊主本人から気休め程度しか意味がないと言われた。ただ、誰もが言っていたのはとにかくネガティブに考えないことが重要らしい。悪い気は悪い物を引き寄せるらしい。何より明るく生きようとする意志が大事らしいー


 それがメッセージの全てだった。


 俺は思わずスマホをたたきつけそうになった。


 こんな「規則正しい生活をしていれば風邪はひかない」程度のことを言われても、何の意味もない。


 だがそれを寸前で思いとどまる。


 そして改めてAのメッセージについて考えてみた。


 今の状況はどう捉えてもポジティブには考えられない。


 だったら無理やりポジティブにしか考えられない、そういう状況に自分を追い込んでみたらどうだろうか。


 それは冷静な頭で考えればかなりイカれたアイディアだったと思う。


 けれど今の俺には最善に思えた。


 俺はすぐにそれを実行に移すべく、ネットで積み立て投資をすべて売却し、その足でコンビニに向かい、今まで貯めた預金をすべて卸した。


 できれば定期も解約したかったが、こちらは時間が足りなかった。


 そしてその金を使い、超高級レストランで食事をし、風俗店で女の子と遊び、成田でなんとかチケットが取れた海外便ファーストクラスの飛行機に乗った。


 その結果、俺は一夜にして今まで貯めていた金のほとんどを使い切った。


 貯めるのは何年もかかるが使うのは一瞬だ。


 もし生き残ることができても、俺を待っているのは手持ちがほぼ0になったサラリーマンの絶望的な将来だけだ。


 だがそれでいい。


 悪い未来を無視してポジティブに考えることなど、追い詰められた人間には絶対にできない。


 だが、別の、命には関わらないが現実的で死にたくなるような悪い未来を作れば、死の恐怖も薄れる。


 それが追い詰められた俺が出したアイディアだった。


 飛行機のファーストクラスの柔らかすぎるシートに揺られ、極上のシャンパンを飲む。


 行先はニューヨークだ。


 旅行先の宿どころか、向こうで何をするという予定もなかったが、昔から興味があった場所ではあった。


 運が良ければ、黒い人は国を移動できず日本に置き去りにできるかもしれない。


 税関で引っかかる黒い人を想像しながら、俺は久しぶりに笑う事が出来た。


 そんなことを考えていたら、不意に睡魔に襲われる。


 だが、俺はそれに抵抗しなかった。


 背水の陣を敷いた俺は、今度はこっちからやってやるぞという気持ちになっていた。



 そして夢が始まる。



 あの夢の続きだ。



 しかし今までとは違い、夢の俺は現実の俺に影響され、覚悟を決めていた。


 生き残っても死んでも地獄なら、せめて刺し違えてやる、と。


 俺はこぶしを握り締め、すぐに振り返った。


 真後ろにいるであろう黒い人を、逆に殴り殺してやろうとした。


 けれども、後ろを見ても黒い人はいなかった。


 そして振り返った瞬間、今いる場所が俺の住むマンションの前だと気づく。


 夢の中の俺はあれから徒歩でここまで帰ってきたようだ。


 せっかくのファーストクラスの海外旅行も、残念ながらとんぼ返りだ。


 いったいあの黒い人はどこに行ったのか。


 今まで逃げていたのに、俺は逆に探すことにした。


 黒い人はすぐに見つかった。


 何を思ったのか、俺のマンションからちょうど出てくるところだったのだ。


 まるで空き巣と出くわしたような気分だ。


 夢の俺はどうやら知らない間に、黒い人に追い抜かれていたらしい。


 なんとも間抜けな話だ。


 俺を殺そうと思っていた相手が、実はただ通り過ぎるだけの存在だったとは。


 そうとは知らずに現実の俺は無駄に金を使い続けて、破滅の道を選んでしまった。


 おれは腹が立つ前に思わず笑ってしまった。


 ひとしきり笑った後、夢の俺にある考えが頭に浮かんだ。


 この黒い人を逆に捕まえれば、今までの事もこれからもすべて上手くいくのではないか、と。


 Bが言うような理屈などどこにもない。


 だが夢の俺は――おそらく現実の俺もそれを信じて疑わなかった。


 俺は黒い人の後を追った。


 黒い人は、今度は俺から逃げるように先を歩いて行く。


 たいして速くないのに、俺の脚は泥のように重いため、なかなか追いつけない。


 それでも俺は執拗に黒い人を追った。



 黒い人の存在感は強烈で、俺には離れていてもどこにいるか分かった。


 どこまで逃げても追い詰めてやる。


 それが現実の世界だろうが夢の世界だろうが。


 今まで味合わされた理不尽な恐怖の全てを返済させてやる!


 俺は口から魂が抜けるほど吠えた――。



「・・・・・・まさかアイツまで死ぬとはな。しかも飛行機に搭乗しているときに」


「だから言ったじゃないか! あれは確率なんかで説明できない、人間の手に負えるもんじゃないって! それにしてもあいつの話を聞いてから思ったんだが、もしかしたらあいつが追われていたのは、Cじゃななかったのかなって」


「Cは死んだんだぞ。なんでそう思ったんだ?」


「あいつは長身の人間に追われているって言ったじゃないか。俺達の中で長身って言ったらまずCだろ。大学までずっとバスケやってたあいつは、2メートル近くあったからな。そしてどんな理由か分からないが、新しく黒い人になったCがあいつに目をつけて、同じように殺してしまったと」


「・・・・・・もしそうだったら困るな」


「なんでだ?」


「実は俺もみんなの死が気になって、色々調べてみたんだ。そしてあいつのマンションに行った帰り、見たんだよ、黒い人を。そいつは最初不気味に笑ってたんだけど、ゆっくりと俺の後をついてきたんだ。置き去りにしたし姿はもう見えないから大丈夫だとは思うが――」

次は夢は関係ない完全オリジナルになると思います

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