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最強仮面夫婦のウラオモテ!

作者: だぶんぐる

ハーレムなしのイチャラブコメディー! 連載版やります!

ですが、一旦、コンテスト落ちの短編を供養!

良ければお読みください!

「ユウ! 最強の夫婦になろう! オレとケッコンしてくれ」

「え? いやよ、ワタシ、他に好きな人いるもの」


 こうしてオレの十年の想いを込めたプロポーズは大失敗に終わった。


 オレの差し出した白い指輪。

愛する人の指が通ることはなく、乾いた風が吹き抜け、オレの薬指に嵌めた黒い指輪を撫でた気がした。


 白と黒。この世界は二つの神が作り出したと言われている。

 白神と黒神の二神は互いを愛し合い支え合う事で世界を作り、人々にもそうするよう力を与えたと言われていた。その力は『エンゲイジ』。想うことで力が増す神の力。

 それを人のアイディアによってより強固としたのが『マリッジ』と呼ばれる指輪を使った魔法だった。

 白の指輪と黒の指輪を愛する者同士が嵌め、永遠を誓い合う事で互いの想いを確かめ合い力を高める素晴らしい魔法。


 なのだが、オレはその魔法に失敗した。


「ユウ。な、なんでだ……?」


 オレは目の前の幼馴染、ユウに理由を尋ねる。彼女とは冒険者になろうと一緒に飛びだし10年以上うまくやってきて、想いあっているつもりだった。

 黒髪ショートで活発な印象のユウは、見た目もいいが、それよりなにより誰からも好かれるような気さくな子。そんなユウが顎に手を当てて首を傾げる。


「なんで? いや、別にオモトの事そこまで好きじゃなかったし」


 オレはその言葉に頭を殴られたような衝撃を覚え膝から崩れ落ちる。


 そんな……!


「で、でも……今まで手を繋いで出かけたり、抱きしめ合ったり……そ、それに……好きだって言ってくれたじゃないか」


 断じてオレの妄想ではない。これまでだってエンゲイジの力の高まりを感じていた。だが、ユウは俺の事を呆れたような目で見つめ溜息を吐く。


「あー、それは一時の若さ故というか……まあ、正直エンゲイジの為だよね。それにワタシ、もっと好きな人が出来たから」


 ユウがそう言うと、物陰から銀髪で背の高い色男が現れる。コイツは……。


「アンタも知ってるでしょ? ジュード様。今、注目の二刀流の剣士様よ。アンタみたいに後ろでサポートしか出来ない精霊使いとは違うのよ」


 ユウの言う通りオレは精霊に力を借り、前衛をサポートする精霊使い。だが、ただ後ろでぼーっとしていたわけじゃない!

 そう言おうと詰め寄るが、ジュードがオレ達の間に割って入る。


「おっと、俺の恋人に近づかないでくれ。わるい虫くん」


 ジュードはオレを見下ろしながら嗤う。そして、


「……! が、がはっ」


 オレの首をいきなり掴み持ち上げてきた。首に痛みが奔り呼吸もままならずオレは必死にジュードの手を剥がそうともがく。


「おいおい……コイツ。もうマリッジの指輪、自分の分つけてやがるぜ……! まったくどれだけ自惚れてるんだよ、はっはっは!」


 ジュードの手を剥がそうとしたオレの指に嵌まった黒の指輪を見て笑う。


(何がおかしい! 何が!)


 オレは必死に抵抗するがびくともしない。

 戦士と精霊使いの力の差だけじゃない。


 ああ……エンゲイジの力を何も感じない……。ユウからの想いがないのは当然。だけど、オレももうユウへの想いが沸いてくることはなかった。何故なら、気付いてしまったから、ジュードとユウの指に同じ飾りのついた白と黒の指輪が嵌まっていることに。

 想いも、力も……もう何も沸いてこない……。


 オレは薄れゆく意識の中で、絶望に涙した。


「コイツ、泣いてるぜ! はっはっは! まあ、心配するな。ユウは俺が大切にする。お前は一人で自分を慰めてろ。じゃあな」


 地面に捨てられたオレは必死になって手を伸ばすが届くはずもない。ユウはジュードの腕に抱きつき……キスをした。そして、オレの方を見て手を振った。

 ジュードとの指輪を嵌めた手を見せつけるように……。

 涙でぼやけた視界が真っ黒に塗りつぶされるように俺はそこで意識を失った。






「ああ~あ、ああ~……」

「おい、オモト飲み過ぎだぞ。ったく、祝い酒用意してたのによお」


 夜。宿の食堂で酒に溺れるオレ。


 泣きながら戻ってきたら二人で借りていた部屋からはユウの物と共有のものが全てなくなっていた。オレに残っていたのはオレの使い古した冒険道具と僅かな私物。節約の為に借りた二人部屋。ユウが修行と言ってたまに帰って来なかったせいか俺のベッドと比べて比較的綺麗であることが先程伝えられた事実と繋がり胸が痛んだ。

 不幸中の幸い、今日の飯は前払いで盛大にしてもらっていた為、今日はなんとか食いつなげる。だが、


「明日からどうしよう……」


 精霊使い一人で冒険なんて無謀だ。だが、オレは既にマリッジの指輪を嵌めてしまっている。


 マリッジの指輪はもう一方の持ち主と死別するまでは外れない。つまり、オレはユウの為に作った指輪が嵌まる相手としかマリッジを結べないのだ。他人の為に作られた指輪を嵌めたい人間なんていないだろう。

 どこかの二人組パーティーに雑用としてでも入れて貰えば食い扶持は稼げるだろうが……正直、想い合う二人組についていくのはツラすぎる。


「うわああああ! ユウゥウウ!」


 食堂の連中が呆れた顔で泣き叫ぶオレを見ている。だが、もうどうだっていい!

 オレは本当にユウを愛していたんだ。それに、ユウもオレが死の淵に瀕した時に命を削ってまでオレを助けてくれたって聞いてたのに……オレの何がいけなかったんだろうか。いや、全てはもう終わった事だ。渦巻く思考を酒で流し込む。そして、腹の中で混ざる吐き気と笑いがこみあげてくる。


「あは、あはははは! もう誰でもいい! 俺とケッコンしてくれぇええ!」

「じゃあ、私とでもいいんですか?」

「ふえ?」


 俺は酔っ払った目で声のした方を見る。

 そこには、顔なじみの仮面をつけた金髪の女冒険者の姿。


「おー! 君か! 君なら大歓迎だ! あはははは!」


 そして、仮面をつけた彼女の顔で唯一見える口元に浮かぶ笑み。

 それが俺のその夜最後の記憶だった。


「…………あれ? ここ、オレの部屋……?」


 目が覚めるとオレは自分の部屋のベッドで眠っていた。

 飲み過ぎて食堂から運ばれたのか?


「ん……? 体が軽いな……って、ええ!? なんじゃこりゃあああああ!」


 オレは毛布をめくりあげ自分の姿を確認した。


「何も着てない……!」


 全裸。慌てて服を探すと金髪の女性の向こうに綺麗に畳まれた服がある。


「ん……?」


 金髪の女性の向こう……? オレは全裸のオレと綺麗に畳まれた服の間、そこにいる『彼女』を見た。


「ああ……おはようございます、オモト様」


 こっちを見て寝転がっていた。よかった、彼女は服を着ている。いや、なんだったら仮面もつけている。だが、同じ一枚の毛布の上……。


「き、君! い、一体何を! オレは!?」


 オレは慌ててベッドから飛び起きようとするが今、立ち上がれば全てを晒すことになる。いや、もう晒しているのかもしれないが、とにかく冷静になろうとゆっくりと彼女との距離を取り、毛布半分で彼女の方から見えないように身体を隠す。ちなみに、尻は出ているが尻に前はかえられない!


「ウ、ウララさん……あの、この状況はもしや……」


 仮面の向こう、じっとオレを見る青い瞳の女性は、ウララさん。


 彼女は、この街でも有名な仮面の女冒険者。有名なのは、ずっと仮面をつけているからだけではなく、その実力だ。彼女はソロ冒険者で、マリッジどころか、エンゲイジの力さえも使わずに活躍している金級冒険者なのだ。

 オレも何度か合同クエストなどで一緒に戦ったことがあるが、とんでもない実力者で、しかも、ジュードのようなヤツとは違い、非常に礼儀正しいし、実は優しい。仮面で、しかもあまり笑わないせいか冷たいと思われがちだが、合同クエストでは何度も助けられた。

 そんな彼女は相変わらず仮面をつけて、静かな声でオレに話しかけてくる。


「昨夜はお楽しみでしたね?」

「や、やはり、そうなのか……」


 記憶がない。ないけれど、この状況はどう考えたって、ウララさんと……。


「お、オレは君と……その、一夜を共にしちゃったのかな……ウララさん?」

「ええ、そうですよ。お忘れですか?」


 お忘れだ。覚えていない。だが! この状況は間違いなくそうだ!


「……す、すみませんでしたぁああ!」


 オレは尻どころか全てを毛布から出し、床に頭をこすりつける。

 酒に溺れて彼女と寝た事。それを覚えていない事。

 何もかも最低だ!


「……それは、なかったことにしたいということですか?」


 ウララさんの冷たい声にオレは顔を上げる。


「いや、そうではなく! 勿論、責任はとらせていただきます!」


 オレは土下座のまま、宣言する。なんかとてもかっこわるいが、もう何もかもカッコ悪いんだ! 隠す事などない!


「……それは、私とケッコンを、マリッジを結んでくれるという意味でいいんですね?」

「お、オレはいい! け、けど、恋人だと思い込んでた女にフラれるような甲斐性なしで、ウララさんはいいのか?」


 オレがそう言うと、ウララさんは口の端を少し持ち上げる。


「まあ、実は私にとってもありがたい話なのです。……私の親が縁談を勝手に進めていまして。ですが、私はその相手が苦手な上に、冒険者を辞めたくない。貴方は非常にサポートのうまい精霊使いですし。それに、私は……人生の伴侶などいらないのです」


 なるほど。

 ウララさんはただ冒険者を続けたい。その為に、偽装結婚でいいということらしい。正直オレにとっても悪い話ではない。

 ウララさんは、貴重なソロの金級冒険者。しかも、前衛タイプだ。俺との相性も悪くない。冒険もうまくいくだろう。

 それに……。

 オレは再び床に頭をこすり付けお願いする。


「分かりました! よろしくお願いします!」

「こちらこそ、よろしくお願いします」


 極めて事務的な温度の言葉で差し出された彼女の手。


「それでは、貴方の白の指輪を頂けますか」


 僅かだが声が震えている。ウララさんだって女性だ。偽装結婚とはいえ緊張はするのだろう。オレは……一つの誓いを立てながらウララさんの薬指に指輪を嵌める。


「ウララさん、貴方がマリッジしてよかったと思ってもらえるようオレ、頑張りますから……!」


 ウララさんは何も応えない。それで構わない。それでもオレは彼女を大切にする。

 それはオレの勝手な誓いだから。


 ウララさんは暫く嵌まった指輪に違和感があるのか色んな角度から眺めていた。と、その時初めて気づく。


「あれ? 指輪ぴったりだったんですね」


 そういえば、ユウの指のサイズに合わせて作ってもらった指輪。あまりにも慌てていて忘れていたけど、ぶかぶかだったりキツそうな様子はない。


「……ええ。偶然にも」


 ウララさんの方が華奢なイメージがあったのだけど、指は同じ位だったのか。


「すみません……貴女の為の指輪じゃないなんて……」

「かまいません。それより、早く冒険者ギルドに行きましょう」


 偽装結婚のつもりのウララさんにとってはただのアイテムの一つに過ぎないのだろう。何も気にしていない様子で立ち上がりさっさと歩き始めるのだが、ふと立ち止まり振り返る。


「そうだ、私からもこれを……」


 そう言ってウララさんが差し出したのは、青い仮面。


「これは……」

「強化の仮面です。仮面の裏に魔術が仕込まれていて、付けた人間の力を底上げしてくれます。……それに、顔を隠していただいた方が私としても都合がいいので」


 なるほど。これは飽くまで偽装結婚。顔を見せるなということだろう。


「わかりました」


 オレが断る理由などない。受け取った仮面の裏側には確かにいくつかの魔術が刻まれているようだった。

 オレが仮面を付けるのを確認すると、ウララさんは頷き歩き出す。そして、オレ達は文字通りの仮面夫婦として人生を歩み始めた。


 だが、結果から言うと、少なくとも冒険者コンビとしては順調な滑り出しだった。


「ウー! 右からゴブリン3体! 援護する!」

「オー、了解。助かるわ」


 ウララさんはあっという間にオレの指示した方向に駆けていき、ゴブリン一体を一刀両断する。オレの魔法によって足止めを喰らった二体もそれぞれ一振り。正に完勝。


「この一か月怪我という怪我もなし。流石だね、ウー」

「オーのお陰よ。これで貴方も金級の仲間入りね」


 この一か月でオレは銅級から一気に金級冒険者に駆けあがっていた。オレ達二人は驚くほど嚙み合っていた。まるで互いの事を知り尽くしているかのように。


「いや、君のお蔭だよ、ウララさ」

「ウーと呼んで、オー」

「いや、別に今は他に誰も……分かったよ、ウー。気を付ける」


 オレは彼女の仮面の向こうの視線に負け、言い直す。


 ウーと言うのはウララさんのこと、オーと言うのはオレの事だ。オレの素性を隠した方がいいのならと仮の名で呼ぶことを提案したら、随分と安直な名で決められた。というか、ウララさんはウララさんのままでいいと思うんだが……。


「さあ、帰りましょう。オー。貴方の金級昇格を認定してもらいに」


 ウララさんは、いつの間にかゴブリンの討伐証拠部位である耳をそぎ落とし、袋に詰めていた。彼女の身長くらいある袋が二つ。オレが二つとも持とうとするが断られ一つずつ背負って帰路に就く。


「やっぱり、この仮面、すごいな……」

「え?」

「いや、仮面を付けてから……すごく力が沸いてくるんだ。こんなに強くなれるなんて……」


 オレ達は偽装結婚で想い合っているわけではない為、マリッジの恩恵を受けることが出来ない。彼女はまだ一度も仮面を外してはくれないし、あの夜以降部屋は別々。というか、宿自体が別。会話もそっけない。

 それなのに、オレの力は増すばかり。それは仮面の効果なのだろう。


「……そうですね。強化の仮面ですから」


 ウララさんの平淡な声。

 そう、仮面の効果のはず。でなければ、俺が……めっちゃウララさんの事が好きだという事になってしまう!


 オレが指輪を嵌める時に誓ったのは『彼女の事を生涯大切にし、愛し合えるようになるよう努力する』ということだった。

 彼女にとってはケッコンなんて冒険者を続けるためのものでしかない。それでも、オレは夫婦である以上、彼女を幸せにしたいと思っている。


 それに、正直惹かれている自分もいる。

 元々冒険者としても人間としても尊敬はしていたし、義務的夫婦の時間という事で冒険が終わっての夕食と少しだけの語らいの時間は心地いい。

 だけど、俺はユウを愛していたはずで、簡単にほいほいとウララさん好きになってしまうのはそれもまたなんかよくないじゃん! だから、これはオレの片想いパワーではなく、強化の仮面の力だと信じたい!


「オー、どうかした?」

「う!? あ、いやな、なんでも!」


 がんばろう。本当に。

 ウララさんに認めてもらい、互いを想い合える力に目覚める日が来ることを信じて。オレはまた誓いを立て、彼女の背中を追う。

 ダンジョンからの帰り道、ギルドに向かう途中で男女が騒いでいる声が聞こえた。


「あの二人……」

「ジュードと……ユウ」


 二人は揉めている様子で、ユウが怒っているのがここからでも分かる。見るからにボロボロでどうやら上手くいってないようだ。


「なんでワタシの邪魔するの! もっと考えて動いてよ!」

「お前こそ邪魔するな! 俺の好きにさせろよ!」


 ユウはあまり考えて動くタイプじゃない。だから、彼女が立てるように動いてあげないとうまくいかない。


「最近どんどん力が落ちている気がするけど……ジュード浮気とかしてないよね!?」

「は、はあ!? し、してねーし!」


 ジュードのあからさまな動揺にユウの目つきが鋭くなる。


「ほんとに?」

「っていうか、マリッジの力が落ちているのはお前のせいなんじゃねーの!? お姫様気分でいっつも俺におしつけてよお!」


 二人の醜い夫婦喧嘩に周りは迷惑そうに顔をしかめている。

 なんだろうか、千年の恋も冷めたというべきか。あれだけ好きだったユウが知らない人に見える。


「行きましょう。夫婦とは助け合うものなのに、醜い事」


 ウララさんはそう言い切ってさっさと歩きだす。

 確かに。

 俺達は仮面夫婦だが、助け合えている。確かな繋がりを感じている。

 彼女にとっては仮初の夫だけど、いつか本当に愛する人と認めてもらえるよう頑張ろう。

 俺が、彼女に愛してもらえるように。





【仮面のウラ側】


「ふわああああああ!」


 私、冒険者ウララこと、ウラヌス=オプリスクは仮面を外し、屋敷のベッドに飛び込んで熱くなった顔を押し付けた。


「今日もかっこよかった! 今日もかっこよかった! オモトさん、かっこよかったよおおお!」

「それはようございましたね、お嬢様」


 私は専属メイドのリンの言葉に大きく頷き、もう一度ベッドに倒れ悶える。


「あぁ……オモトさん……!」


 私の頭の中は偽装結婚相手、オモトさんの事でいっぱいだった。

 正直言って幸せすぎる!


 オモトさんとは以前何度か冒険者として組んだことはあった。ギルド依頼の複数パーティー攻略の時に、チームとして。

 何度も危ないところを助けてくれたし、さりげない気遣いや的確なアドバイスで私を導いてくれた。

 この人が夫だったら……そう思ったことは一度や二度ではない。


 だけど、オモトさんにはユウという幼馴染の女がずっと寄り添っていた。

 あの女はオモトさんの良さも分からずに、ただ自分をちやほやしてくれる男程度にしかみていなかった。


 あんな女を側に置くより私の方が彼の妻に相応しいと思っていた。彼の為に命を賭けられると思っているし、実際にそうしたこともある。


 ずっと彼を見ていた。いつも彼との夫婦生活を妄想し、その素材を集める為、人と足を使って徹底的に調べた。

 その結果、あの馬鹿女はジュードとかいう馬鹿男と結婚するつもり、しかも、オモトさんの目の前でイチャイチャを見せつけそれを笑ってやろうというクソみたいな計画を立てていることが分かり私は決めた。


『そうだ、私がオモトさんとケッコンしよう』


 そして、私はオモトさんが指輪を作っている店に忍び込み、私のサイズに指輪を変えて、オモトさんがフラれた後に食堂に行き、濃い酒を『あちらのお客様から』をし、酔っ払った状態でマリッジの承諾を得て、ちょっと眠たくなる薬をお酒に混ぜ、お持ち帰りし、致した振りをするため同じベッドの同じ毛布に包まれた。その際、やはり状況をそれっぽくする必要があったので、オモトさんの服を脱がして身体を堪能……じゃない、それなりに確認をし目覚めるのを待ち続けた。


 まあ、確かに行き過ぎた面があったことは認める。

 でも、本当に私は心からオモトさんを愛しているのだ。


「……まあ、そのせいでマリッジの魔法がやばいことになっているんだけど」

「また、強化されたのですか? お嬢様、オモト様の事好きすぎでは?」

「だって、ウーとオーってニックネームで呼びあうって幸せすぎるでしょ!」


 そう、マリッジの効果がとんでもないことになっている。オモトさんは強化の仮面の効果だと思っているが、実際はマリッジの魔法、想い合う力、いや、正確には私の愛の力によってとんでもなく強化されているのだ。正直、今の私達は誰よりも強いのではないかと思う。


 あの仮面にそこまでの力はない。そもそも、戦闘中のオモトさんの顔を他の女に見せない為のものだし。


 だが、これは飽くまで偽装結婚。

 でなければ、誠実なオモトさんは受け入れてくれなかっただろう。


 前も思わず『私は貴方以外の人生の伴侶などいらないのです』と言ってしまった。

 その時は偶然オモトさんには聞こえていなかったようで、本当にほっとした。


 だから、ここからが私の勝負。

 オモトさんに私を好きになってもらう。


「オモトさん、愛しています。貴方を絶対に幸せにしてみせますからね」

「お嬢様、その為には仮面を外すべきでは?」

「い、いや、それは……まだ早いわ。だって、恥ずかしいし、ずっと顔が赤いんだもの」


 仮面を外し、互いに心から愛し合える日まで、素顔を隠し仮面夫婦を続けていくのだ。

お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。

連載版やります! よければ感想などで希望の展開なども!


完結間近! 俺TUEEE主人公の横のお前SUGEEEおじさんのハイファンタジーも是非!

https://ncode.syosetu.com/n3222io/

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵な仮面夫婦ですねwお互いに思い合ってる!さっさと素直になっちゃえ!と思いましたw 浮気女と相手の男ザマア!
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