第0話 ハジマリ
私はどこにいるのだろう。
寝ていると言うには余りにも安心感がある。真っ暗な空間、とは言えない、透明とも、色鮮やかでもない、何かの上に乗っているのかも分からない、もしかしたら宙に浮いてるのかもしれない。いままでに経験したことのない感覚だ。死後ってこんな感じなのかな。
まず、私は何者で、どんな生き物なのだろう?
…
私は、何者でもないのかも知れない。
何者でもないと言う表現はおかしい。
まず、”者”ですらないのだから。
欲望はある。"者"になりたい。
誰か、私を、"者"にしてくれないだろうか。
「あ、やっと捕まえられた!」
…?何だろう。今の 声?
「今からあなたには新世界の管理人になってもらいます!」
管理人…? 管理人! 管理人
新世界のって?
「そう!貴方にはそこで新世界に送ることになる、えーと? ニンゲン!の事をただ見守るだけで良いのです!とっても簡単!」
送る…ニンゲン 簡単…
「取り敢えず!貴方をニンゲンの様な形にしてあげますね!ま、絶滅でもしたらまた新しく送り込むので!そして毎日!ニンゲンの報告をしてください!」
突然ですね。しかし、私を者にしてくれるのなら有り難く引き受けましょう。
「それでは!責務をしっかりと果たして下さいね!あっ、何か必要なものがあれば"それ"に報告して下さい!」
そして私は闇に包まれた。
厨二病拗らせすぎた人の話だと思って下さい。何はともあれ読み切っていただきまこのにありがとうございます。