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目が覚めたらそこは異世界でした。
・・・じゃ、なーい!!
「トンネルを抜けると雪国であった」という誰か有名な作家が書いていた
一文を思い出す。
そんな異世界と雪国を同列に語らないで・・・・って自分で言っているし。
はぁはぁ、かなり混乱状態です。
目が覚めたら、ベッドの上。しかも、お姫様かって感じの天蓋付きベッド。
部屋全体を見回してみると、ピンクとゴールドを基調とした広い部屋。
ソファーかテーブル、重厚なドレープカーテンなどが配置されている。
何畳分あるんだろ?これ?
ん?私、死んで生まれ変わったって話だったよね?
さっき、神様(自称)がでてきて、そういったよね?
私は、自分の体を見る。
きめ細やかな白い肌。豊かな胸元。(Fカップくらいか?)
うん。赤ちゃんじゃなく、少なくとも10代以上かと思う。
あれ?生まれ変わるって、人生って赤子からスタートじゃないの?
混乱していると、ドアから、メイド服を着た20代くらいの女性が現れた。
「お嬢様!お目覚めですか?」
「あ、はい・・・。」
「ああ、よかった。すぐにお医者様をお呼びしますね」
「あ、いえ、その前に、つかぬ事を伺いますが・・・」
「はい?というかなんでお嬢様敬語なんですか?」
「それが、記憶がなくて・・・。私の名前はなんでしたっけ?」
私は、状況確認のために、記憶がないことにした。
というか、今のこの体の人生、知らないし。
「え・・・。」
「あの、私の名前です」
「ええええええええっ」
メイドは素っ頓狂な声をあげた後
「誰かっ」
とバタバタとドアから出て行った。
それから間もなくあ、医者なんだろうなって感じの老齢の男性がきて、簡単な問診のあと、
「お体に問題はないようです。きっとショックによる一時的な記憶の欠落でしょう」
と診断して帰っていった。
そのあと、さっきのメイドらしき女の人が戻ってきて、
「お嬢様、お気の毒に・・。早く記憶が戻られるといいですね」
と涙ぐむ。
とりあえず現状把握のためにいろいろ、きいてみると・・・。
私の名前は、「クリスティン・バルセロナ」というらしい。
気のせいか前世の「葉山 栗子」とすこし似ている?
なんだろ・・・。馴染みやすいようとの神様の恩恵かしら・・・・。
年齢は14歳。どうやら侯爵家のお嬢様で、一昨日、池に落ちて意識を失っていたとのこと。
手鏡をもってきてもらって、自分の容姿を確認すると
きめ細やかな白い肌に、細くて筋の通っている鼻、ピンクの唇、栗色の髪、そして紫の瞳。
瞳が紫・・・アルビノの人は紫の目を持っている人もいるってきいたことあるけど。
珍しい。この世界ではどんなかしらんけど。
ちなみにこの国はオーランド王国。オーランド・・・オランダ?ポーランド?
なんか足して2で割ったような国名だけど。(ちなみに前世で地理は苦手でした)
よくわからない。
私の家族は、父、母、私の3人家族。父と母は、領土の視察に行っているらしく、今
この家にいるのは私だけみたい。
娘の一大事に帰ってこないところをみると、あまり娘に関心がないのかも・・・。
かわいそうに・・・、クリスティン。
というか、クリスティンは自分らしいけど。
クリスティンとしての人生生きてきてないから、まだ自分=クリスティンって感じがしない。
ていうか、ちょっと待って。
私の年齢、さっき、14歳って言った?さっき神様、スペックきめるとき、寿命20歳までって言ってなかった?
てことは・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
私の寿命あと6年かーい!!!!!!
・・・・
いや、短くない?
どうして?いや、さっき自分で神様との話し合い?で決めたんだけども。
まさか、スタートが14歳とは思わないじゃん。
・・・・うん。・・・・ま、しょうがない。
自分で決めたんだし。(まさか、実質6年の人生とは思わなかったけど。)
せいぜい、この漫画から抜け出してきたような、超絶美少女人生を楽しもう!!
私は、この人生を楽しむことに決めた。