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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

告白したらちんちん生えてた件

作者: ザリガニ文学賞

 彼女を見て振り向かない男なんてこの世にいないだろう。

 もしいるならそいつはゲイだ。命を懸けてもいい。

 そう思わせる程可憐な少女が、今俺の隣に座っている。

 あぁ、なんて幸せなんだろうか、間違いない、俺は今、世界中の男の中で一番幸せだ。

 白に少しだけレモンの淡い黄色を流したような綺麗な髪色、それでいてまっすぐに下ろした肩くらいまでしかない髪、ペンを握る細く傷一つない指や、短パンから見える肉付けのいい色白の太もも。

 これほどの美少女がこの世に存在して良いのだろうか。

時代が時代ならこの華奢な女の子を奪い合い国同士の戦争が起きてしまうのではないか。

 そう感じてしまうほどの美貌を持ちながら、いや、美貌なんて表現は間違っている。

 この少女は美しいわけではない、いや、確かに美しい、しかし、大人の美しさではないのだ。

 強いて言うなら、幼さの残る手のひらに乗ってしまうような美麗。

 よく言えば美少女であり、またよく言えばロリである。

 ロリが嫌いな人間なんてこの世にいないだろう。

 もしいるならそいつこそゲイだ。

 そして、先程も述べた通り、彼女は今俺の隣に座っている。

 それが何故か、あぁ、思い出すだけでも胸が熱くなっていくのがわかる。


 彼女は転校生だった、よくある展開だろう。

 俺の通う高校はジェンダー問題にいち早く取り組む云々とかで制服が廃止されている。

 着れる服は私服で、しかも自由だ。心からよい学校だと思う。

 そして、新学期の転校してきた彼女の服装、それは制服だ。

 みなが思った、きっと前の学校の制服なのだろうと。

 もちろん、幸福追求云々で制服を着ることも自由だが、目立つものは目立つ。

 転入早々、あっという間に彼女は浮いてしまった。

 そこで現れた勇者が俺だ。

 俺は彼女に話しかけた、それはそれはたくさん話しかけた。

 授業の準備に始まり、彼女の持ってる何かのグッズなどなど、目につくもの全てを掘り下げまくった。

 以外にも彼女は話すのが好きだったようで、一時聞けばたくさんの答えが帰ってきた。

 俺は嬉しかった、それはもちろん、俺の中でなにかが燃え上がるような嬉しさだった。

 なんとも形容しがたいその感情、一つ上手くまとめるとしたら『ムラムラする』だ。

 そんな俺の努力が実ってか、彼女は俺に懐いた。

 登下校の時にもたれ掛かってくるくらいに懐いた。

 もうそろそろ弁当でも作ってきてくれるんじゃないか、そう思い上がってしまいそうになるほど懐いた。

 もうこれはいける、ここまでくれば彼女は俺のものだ。

 俺はこの燃え上がるような思いを形にして見せる。

 今日ならいける、ここでならいける、準備は整えた、彼女を家に呼んだ。

 今ならいける、絶対にいける。

 まだ彼女とあってから二週間だが、愛に時間なんて関係ない。

 告白しよう、そうだな、台詞は、『一目見たときから君に惹かれていました、絶体に幸せにするので結婚しましょう』これでいこう。


 そして、いま、この時、さぁ話しかけるぞ。

 なにを迷っているんだ、太ももなんか見てる暇はない、話しかけて、肩を掴んで、ソファに寝っ転がるんだ。

いける、俺ならいける。


 「なあ、聞いてくれるか簑輪(みのわ)さんや」

 「ん?どしたの?」


 さぁいける、いくんだ今こそ彼女を俺のものにするんだ。


 「俺さ、実は一目見たときから君に惹かれていたんだ、俺と結婚してくれ」

 「いいよ?」

 「は?」


 は??

 いいのか?

 ほんとに?俺、こんなかわいい女の子が嫁になっていいのか?

 母ちゃん、父ちゃん、俺、やりました。

 いや、正確にはヤる予定です。


 「ほんとか、ほんとなのか!?」

 「うん、いいよ、僕も好きだよ」


 あぁ、こんなに可愛い女の子を見て興奮しない男なんていない、いるならゲイだけだ、俺はゲイが世界で一番嫌いなんだ。

 この美少女の良さについて語り合えないやつはカス以下の人間だからな。


 「じゃあ、俺と付き合ってくれ」

 「うん!」

 「簑輪、好きだ!」

 「ありがと、じゃあ(とおる)くん、僕の事どこまで知ってるか言ってみて?」

 「あぁ、君はほんとは恥ずかしがりやで、人前に出るのが苦手なかわいらしい女の子だ、それでいてやるときはやる堂々としたものを持ってる芯のある強い女の子だ」

 「ありがとう!間違ってるよ!」


 は?

 間違ってる?

 どこが間違ってるって言うんだ?


 「またまたご謙遜を、お嬢さん」

 「ん?違う違う、僕男だよ?」


 は????

 なに言ってるんだ?

 こんな可愛らしい少女が男なんて嘘だ、そんなの断じて認めない。

 俺はゲイなんかじゃ___。


 「みる?ほら」


ボロン……。


 なんだこの黒くて長い棒は。

 白いお腹に似つかわしくない、こんなものいらないだろ。

 簑輪は前身色白でいるよな?何かの間違いだ、これは。

 そうか、これは俺の妄想からくる夢か。

 それなら納得だ、あぁ簑輪、俺はやっぱお前が好きだ。愛してる。


 「えいっ」


 簑輪が俺の手を握って『ブツ』を触らせた。




……俺、ゲイでもいいや。

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