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お菓子とカレンダー

作者: 昼咲月見草
掲載日:2021/12/16

「パパなんかきらい!」


 パパが急な出張に行く事になった。


 忙しいパパだけど、11月のユメの誕生日には一緒に遊園地に行くはずだった。


 しかもクリスマスにも帰れないかもしれないのだ。


「ごめんなあ、ユメ」


 パパは謝ったけれど、ユメは許せなかった。

 誕生日もクリスマスもパパがいないなんて絶対ありえない。ユメは絶対に許してなんかあげないと決めていた。




 12月1日、ユメはママに1枚の絵を渡された。


「なあに、これ」


「これはね、アドベントカレンダーって言うのよ」


 絵には大きな木が一本描かれている。

 2枚の画用紙を貼り合わせたようになっていて、木の葉っぱや地面の石など、小さなはずせるしかけがあった。


「1日に1枚ずつ、この小さな絵をはずしていくの」


 ママに言われて、ユメは葉っぱを1枚はずしてみた。


 そこには雪の結晶が描かれている。


「わあ!」


「次はこの中から同じ絵を探してみて」


 ママが出した、いろんな絵がかかれた小箱のあるケースから雪の結晶の小箱を探して開けると、中にはチョコレートが1個入っていた。


「チョコレート! 食べていい!?」


「いいわよ」


 チョコレートはハート型でとても甘かった。


「他のは?」


「1日1個ね」


 残念だけど仕方がない。

 ユメは我慢することにしたのだった。





 次の日は葉っぱから黄色いプレゼントの絵が出た。

 小箱の中身はいちご味のキャンディだった。


 3日目は地面の岩からウサギの絵が出てきた。

 小箱の中身はさくさくのクッキーだった。


 1日1個のしかけとお菓子。そして今日はクリスマスイブ。

 でも、最後のしかけはどうしても見つからない。


「ママ、開けるところがないみたい」


「大丈夫、ここを見て」


 そう言ってママは画用紙の端のところを指差した。


「2枚重なってるからはずしてみて」


 ユメはゆっくりと画用紙をはずしていく。1枚目に隠れて見えなかったもう1枚の絵が姿をあらわした。


 夜の森、降る雪、輝くもみの木と飾られたオーナメント。

 木の下には森の動物たち。見上げる夜空には、プレゼントを降らせるサンタのそり。


「サンタさんだ……」


 ユメが呟くと、居間のドアが開いた。


「メリークリスマス! ユメ、パパだよ!」


「パパ!」


 ユメは思わずパパに飛びついた。


「ごめんね、ユメ。さみしかった?」


 ユメはぶんぶん、と首を降る。


「ごめんね、パパ。きらいなんていってごめんね」


 ママが笑いながら最後の小箱をユメに渡した。

 中には小さなメモが入っていて、『パパとケーキ』と書かれていた。









挿絵(By みてみん)


ママは頑張って作ってみた。

パパは頑張ってイブに帰ってきた。

多分より頑張ったのはパパのほう(笑)。

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