奇襲された！
PvPシステムがこのマルチネスオンラインには存在する
フィールドには大きく分けて、戦闘地域と非戦闘地域の2種類が存在する
非戦闘地域は文字通りpvpが出来ない場所になっている
反対に戦闘地域はpvpが許可されている場所となっている
戦闘域でも戦闘できる対象には初心者狩りを防ぐ意図で制限が設けられている
・対象プレイヤーとのレベル差が±5以内であること
・戦闘開始前の対象プレイヤーの残存Hpが上限の5割を上回っていること
・対象プレイヤーが1番最後に死亡してから1時間以上経過していること
以上の条件を満たしているプレイヤーにのみ戦闘を開始することができる
ミカはエルダに戻るためグランディア山岳を抜けた先のフィールド、ジル丘陵を通り抜けている最中だった
「それにしても 長いなぁ… 乗り物とかあるのかな? 明日街で探してみるか!」
ものすごくのんびり始まりの街へと戻るミカを狙うプレイヤーがいた
「おっ! きたきた! 条件は～満たしてるっ! これで4人目だぜ さっさと殺してお金奪っちまおう」
戦闘地域であるジル丘陵でプレイヤーを狩って金を集める通称PKをしているプレイヤーと遭遇してしまった
ジル丘陵が戦闘地域だと気付いていなかったミカは悠々と通り過ぎようとする
「……クラッシュ・ゼロ!」PKがスキルを言い放ち ミカを襲う
いきなりのことで反応が遅れたミカは一撃を食らってしまう
「よっし! 一撃食らったな! これでお前はもう終わりだ!」
クラッシュ・ゼロには攻撃した対象に状態異常:刻傷 を与える凶悪なスキルで
刻傷になると 受けるダメージが増加し、状態異常耐性が減少する 厄介な状態異常だ
(まずい! 速攻で片付けないと瞬殺される! PKなんて聞いてないよ!!)
すぐさま攻撃体制を整えようとするが すかさずPKが追撃をいれる
(くっそ! 避けるのに精一杯で攻撃出来ない!)
絶え間ない連撃で避けられず どんどん追い詰められていく
「これで終わりだ! クラッシュ・インパクト!」
斧が光り 地面に叩きつける
(今だ!) 「ムーブメント!」 一瞬の隙をつき スキルを発動させPKと距離をとる
(よし! 距離が取れればこっちのもんだ!)
「距離を取られても こっちにはすぐに接近できるスキルがあるんだよ! インパクト・ダッシュ!」
勢いよくミカに接近する
が…
そこにはもうミカの姿はない
「あいつ! どこいった ! 」必死に探すPK
「…こっちだよぉ…… 」
インビジブルを使い PKの視界から外れ、背後をとることに成功
「ふふっ…面白いな… そっちには居ませんよぉ〜」
「くっそ! 逃がした! あと少しだったのに! 」
逃げたと思い込んだPKは動きを止める
「あんたも不意打ちしたんだし 私もしていいよね！ ラナウェーズ・クライシス！」
ミカのスキルは逃げたと思い込んだPKをいとも容易く射抜いて 一瞬で体力が消し飛び PKのHPは0となる
「うっわ 強い！ 一撃で死んじゃった！こんなに火力出てたっけ？」
どうやらさっき手に入れた装備のスキル 「荒ぶる龍の魂」の効果が一気に発動したお陰で
PKの体力が一撃で0となったみたいだ
「まあいっか！あとでもう一回スキル確認すれば分かるでしょ！気を取り直してさっさと帰ろ～」
このあとムーブメントを駆使し、ものの5分で始まりの街 エルダに帰ってきたミカ
「うわぁ… 人多いな… さすが販売初日で売り切れ続出させたゲームだな… 人の量がおかしい」
人で溢れかえっており よく街を見てなかったミカは色々なものを発見する
「あれ これってランキング…かな？ レベルとか闘技場とか色々区別あるけど… これまさか私載ってないよね」
職業別のランキングを確認するとなんと1位だった
「やべ ランキング載ってるじゃん… これ載らないようにとか出来ないのかな」
「こういうランキング上位者にはフレンド申請とかギルド勧誘とかしつこく来るの知ってるんだよね…」
設定を見ると 「ランキングに掲載しない」という欄があったのでチェックしておいた
「よし これで来ないでしょ！」
ミカは目的を忘れ いまさら街を探検する
「あっ 乗り物屋だ～ 馬とかいいなあ～ 明日買う！」
「へぇ…こんなところにお店なんてあったんだ…何売ってるかな…?」
「うわぁ…綺麗… というか水の表現凄いな！ 噴水もかなりリアルだし…」
小一時間ほど街を探検したミカはようやく目的を思い出す
「やべっ！ 忘れてた 早く寝ないとダメなのに 何やってるんだまったく…」
アイテムを売り、儲けたお金の金額ににやけながらミカは速攻でゲームを終わらせ すぐに眠りについた
そのころ…交流板では
【 やべえ奴発見した 】
というスレッドが話題になっていた
交流板 とは
ゲームに内蔵されたネット掲示板みたいな機能をもつチャットです
イメージ的には2chを想像するといいとお思います
