第66話
前話のうどんさんの口調を一部変更
取り敢えずブツブツと話を続けるクラリスニアン達は怖いので置いといて、3人で情報の共有をすることにしました。
それぞれが書き出したものをまとめるとこんな感じです。
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・私たちのことを母と思っている
・クラリスニアンは自身の名前などに関する記憶は全く持っていない
・水が嫌い
・ミラさんは3日前、王首領さんは一昨日、私は今日遭遇
・クラリスニアンと遭ってから、時折視線を感じる
・振り払っても気がついたら帰ってきている
・外見はクラリス・ドートドーターと言う少女のもの
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「ほう、気がついたら帰ってきているとな。」
「でんでろでんでろでんでろでんでろでーんでん♪ 少女 は 呪われて いた!」
「てけりちゃんって意外と気さくなのね…。」
「何ですか、こんなにも明朗快活に生きているというのに。」
「ウン、ソウネ。」
…まぁいいでしょう。それよりも気になることがあります。
「この「水が嫌い」と言うのは?」
「あぁ、私があった時あの子はすごい汚れてたのよ。それでお風呂に連れて行こうとしたんだけど…。」
なるほど、嫌がったと。まぁ、クトーニアンは水が弱点って設定だった気がしますし、その関係ででしょう。
あとは視線ですか。実は、気のせいだと思ってなるべく考えないようにしているんですけど、さっきからずっと視線を感じてるんですよね。うーん、ホラーだ。
ちなみに記憶が無いのはスルーです。だってお約束だもの。
「…取り敢えず、あの子達のとこにいきますか。」
「そうね、このままジッとしてても何も起きそうにないし。」
「で、あるな。」
ということで3人でクラリスニアン達の元へ行きます。彼女達は既にブツブツと呟いてはおらず、私たちの接近に気づくと近寄ってきました。
「「「お母さん!」」」
「やはり母呼ばわりは違和感である。」
「? お母さんはお母さんだよ?」
「この返し、地味な恐怖ありますよね。」
「その気持ち分かるわ。」
「うむ、日本的な恐怖であるな。」
海外のは恐怖というよりパニックに近いですよね。そして物理で解決する。
「ところでお2人さん、今も視線感じてますよね。探せたりします?」
「ならば我に任せるのである。」
視線の正体も確認しておこうと思いお2人に打診したところ、王首領さんから可能だとの声が。早速おねがいします。
「ではいくのである。」
そう言って王首領さんはサングラスを外し、何かのスキルを使ったのかその目を紅く─────
「お母さんはどこっ!?」
「「「っ!?」」」
突然、クラリスニアンの1人が叫びました。その顔は怯えと恐怖に彩られており、何かを探すように辺りを見回しています。
この子は…王首領さんのとこの子ですね。
彼女はしばらく付近を見回した後、王首領さんの方へと近づいていきます。王首領さんも異変を感じたからか目の色を戻し、目線を合わせてクラリスニアンに話しかけました。
「どうしたのであるか?我はここにいるが。」
「違う…違うの…お母さんはこんなじゃ無いの…。」
彼女はブツブツとうわ言のように呟きながら王首領さんに近づき、その手を王首領さんの顔の方へ向けます。
「ん?なんであ─────
ぐちゃり
─────ッ!!!!」
彼女は
「「─────っ!?」」
その小さな手を
「お母さん、よかった!」
王首領さんの両眼孔に突き入れ
「どうしていなくなっちゃったの?」
眼球を抉り出しました。
私のキャラ紙の1つも、これのせいで隻眼です。既にロストしましたが。