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プリンさん強い。




このボトルは、エイブラハムとの初遭遇後にゴアさんを訪ねた際にいただいたものです。


その中身は液体窒素。水魔法に加えて火魔法に手を出したゴアさんは、その両方がLv30になった際、複合属性の氷魔法を手に入れたそうです。





────────────────


氷魔法Lv10【爛水】

液体窒素を生成する。消費MP量により、生成量は上下する。


────────────────




ちなみに生成量は1MPにつき1mlと非常に燃費が悪いです。

先に生成しておこうにも蒸発してしまって意味がなく、詠唱もそこそこかかるためアイスクリームを作るのが関の山だ、とはゴアさんの談。

その割にアイスクリームの屋台を出して楽しんでましたけどね。


さて、そんな持ち運びに難がありすぎる液体窒素くんですが、私には強い味方がいます。

そう、ご存知ぶっ壊れアイテムこと停滞キューブくんです。

停滞キューブくん内は時間停止が可能なので、適当なボトルに液体窒素を入れておくだけで持ち運びができます。


羨ましがるゴアさんには一応口止めをしておきましたが…まぁ、あの人なら大丈夫でしょうね。



「というわけで実験1!」


私は、軟泥少女の方に向き直…んん??



「増え、てる…?」



前回は3人だったはずの軟泥少女が5人に増えてます。まさかランダム…いえ、おそらく何か規則性があるのでしょう。



「げ!?コロナもう来たのかよ!」



「おやぺぺさん、まだ生きてたんですか。ロンチーノさんは?」



「さっきそこのドロドロに食われた。」



南無南無。あとで本人呼んで「ロンチーノさんを悼む会」でもしましょう。


それはいいとしてぺぺさんが生きていたとなると…人数ですかね?



「ぺぺさん、ロンチーノさんがやられてから軟泥少女の数はどうなりましたか?」



「軟泥?…あぁ、そこのドロドロか。ロンチーノが倒された瞬間、2人が戻ってこうとしたんだが、コロナが来た途端また出てきたぞ。」



決まりですね。

あとは法則ですが…人数×2+1とかでしょうか?これが終わったら3人で行ったはずのラピス達に聞いてみましょう。



「んじゃ、ぺぺさん。」



「なんだ。」



「邪魔なんで死んでください。」



「もっと言い方あっただろ…。へいへい、仰せのまま。」



短剣で自身の喉を掻き切ったぺぺさんが光になって消えるのを見届け、私は再びボトルを構えます。フレンドリーファイアでレッドネームなんて笑えないですからね。

それと、やはり軟泥少女は3人になりました。ぺぺさん分がいなくなったのでしょう。



「では気を取り直して実験1、『軟泥は凍るのか』!」



私はボトルの蓋を開け、中身を軟泥少女達に向けて振り撒きます。ゴアさんにいただいた液体窒素は3L、実に3000MP分です。ナリアがいてくれて助かりました。






────────────────


PL名:ナリア

Lv:39(21)

種族:宇宙からの色

HP:95

MP:2390

STR:3

CON:0

SIZ:12

DEX:17

APP:ー

POW:19

AGI:13

TEC:12

VIT:ー

LUK:95

スキル

・〈吸魔〉

・〈無駄飯喰らい〉

・〈原色捕食〉

・〈精神侵食〉

・〈分解〉

・〈精神修復〉

対象に自身のMPを分け与える。対象の許可が必要。


称号

・[コロナの従魔]

・[ダンジョン・クリエイター]


────────────────





この〈精神修復〉でゴアさんの不足分のMPをいただきました。それでも足りなかったので、私のMPをナリアにドレインしてもらいましたけどね。


それから、称号にも非常に気になるものが加わっていましたが後回しです。

そういえば、ナリアの普段潜んでいる畑の一角がダンジョン化したって聞いたことが…ええい、後回しだと言っておろう!


さてさて軟泥少女は、っと。



「よし、ちゃんと凍ってますね。」



3Lで3人全員が全身凍結するのは過剰な気もしますが…おそらくゲーム的妥協でしょう。


さてここからが本題です。いつものように肥大化した腕で氷柱と化した軟泥少女を殴りつけます。



「砕けて…よし、再生しないみたいですね。おそらくこれが攻略法でしょう。」



矢鱈と強いので何か弱点か弱体化ギミックがあるとは思っていましたが…弱点を突くとここまで脆いとは。

続けて他の2人も砕きます。よーし、これでエイブラハム本人とご対面ですね。



「マザリモノニ、テッツイ、ヲ。『BYVヨクセイザイ』。」



「びーわい…?…っ!?!!?」



エイブラハムが突然床に向けてボトルを投げました。おそらく「BYVヨクセイザイ」とやらが入っていたのでしょう、霧状の液体が吹き出します。


慌てて口を押さえましたが、時すでに遅し。強烈な吐き気とともに、ショゴス化の解けた私は倒れ伏しました。恐らく、リアルならば戻してしまっていたでしょう。ゲームで良かったです。



「〈アルス・マグナ〉」



「ぐべぇ。」



首を切られて死にました。

取り巻きが強いなら本体も強いのは当たり前ですよね…。

というか、ボトル返しに〈アルス・マグナ〉って私に嫌がらせでしょうか?

ぐ、VRデビューのトラウマが…!


…おや、メッセージウィンドウさんじゃないですか。



『障害を検知。デスペナルティが2倍になります』



嘘でしょ?(2回目)





────────────────


デスペナルティ


・ログイン不可リアル(1×10×2)時間


・所持トゥルロスト(1×10×2)割


・次回ログイン時、ステータスダウン20%ゲーム内(1×10×2)時間


────────────────





ま さ か の 借 金。








ラグナロク・ジ・ウォッチ使いたい。

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