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バーサーカーさん(仮)  作者: バーサク
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やらないか?

時計の短針が10を指し、長針は2を過ぎたあたり。


「カチ」


「カチ」


針が動く音が聞こえている。


 

俺は1人でジムのフロアにいた。


目を閉じ正座をしている。

はじめは聞こえていた時計の針が進む音が遠くなっていく。

やがて・・・聞こえなくなった。



俺は息を吐きながら静かに立ち上がる。

スー・・・と流れるような動作だ。



「ッバ!」

一瞬の静寂を打ち破る音がなる。

正面で構えていた体を左に向け受けの構えをとっていた。

即座に突きをだす。


何度も何度も繰り返した動き。

体に染み付いた型の動きだ。



感覚が研ぎ澄まされていく。

針の先端のように


頭が妙にさえる

極度に集中した状態のとき、先の動きがイメージで見ることができる。


実際には初動を見て、次の動作を予測しているのだが、相手から見れば先読みされた感覚だろう。



道着が擦れ、バッ!バッ!ババッ!という音だけがフロアに漂う。


どれだけ時間がたっただろうか。


フロアに汗が落ちるのも気にせず、俺は型を繰り返していた。



これで終わりにしようと決めた。

最後の動きに気合いをのせる。

敵をこの一撃で打ち倒すための気合いだ。



「ハァッ!!!」



ビリビリと空気が振動している。

声がフロアに響き、反響する。


俺はゆっくりと戻り、息をはいた。



すると、後ろから朗らかな声がかけられた。



「終わったかな?あいかわらず気迫こもってんねぇ。お姉さん感心しちゃうけど、そろそろ閉めたいなー」



出入り口の方からした声に振り向く。

長い髪を束ね、ポニーテールにした女性。

スタイルがいい。

俺の見た目では推定で・・・


やめよう

なぜか悪寒がする


俺は声をかけて女性に言葉を返した。


「ユイ姉!もうそんな時間?ごめん!鍵は俺が閉めていつものところに置いとくよ。」



声をかけてきた女性はユイ姉。

俺の7つ上の姉だ。


30を越えてなお20代の肌を保つ彼女。

部下からの信頼に厚い。

特に女性に!


そして、俺がいつもジムで遅くなってもずっと待っていてくれる優しい姉だ。

婚約者がいたが、事故で亡くしている・・・



俺がフロアを掃除していると、ユイ姉が戻ってきた


「そうそう!カイからあんた宛に贈り物届いてたから。手紙にメール確認よろ~。ってあったから確認しときなー」


そういってユイ姉は帰っていった。



1人残った俺は疑問した

 

「カイから?また変なもの見つけたのか?」

 

嫌々そうな口調で言いながらも口許は笑っていた。


電気を消し、鍵を閉めて俺はフロアを後にした。


メールを確認する



「一緒にゲームやろうぜ!」



要約するとその一言だった。

最初の方には俺が愛してやまないうんたらかんたらと気持ちの悪い言葉が溢れていたため割愛。


なんでも

「ゲームを始めたけど痛覚設定があり、誰もタンクをやらない。助けてくれ」

ということらしい。



俺は武道経験者だ。

普通の人よりは痛みに慣れてはいる。


そこでタンクをやってほしいと



タンクはゲームでいう防御やHPが高いプレイヤーが、敵を引き付ける役目のことだ。


贈り物はそのゲームの筐体とそのデバイスだった。



カイとは腐れ縁だ。

小学校からずっと一緒にいた。

いつもつるみ、親友というのは俺にとってカイのことをいう。



カイの方は俺が飽きるものは誘ってこない。

けれど、楽しめるものはガンガン誘ってくる。

今までの経験から今回も俺が楽しめるものだと期待できる。



「腐れ縁もここまで来ると呪いか?」


 俺はクスクス笑いながらゲームの説明を読み始めた。



《境界の果て》


今もっとも話題の人気VRMMOゲームだ。


様々な種族に豊富なスキル

プレイヤーの行動によりスキルは生まれる


「いくつもの可能性から自分だけの可能性を見つけ出せ!」


 

そんな銘がうたれたゲームだった。


まぁなんでもいい。

カイからの誘いを俺は断ったことがない。


カイにゲームをやるとメールを打つ


すぐに連絡がきた。

ちょうどゲームからログアウトしたところらしい。


カイのプレイヤーネームは『マーチ』

ゲームを始めて慣れたらプレイヤー検索をして連絡をすればいいそうだ。


 

希望としては俺にタンクの役をしてほしいようだが、それは俺の自由に決めていいと言っていた。


俺はタンクでも構わないことを告げる。

それならと竜人か鬼人という種族を選び、vitとmenにそれぞれステータスポイントを割り振った状態で始めるといいと言われた。


俺は了承して電話を切った。



「スタート!」



俺はカイの待つ《境界の果て》へログインした。



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