閑話 仕事もらおうとしたら、却下されました。
連投6日目。
ちょっと箸休め的なお話。ラスト1日!!
次回更新は夜8時。
これは、アルベルトさんの家にきて、最初の日。エリーザさんに引き合わせられる少し前の話。
「あの、アルベルトさん。お気持ちは嬉しいのですが、私クロ、-ド君と違って、成人していますので、さすがに何もしないというわけにもいきません。よろしければ、ここで働かせていただけませんか」
ネコで子供のクロと同じ扱いというのは、さすがによろしくない。
ただのニートするには、私の性格は真面目すぎる。ほら、働かざる者食うべからずっていうし。
「お前じゃ、ここで働くなんてできるわけないだろ」
そんな私の真剣なお願いに、横から幼い声が水を差す。
「何よ、そんなのやってみないとわからないでしょ」
「わかるよ。だいたいお前、自分の体わかってて言ってんの?」
反論する私に、呆れを隠さない黄緑の視線をよこして、クロは目の前に置かれたお菓子をポリポリ食べている。
それをこくんと飲み込んで、じっと私の眼を見つめたまま言葉を重ねていく。
「一度熱を出したら3日は引かず」
あ、いやそれは高熱が出たときだけで。
「週に一度は熱をだし」
それは、熱っていっても、7度台前半だから微熱だし。
「ちょっと走れば、肺から変な音聞こえるし」
いや、だって気管支弱いから。ぜんそくの名残ってやつ?
「眩暈立ちくらみは日常茶飯事」
それは、貧血だから。倒れたことはあるけど、もう倒れる前兆はわかるし。
「これ、雇えますか?」
最後に、父親を見て念を押す。
お願い、雇うっていって。
という私の願いは空しく、アルベルトさんは却下宣言を下された。
ぐすん。