閑話 クロがめちゃくちゃ年上でした。
箸休め的なお話。
別になくてもいいんだけど。
本編に入れきれなかったので、閑話です。
「そういやさ、クロっていくつなの」
目が覚めてから一週間ほど。
熱はだいぶ下がったけど、いまだ体力が戻らなくて一日の半分以上をベッドで過ごしていたとある日。
ダンテさんが持ってきてくれたリンゴを一緒に食べながら、クロに聞いてみた。
ちなみに、ダンテさんにはすでに謝罪済みである。
私が謝ると、ダンテさん「怖いものをお見せしてしまい申し訳ありませんでした」と逆に謝られて申し訳なかった。
普通の人間の娘に見せることはほとんどないそうだけれど、クロにあれだけ慣れている私なので、大丈夫かと思ったから、あの姿になったそうだ。
けれど、あの時私は思いっきり怖がってしまった。まぁ、彼に、というもあるけど、あの地獄絵図も怖かったので二重にショックだったんだけども。
それで、私がダンテさんを怖がっていると思っていたから、私の部屋に来なかったらしい。彼なりの配慮だった。
「ん?オレは・・・」
「クロードさまは、今年で59歳におなりになりました」
「59!!?」
クロが言いよどんだところを、すかさずダンテさんが答える。
人間である私が、あの姿を見た後にも、屈託なく彼に接することに、彼はいたく感銘を受けたらしい。
今までにあの姿を見た人間は、総じて腰を抜かして彼を悪魔と呼んだそうだ。中には、恐怖のあまり発狂した人もいるそうな。
まぁ、気持ちはわかるけど。
でも、エロエロエッサイム的なことするから悪いんだと思うよ。
彼はいかめしい顔は相変わらずでも、以前にもまして細やかな気配りをしてくれるようになっていた。うん、やっぱりこの人はいい人だ。いや、いい山羊だ(あの角は羊ではなく山羊だった)。
「言っとくけど、人間でいうところの5~6歳だからな」
驚きで目を瞠って、クロを凝視してしまったけれど、これはしかたないと思う。自分のペットが、自分の倍以上生きていたなんて!!
そんな私を見て、クロがムキになって言い訳してるけど、そんなのかんけーねー。
魔族は、ちょうど人間の10倍ほどの寿命を生きるらしく、子供のころの成長も、ちょうど10倍ほど遅いらしい。
純粋に、細胞の成長・劣化が人間の10倍の速度なのだろう。
それにしても。
59歳か・・・。
「次の誕生日には、赤いちゃんちゃんこ作ってあげるね」
「ケンカ売ってんのか!!」
即座に却下された。
せっかくの心遣いなのに。
還暦のお祝いなのに。
失敬な。
気付いたら、5000Pv達成してました。
皆様ありがとうございます。
次回更新は消費税上がる前日ですー。




