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(3)

ギルド前で話した後、とりあえずブロス君に食事をおごってあげることに。ブロス君はよっぽどお腹がすいていたらしく、テーブルに食器が山積みになる。


今まで1日に、食費でどのくらいかかってたのか聞くと、大体10~20Gとのこと。それじゃあ、支度金が底を突くのも仕方がないと思う。


それからギルドで依頼を受け、ブロス君の左肩に載せてもらって日の光が差し込む森の中を移動している。


たわいもない話をしながら小1時間ほど歩くと、木々がなくなり開けた草原にでた。


「うし、採集ポイントに到着だよ。」


「了解だべ。たしか薬草だっただべか。」


「そうだよ。よーくみると、緑に赤いスジが入った幅の広い草があるでしょ。それが薬草だお。」


「ほええ、これが薬草だべか。よく見たら、怪我したときによく養母ちゃんが貼ってくれた草だべ。」


「うん、貼ってもいいし、薬効だけを取り出してポーションにしてもいいんだよ。今回の依頼は、根っこ付きだから。採取は根っこ付きで。」


「了解だべさ。」


それから、プルプルとブロスは背中を合わせる様に、採取に乗り出す。


プッチン プッチン ブチブチ ブチ・・


「????」


なんの音だろう・・


ブチ ブチ ブチ・・・


なんだかブロス君の方から音がするなあ・・・ なんとなく気になって後ろを振り向くと、薬草を懸命にむしっているブロス君がいました・・


「ブ、ブロス君。採取の調子はどう・・?」


「うーん、さっきからひっこ抜こうとしてんだども、掴んで持ち上げると根が切れちまうだよ。」


「そ、そうなんだ。じゃあ、僕が採取に専念するから、周りにモンスター居ないか警戒しといて。」


「おらが、うまくできないばかりに・・ すまねえだ。 そのかわり、警戒は任されただよ。」


「ありがとう。ここらへんは、腹ペコ兎がでるから気を付けてね。遠くで白くて長い耳が見えたら教えて。」


「おう。」


こうして3時間後、30株の薬草を採取することができた。採取の依頼は、10株。30株とったので3回分の報告はできる。1人が1日受けれる依頼の数は、3つまで。PTを組むと頭数×2つに減るので、今回の場合は4つまで。なのであと1つ依頼を報告することができる。


「ふう、なんとか依頼3回分になったけど薬草採取では、1回分の報酬が20G。それが3つで60Gかあ。僕的には、いい値段だけど、ブロス君は食費もあるしもうチョイ稼ぎが欲しいとこだね。」


「うんだ。今回の報酬を山分けすると30G。寮費と食費で考えると、1日分だべさ。」


「なかなか思うようになはならないけど、お互いに今までの事を考えれば、稼げたし良かったじゃん。」


「うんだべ。昨日まで稼げなかったんだから、良かったべ。ありがとうプルプル!」


「こちらこそ、ありがとう、ブロス君。」


そうして、どちらともなく笑い声があがりひとしきり、2人とも笑いあって帰路についていくのであった。



◆ 次の日、また草原にて ◆


昨日ブロス君と来た草原にまた2人でやってきた。今日のメインは、”腹ペコ兎の討伐”である。


「うし、今日は討伐がメインだから。まずは、巣穴を探そう!」


「了解だべさ。」


こうして草原の中を進んでいくと、約高さ1mくらいの土で出来たカマクラにぽっかりと穴があいた巣穴があった。


「よしとりあえず、おびき出すから。巣穴の前に”ニンジン”置いてきて。」


ブロス君に巣穴の前にニンジンを置いてもらうこと、10分。それは現れた。


体調は、耳まで入れると80センチ。見た目は、緑と白の横ストライプのはいった囚人服。耳は結ばれ、見た目にはVの形になっている。顔は細長く、どことなく間抜けな風貌だ。


これは、ウ〇ビッチのプー〇ンじゃないか・・


異世界といってもどこかで、世界と世界は繋がっているのかも知れない・・・


閑話休題


それはさておき、討伐以来なんだから倒さなければ。とりあえずは、ブロス君に指示をだす。


「ブロス君、とりあえず1人で戦って、どんな戦い方を今までしてきたか見せて。」


「おう、わかったべ。」


そういうと、2人で隠れていたくさむらからブロス君が、棍棒片手に踊り出ていく。


ブロス君が雄叫びをあげながら、棍棒を振りおろすが動作が大きいせいか、むなしく腹ペコ兎によけられ地面を叩いていく。


うーん、ダンジョンの様な限られた空間ならまだよけられすに当たるかもしれないが、野外だとさすがに厳しいようだ。


後は、目が1つの為視野が狭いのかもしれない。先ほどから棍棒は風を切ってブンブンと唸りを挙げているが、どんなに高威力でも当たらなければしかたがない。


そのうち腹ペコ兎のほうが避けるのに疲れて、ブロス君の棍棒が脇腹にヒット。腹ペコ兎は、肉が抉られ息絶えた。


「ふう、ブロス君お疲れ様。」


「なんとか倒したべ。それにしても時間がかかっちまっただ。」


「それにしても凄い威力だね。」


「それほどでもないだべ。」


どこかブロス君は得意げだ。


「えーと腹ペコ兎の証明部位は、シッポだから、ブロス君切り取っちゃって。」


「了解だべ。」


それにしても、ブロス君はせっかく力が強いのにそれが生かされてないなあ。とくに野外のような広い場所や、対面戦闘が向いていない。近接戦に持ち込む前に、遠距離攻撃で有利に持ち込めれば違うだろうに。それと今回は、照明部位が運よく残ったけど、いままでは残らなかったんだろうな・・


明日は、そこを改良してみよう。


それからは昨日と同じく薬草を採取して帰路についたのだった。









 

 



お読みいただき、ありがとうございます。

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