表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

(1)

剣と魔法の異世界にある大陸をテーマにしたネットゲーム、「カオティック」。このゲームは、光と闇の女神の加護を受けし雑多な種族の中からキャラを作り、ゲームを楽しむ中世風RPG。種族の多さが売りとのことだった。 


代表的なところで光の神の加護を受けし、人間にエルフ。そして、多様な姿形をした闇の女神に加護を受けし魔族たち。


そして俺は、闇の女神の加護を受けし種族の1つ、スライムを選択していた。創生の神話では、闇の女神が最後に生み出した種族がスライムで、このゲームでも、最弱種族だ。様々なネトゲをやり今回も、代わり映えのしない新作かと思い飽き飽きしていた俺は、適当にキャラメイクをして、”プルプル”と適当に名前をつけた。


スライムの初期ステータスは、すべてにわたり最低ランク。しかしながら、キャラ作成時のステ振りボーナスが最多の100Pとステータスの上限が無制限と言う特典があった。


そして俺は、どうせすぐ飽きるしネタキャラを造ろうと、その100Pを賢さに一点振りしたのである。まさか自分がゲームに似た異世界に来ることを知っていたら、絶対やっていなかったと今になって後悔しているが・・・


そう俺は、キャラ作成ボタンを押した瞬間に気を失って、なぜかこの世界に来ていた。


この世界に来てから明日で、ちょうど3年目。闇の女神のほこらにある、深淵しんえんと呼ばれる黒い泉から、生まれてきた。


魔族は、人型・獣型・亜種と様々な姿の者がいるが、例外なくこの深淵から生まれてくる。


そして、魔族は人型になるほど魔力や潜在的な素質が高い。また、何かしらの素質が高い者が生まれて来るときには、泉の表面が波打ち複雑な紋様が描かれる。


そして、俺が生まれて来る時も複雑怪奇な紋様が描かれ、よほど力の強い者が生まれて来ると期待されたらしい。


その生まれた時の俺の姿だが、某国民的ゲームの青い物体に茶色のとんがり帽子をかぶった姿だったらしい。


魔族の容姿には、その者が潜在的に持っているステータスの特徴があるらしく、戦士系なら剣や鎧。魔法使い系なら、杖やローブなどといったものだ。そして俺のとんがり帽子は、知能の高さを現していたらしく、稀代の魔法使いが生まれたかと騒がれたが、賢さはあっても精神力が最低だったらしく、無駄な才能と今は言われている。


なぜ無駄な才能と言われているかと言うと、このカオティックにはレベルというものが存在せず、その代わり熟練値なるものがある。熟練値とは、スキルを使うことによってそのスキルが熟練され、スキルそのものが進化していく。また、使うスキルによって各種ステータスも上昇する仕組みだ。


つまり俺は、今も魔法が使えないからこれから先も、魔法は使えないと言うことなのである。


さて、魔族の誕生に話を戻そう。さきほども言ったように、魔族は深淵と呼ばれる黒い泉から生まれる。つまり、人間と違って両親はいない。魔族は生まれながらにしてある程度の生活をするだけの力が備わっているが、世界や魔族社会の仕組みは人間の赤ん坊と同じで、教わらないといけない。


ゆえに、生まれてきたばかりの魔族には、同族の後見人が付く。


俺の後見人は、農民をしているスライムのじいちゃんと、ばあちゃんだ。2人とも、かなりの齢を重ねているようだがいまだに現役で畑にいっている。とってもいいスライム達で、とても気にいっているが、丁度明日で、生まれて3年目。いよいよ、独り立ちの為に魔族の為の学院に行かなければならない。


「いままでありがとう、じいちゃん。ばあちゃん。」


俺のスライム人生はこれからだ~

お読みくださり、ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ