序章~プロローグ~
翌日。窓から日の光が入ってきている。空は雲一つない晴天。
外では鳥たちが鳴いている。
「まぶしい……。 ふあっ。もう朝か」
もそもそベッドから降り剣を腰に差し、そしていつもの黒い外套を着て手早く用意を済ます。
そこへちょうどノックがありドアが開く。
「シュバルツ様。ギャラハッド様がお呼びです。皇帝陛下のお部屋でお待ちですのでご案内いたします。用意はお済みでしょうか?」
とうとう来たか。皇帝さんには認めてもらわないと。
騎士なったって探索に加われないと意味ないしな。
「ああ。案内を頼む」
宮殿の召し使いらしき女性は綺麗に腰を折りお辞儀をした。そして優雅な動作で上体を起こした。
「かしこまりました。それではこちらになります」
寝ていた部屋から階段を使い上へと向かう。
赤い絨毯に頭上には豪華なシャンデリアが輝いている。大きな窓からは陽光が入りガラスが光っている。
やがて一つの大きな扉の前で召し使いは足を止めた。
「こちらになります。お部屋の中では皇帝陛下とギャラハッド様がいらっしゃいます。それでは私はここで失礼します」
先程同様美しい礼をして召し使いは去っていった。
流石に緊張するな……。
軽く深呼吸をして扉に手をかけ、ゆっくりと開いた。腹に力をいれ一歩踏み出した。
そこには豪華な装飾がされた椅子に座る男が1人。すぐ横にはギャラハッドが立ってこちらを見ている。
「よく来たなシュバルツ。改めて帝国騎士ギャラハッドだ。そしてこちらが我が主アレス皇帝陛下だ」
皇帝陛下はこちらを見ている。集中しているようで視線がほとんどぶれない。
「シュバルツ=アーテルだ。ギャラハッドには帝国騎士には入れてもらったがもう1つ頼みたいことがある。あんたたちが探している秘宝の捜索に加えて欲しい。もちろんただじゃない」
そして例の首飾りを取り出しアレス皇帝に見せる。
「なるほどな。交渉材料もありギャラハッドを納得させる強さか。よかろう…… シュバルツ=アーテル。向かい入れよう。我が帝国騎士団へ」