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第1章~少女との出会い~
病院を出てギルドへ向かう。ノーラのこともしっかり隊長と話しておかなければならない。
ギルドの扉をあけると中では隊員や受付の人が応対をしている。
ここには魔物の退治の他にも、警護の仕事や街の治安についての仕事も舞い込む。
一言、二言挨拶をして隊長の部屋へと入る。
「こんちわ――」
軽い感じで挨拶をすると隊長はタバコをくわえたままこちらに振り向いた。
「ん?なんだヴァイスか。もう大丈夫なのか?」
「まぁ大丈夫ですね。なんでなんか仕事ないッスか?」
「仕事ではないがちょっとやって欲しいことがある」
タバコをもみ消し、目を合わせてくる。
「いいッスよ。できればリハビリになるようなのがいいんだけど」
すると、隊長はにやりと笑う。嫌な予感が頭をよぎる。
「ちょっとルリアと模擬戦でもやってみないか?リハビリにはちょうどいいと思うぞ」
嫌な予感とは当たるものでまさかの模擬戦とは。しかも、相手はよりによってルリアさん。いくら模擬戦と言っても手を抜いたら死ぬじゃないか……。