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第1章~少女との出会い~
と、ノーラの目がゆっくりと開く。
「――ヴァイス?あれ?私…… どうして寝てるの……」
朝、起きたばかりのような微睡んだ表情をうかべている。むくりと上体を起こす。
「ノーラ! 良かった……目が覚めたか。」
「ん…ん? うん。目、覚めたよ」
さも当然だとばかりに真顔で言うノーラ。その様子を見て俺はどこか安堵する。
「全く、心配かけやがって」
「うにゅ…」
頭をぐりぐりと撫でてやると気持ち良さそうな声を出す。そこへ隊長がノーラに質問をする。
「ノーラさん。この街のギルドの隊長のジークだ。森での事を詳しく教えてもらえるだろうか?」
森でのことは俺もフィオナも話したがやはり詳しくはわからない。
「ノーラ。話してくれないか?」
「うん。わかった。でも私自身詳しいことはわからないの。それでもいい?」
少し不安な色が目に映るノーラ。だから俺はできる限り優しく言った。
「もちろん、大丈夫だ」