第1章~少女との出会い~
「あら?そちらの女の子は?」
ルリアさんには森の中でのことはしっかり話しておかないと……だよな。
「実は……。信じてもらえるかわからないんですが」
喋る魔物のこと。ノーラのこと。警告のことを伝える。ルリアさんは表情を変えることなく耳を傾けている。
「それは興味深いわね。ノーラさんのことも詳しく話を聞きたいけど、とりあえずはあなたたちはいったん病院へ行きなさい」
「わかりました。じゃあまた後で伺います。フィオナ行くぞ」
「はい。あ、えと、その…… ルリア…副隊長。ま…また後で」
フィオナが顔を赤らめて視線が泳いでいる。まるで恋する女の子じゃないか。そりゃ、ルリアさんは強いし綺麗だし憧れるのはわかるけど兄としては複雑だよ……。
「お前さ、そんなにルリアさんのこと好きか?」
「大好きですよ!!」
間髪入れずに答えるフィオナ。そんな様子に苦笑いを浮かべてしまう。俺はどこで育て方を間違えたんだろうな……。
「なあ。悪いことは言わないからルリアさんは止めよう。あの人は怖いしさ」
「いくら兄さんでもルリアさんへの侮辱は許しませんよ……。それを言うということは覚悟があるんですよね?」