第1章~少女との出会い~
こちらの魔力はほとんど尽きたぞ。さあ…どうだよ?
「マジ…… かよ」
ワーウルフの周りには魔力障壁が覆っていた。こちらの攻撃は一切通っていない。
球形状の壁からは赤い瞳が覗いている。そして足を曲げこちらに跳躍してきた。
「まずい!」
魔力の消費で体が動かねぇ。このままじゃ……やられる!
「アースウォール」
やられると思った瞬間目の前に土の壁が現れワーウルフの攻撃を防いだ。
「兄さん!大丈夫ですか!?」
ギリギリ助かったか。いいタイミングだぜ、フィオナ。
「フィオナ。門は制圧完了か?」
「はい。あらかたは倒しましたからね。ちなみに兄さん。帰ったら少しお話がありますからね」
笑顔なのに…なぜだろう死を感じさせるんだ。
その理由はわかってる。絶対無理したからだよな……
「えっと……本当に申し訳ないです。と言うか今は目の前のワーウルフどうにかしないと」
「そうですね。しかし、兄さんがこんなに手こずるなんて…どんなやつなんですか?」
フィオナに障壁のことを話す。するとフィオナも少し顔つきが変わった。
「魔力障壁……。それを破ればいいんですよね?私が大魔法を放ってみま魔法とかさらっと撃つって言うな……。本当に撃てるからすごいけど。
「わかった。フィオナも無理はすんなよ」
「ええ。ありがとうございます」