第1章~少女との出会い~
対峙してみてわかる。毛並みは白銀でとても綺麗な色をしている。このワーウルフは北門にいたやつより上位種だ。
こいつを倒せば門は比較的楽になる。
「悪いが倒させてもらうぜ」
剣を向けるが嫌な汗が止まらない。直感がヤバいと告げている。それでもワーウルフをしっかりと捉える。
深く息を吸い集中する。
「ふぅー。いくぜ!」
走りだし剣を振りかざす。刃に魔力を流しながら切る。
「グルル……。ガァ!」
ワーウルフの爪とぶつかりこちらが弾かれてしまう。
刃を強化しているはずなのに弾かれるとはかなり硬いな…。
「なんだこいつ…。とんでもなくかてぇ。だったら」
魔力をワーウルフの頭上に集め十字架の形を作り出す。俺の属性は光のため十字架はまばゆい光を放っている。
「光の刃よ。貫け!グランドクロス」
ワーウルフに十字架が突き刺さった。
「きゃっ!」
あまりの閃光にノーラは目を瞑る。風圧で木々がざわざわと揺れた。
辺り一帯に煌めいた閃光が収まるとワーウルフの姿が見え始める。
「ちっ。全然効いてないか」
諦めずに何発も撃ち込むしかないか……。問題は魔力が持つかどうか…だな。
しかし、どうやってこちらの攻撃を動かずに防いだ?
「くらえ!シャイニングボール!」
魔力弾を放つとすぐに生成し直しワーウルフに雨のように降り注ぐ。