第1章~少女との出会い~
「兄さん。多分これどこかにリーダーみたいなのがいるはずです。おそらくこの先の森の中。統制がとれた動きをしてきますからそいつを倒せば……あるいは」
流石はフィオナ。探査も平行でしているとはな……。他の隊員も食い止められてるし、行くなら今かな?
「わかった。俺が行く。大魔法を使えるか?道を切り開いてもらえれば一気に森に入る」
剣を強く握り、魔力を注ぐ。刃の色が白から光をまとい輝きだす。
「わかりました。でも兄さん。無理はしないで下さい。ここを倒しきったらすぐに向かいますから」
そう言うとフィオナは魔力を集め始める。そして水と風が混ざりあい氷を作り出していく。
ワーウルフ達はこちらを警戒しながらも距離を詰めてくる。
「覆いつくして!コキュートス!」
集めた魔力を解き放ち、拡散させていく。ワーウルフ達を二十匹ほど氷漬けにした。
そしてフィオナはこういい放つ。
「砕けよ。ブレイク!」
凍っていたワーウルフは砕け散り道が一本できた。そこを全力で走り抜ける。
「兄さん!絶対に…絶対に無理はしないで。すぐに追いつきます!」
背後でフィオナが叫ぶ。全くフィオナは心配性だ。そんなことを考えながら森に入ることに成功した。