41話
「ただいま」
玄関の扉を開き、帰宅する。
靴を脱ぎ、脱衣所に行き探索用の服を脱ぎ洗濯カゴに入れる。
今日も汗をかいたし、シャワーを浴びる。
ふ〜、スッキリした。
濡れた髪や体を簡単に拭き、部屋着に着替える。
まだ少しだけ濡れていた髪をタオルで拭きながらリビングに向かって歩く。
リビングに到着し、ソファに座って脱力する。
「ふぅー」
今日も疲れたな。無音なのも何か寂しいしテレビでも流しておくか。近くにあったリモコンを手に持ちテレビの電源をつけ適当な番組に合わせる。
さて、さっそくレベルが25になった時に得れるスキルを選んでいこう。
「ステータス」
【名前】冬野 礼司 Lv25
【称号】『禁断の果実』『人魚の真実』『闇裂く狩人』
【スキル】『影操作』『鑑定』『回復』『投擲』『危機感知』『プロテクション』
ステータスのレベルの部分を見ると、前と同じように点滅している。その点滅している箇所に指で触れる。
頼む! いいスキルがきてくれ!
【スキル選択】
・『カバー』
・『帰巣本能』
・『強打』
とりあえず、一つずつ調べていくか。ネットで一つ一つ名前を頼りに調べていくと全てのスキルの効果がわかった。
まずは『カバー』、このスキルは対象のダメージを自分に移すことができるスキルらしい。
このスキルを持っていればパーティーでのタンクの役割に大いに役に立つスキルだ。まあ、俺に仲間はいないし、今のところ作る気もないから、必要ないスキルだな。
次に『帰巣本能』、このスキルは帰る場所にどうやって行けばいいかが直感的にわかるスキルみたいだ。 この帰る場所というのはスキルの所有者が自由に設定でき、ダンジョンの事故などが原因で帰り道がわからなくなった時に役に立つだろう。
最後の『強打』のスキルは、スキルを使用した時に物理的衝撃を強化するスキルだ。
このスキルを使うと、武器の攻撃力が上がったり殴る蹴るの威力が上がったりするようだ。
シンプル故に強力な性能を持っている。
さて、このスキルの中から一つを選ぶとするなら・・・・・・・・・・・・・・・『強打』のスキルだな。
俺は『強打』のスキルを選んだ。
『カバー』のスキルは論外だったが『帰巣本能』のスキルと少しだけ迷った。もし、ダンジョンでギルドに帰る場所がわからなくなった時の保険として持っていてもいいと思ったが、今の段階では自分自身の戦闘能力を上げていた方が、生存率が上がると思ったからだ。
俺の近距離攻撃の威力は心許ない。これ以上硬いモンスターが出てくれば、手も足も出ないように思える。それに、『強打』の訓練はダンジョン内でなくとも簡単にできそうという理由もある。
スキル選択のウィンドウの『強打』の部分に指を触れる。
ウィンドウの表示が瞬時に変わる。
【名前】冬野 礼司 Lv25
【称号】『禁断の果実』『人魚の真実』『闇裂く狩人』
【スキル】『影操作』『鑑定』『回復』『投擲』『危機感知』『プロテクション』『強打』
よし、確かに取れてるな。
さっそく、スキルを試してみるか。
ここで殴ったり蹴ったりは、流石に危ない。何か小さい事で試したいな。
机の上に消しゴムを用意し、それに狙いを定めデコピンを構える。
発動:『強打』
スキルが発動した感覚と共に、指先を弾く音が響き消しゴムが水平に飛んでいく。少し飛んだあと、地面を跳ねながら落ちる。
もう一度、消しゴムを元に戻してスキルなしでデコピンをする。
なるほど、普通の時より威力があるみたいだな。
やはり、訓練は簡単にできそうだな。サンドバッグでもネット通販で買っておくか? 幸い、開いてる部屋ならたくさんある。どこか一つを訓練に使う部屋にしてもいいだろう。
ふと、時計を見れば19時を回っている。夜ご飯にするか。
俺は、新しく得たスキルの訓練をどうやってするかを考えながら夜ご飯の準備に取り掛かった。




