40話
ギルドから依頼を受けてから、3日程たった。やっぱり面倒くさいんだろうな。ダンジョンツアーのことを思い浮かべて、少しだけ憂鬱になる。
キーンコーンカーンコーン
そんなことを考えていたら、チャイムが教室に響き渡り六時間目の終わりを告げ、教卓に立っている先生が日直に指示を出す。
「起立」
クラス全員が立ち上がる。
「礼」
「「「「ありがとうございました」」」」
礼が終わり、クラスの連中はそれぞれ帰りの支度を始める。
帰りの支度をしながらも放課後、何処に行くかなどの話し合いをしている奴らもいる。
俺も早く帰りの支度を済ませてダンジョンに行こう。後一回、レベルが上がればスキルが手に入る。今週中には、レベルを25にしたい。
教科書やらの持って帰る物をカバンに入れていく。
「最近、いっつもそれじゃん!!!」
ガヤガヤとしていた教室に甲高い怒声が響き渡る。
教室に沈黙が訪れる。
これまで、これからどこに行くかなどを話し合っていたクラスメイト達も一斉に話をやめ、その声のした方に顔を向ける。もちろん、俺も気になりその声の主人を確かめる。
声をした方に顔を向けると藤原といつも藤原と一緒にいる女友達がいた。どうやら声を上げたのは、その女友達のようだ。藤原のことを目に涙を溜めながら睨みつけている。
喧嘩か? 他所でやれよ。
「何度も言ってるけど、A.S.S.Fでの訓練で忙しいから美香と遊べないの。美香も応援してくれるって言ってくれたじゃん」
「そう言ったけど、・・・・・・・・・・・・・・もういい!」
そう言って、藤原の友達は勢いよく教室を飛び出していく。
「美香!?」
当の本人の藤原は、教室を飛び出した友達を追いかけていく。
残されたのは教室の沈黙だけ、クラスメイトは状況が飲み込めていないのか全員がその場で固まっている。
俺とは関係無さそうだし、もう帰るか。早くダンジョンに行こう。
椅子から立ち上がり、教室から出る。下駄箱で靴を履き替え校門を潜り帰路に就く。
10分程歩き、家に到着する。
「ただいま」
玄関の鍵を使いドアを開けて、中に入る。なにもない廊下に俺の声が反響する。
靴を脱ぎ、脱衣所まで行き制服から探索用の服に着替える。
武器と探索道具の入ったカバンを持って、玄関に向かう。
「いってきます」
玄関の扉を閉めて、鍵を閉める。
よし、ダンジョンに行こう。駅に向かって歩き出す。
数分後
「グスッ…………..ひく……………っ」
さっき学校の教室で藤原と喧嘩していたやつが公園のベンチで泣いている。
目から流れ出る涙を袖で拭きながら、声を必死に押し殺している。公園で遊んでいる小学生が少し不思議そうな目で泣いている彼女を見ている。
どうするか・・・・・・・・・・まあ、普通に無視でいいだろう。よく考えたら悩む必要なんて無かったな。
相手側も話したことないやつに声をかけられたところで、迷惑で怖いだけだろうしな。
俺はそのまま公園を通り過ぎて、ギルドに向かった。
駅に到着して、電車に乗りギルド最寄りの駅に移動する。
数分歩きギルドに到着し、中に入る。
すぐに探索申請を済ませて、ダンジョン門を使い三階層に移動する。
砂利で構成された広場に出る。周りは古い家屋に囲まれ、太陽は真上にある。和街エリアに到着した。
探索開始だ。
数時間後
ふぅ、今日はこのぐらいにしておくか。
今日で3匹目になる赤鬼を倒し、ドロップアイテムを回収して一息つく。
今回でレベルが上がってないだろうか? 周りの状況を確認しステータスを確認する。
「ステータス」
【名前】冬野 礼司 Lv25
【称号】『禁断の果実』『人魚の真実』『闇裂く狩人』
【スキル】『影操作』『鑑定』『回復』『投擲』『危機感知』『気配隠蔽』『プロテクション』
よし! よし!! よし!!!
あまりの嬉しさに小さくガッツポーズをする。
最近、頑張ってダンジョンに潜ってたからな。成果が出て素直に嬉しい。
これで、新しいスキルが得れる。
この場で、どのスキルを選ぶにはさすがに危ない。家に帰ってからじっくり考えよう。
レベルが25になった嬉しさからスキップでもしたいような気持ちを抑えて、ギルドに帰った。




