29話
「ただいま」
玄関の扉を開けて中に入る。静かな廊下に俺の声だけが響き渡る。
カバンを自分の部屋に置き、洗面台で手を洗い制服を脱ぎ部屋着の着替える。
リビングに行き、ソファに寝転ぶ。
今日は疲れたな。ダンジョンには行かず、このまま家でゆっくりしよう。
ただ、ゆっくりするのもなんだしダンジョンやモンスターの情報でも調べるか。
ソファに寝転んだまま、スマホを操作。
まずは、次の階層である3階層のことを調べる。
一つ目のエリアは、夜街エリアを降りた先にある古い日本家屋が立ち並ぶエリアで出てくるモンスターは、昔話に出てくる鬼のようなモンスターらしい。
高い生命力と、凄まじい腕力を持ち、どの個体もでかい金棒を装備しているとても厄介なモンスターだ。
このエリアで大体のソロ探索者はパーティーを組むのを考えるらしい。というのも、鬼を倒す簡単な攻略法が一人が盾で攻撃を受けて、もう一人が攻撃するというものだからだ。
一人で戦おうとすると、攻撃を避けながら、ヒットアンドアウェイを繰り返すしかない。
そんな危険な方法を取るより、仲間を増やした方が安全というわけだ。
まあ、俺には『プロテクション』がある、それで攻撃を受けて攻撃すれば良い。
色々調べてたら少しお腹が空いたな。
今日の帰り道に貰ったクッキーのことを思い出す。
自分の部屋に向かいカバンからクッキーが入った包装を取り出し、またリビングに戻ってくる。
ソファに座り、中身を出し観察する。見た目は普通のクッキーで美味しそうだ。
一応鑑定しておくか、藤原が何か入れたとは考えにくいが、アイツのスキルは不明な点がいくつもある上、魅了の効果もあるみたいだしこのクッキーにもその影響が出ているかもしれないしな。
発動:『鑑定』
《クッキー。食べても何の効果もない普通のクッキー。衛生管理もバッチリ。製作者:藤原悠》
普通のクッキーのようだな。食べてみるか。
「いただきます」
袋の中の一つを手に取り、口の中に入れる。
ボリボリとクッキーを噛み砕き、飲み込む。
うん、普通に美味しい。程よい甘さで、硬さもちょうどいい。
何枚か食べたが、これ以上食べると夜ご飯が食べられなくなりそうだな。夜ご飯を食べたら、また食べよう。
クッキーの包装を密封して、机の上に置いておく。
次は、宝箱について調べるか。宝箱から出てくるのは、ポーションや不思議な力を持った道具、奇具などがあるらしい。ポーションの効果は様々で状態異常や傷を治すポーションなどがあるが、どれも高額で売買されている。
俺には『回復』もあるし、傷を治すポーションだったらすぐに売ってしまった方がいいだろう。
奇具の方だが、本当に色々な効果の物があるらしい。すごい効果なものからくだらない効果の物まで幅広く存在するらしい。創作でよく出てくるマジックバッグのようなすごいものや、茶葉が無限に出てくる缶のような物まであるらしい。
どんなくだらない物でも、そういう物を集めるコレクターがいるらしくオークションなどで高く買い取ってもらえるらしい。
調べるのはこれぐらいで良いか、気づけばもう良い時間だ。夜ご飯をそろそろ作り始めよう。
俺は調べるのをやめ、夜ご飯の準備に取り掛かった。




