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ソロ探索者、ダンジョンに潜る  作者: 西校


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19/61

19話


 初めて洞窟エリアに行った日の次の日。


 今は、学校の教室で授業を受けている。授業といっても、初回なのもあり教科担当の先生の自己紹介やこの授業で何を学ぶかなどの説明だけだが。


 キーンコーンカーンコーン


 チャイムが授業の終わりを告げた。この後は昼休憩の時間だ。


 弁当にしようかと思ったが、今日は学校の食堂を使ってみようと思う。気になるしな。


 この学校の食堂は食券方式のようだ。食堂の外にある食券販売機で食券を購入し、食堂の人に出せば料理が出てくる。


 何にしようか。色々あるな、うどんにラーメン、カレーなんかもある。どれも優しい値段をしている。・・・・・・よし! 決めた。オムライスにしよう。


 オムライスの食券を買い、食堂に入り食堂のカウンターに食券を出す。入学した次の日というのもあるのか人はそんなに多くない。思ったより早く料理が出てきた。

 料理を受け取り、空いている席に座り食べ始める。


「いただきます」

 

 食べながら昨日のことを思い出す。新しいエリアに出現するあの骸骨、思った以上に簡単に狩れる。大体が一撃で終わるので疲れない、その代わりとばかりに出現数は多いようだ。まあ、連携もろくに取れないので脅威ではなかったが。


 あの後、骸骨を二十匹程倒したが一向にレベルが上がる気配がない。おそらく弱すぎて、経験値的な何かが全く貯まらないんだろう。


 あの、エリアで探索しても、うまみがないな。洞窟エリアを探索し始めたばかりだが、また、新しいエリアに移動してみるか?次のエリアを調べてみるか。


 そんなことを考えていたら、あっという間に食べ終わった。おいしかったな。


「ごちそうさまでした」


 食堂の返却口に食べ終わった食器を返し、教室に向かう。


 帰る途中で飲み物を買ったが、結構高いな。今度からは家から水筒を持ってこよう。


 教室に到着し、中に入り席に着く。


 教室を見渡してみるが、入学初日なのもあり、一人でいる奴が多いようだ。何人か仲良く喋っているのは、中学からの友達だろう。


 例外として、初日の自己紹介で探索者ということをバラした奴の周りには人が集まって、グループができている。あれが俗にいうクラスカーストトップのグループという奴だろうか? まあ、関わり合いたくないな。


 前の席に座っているダンジョンにいた女、名前はなんだったか。まあ、いいか。その女に頻りに探索者のチャラついた男が話しかけている。声がデカくてうるさい。


 イヤホンを耳につけて、音楽を流す。


 そんなこんなをしていたら。もうすぐ、昼休憩が終わる。後二時間だ。頑張ろう。


 数時間後


「部活の見学は各自自由に行くように。それじゃ、さようなら」


 先生の挨拶を合図に教室中にざわめき広がり、俺は帰る準備を始めるか。


「これから、ダンジョン行こうぜ! 俺が案内してやるよ!」


 あのチャラついた男が大きな声で仲良くしているグループに提案している。


「藤原さんも行かない? 俺が守ってあげるからさ!」


 そうだ、藤原だ。そんな名前だった。その藤原をチャラ男がダンジョンに誘っている。


「悠は、もう探索者だよ」


 入学初日から藤原と話していた女が横から話を挟む。


 そこまで声は大きくなかったが教室中にその声が響き渡ったように思えた。


「ちょっと! 美香!」


「あ! ごめん。内緒にしてたんだっけ。でも、まあ、いいじゃん。いずれバレるんだから」


 うわ、人の秘密を勝手にバラすとかやばい女だな。絶対関わりたくない類のやつだ。


「じゃあ! なおさら行こうよ。クラスメイトの親睦を深める意味でもさ」


「・・・・・・美香が行くなら」


 さて、支度も済んだし帰るか、と思い席を立ち上がり教室を出る。


 教室を出る間際、藤原がこちらをチラッと見た気がするした。まさか、俺とダンジョンですれ違ったことを覚えてないよな。まあ、気にしても時間の無駄か。


 教室を出て、靴を履き替え、家に向かった。


 歩きながら考えに耽る。今日のダンジョンはどうしようか、クラスの連中と会ったら面倒なことになりそうなんだよな。うーん、今日はやめておいて、家で休もう。


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― 新着の感想 ―
出掛けの「いってきます」に寂寥感が漂う。
たまにはダンジョンに行かなくてもいい探索者とはそういうものだ
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