16話
さて、次はLv15になった時に得るスキルを選んでいこう。
索敵系のスキルが出てくれればいいんだが、物欲センサーとかあるんだろうか。
まあ、今考えても結果は変わらないか。
意を決して点滅しているレベルの部分に触れる。
ウィンドウの表示が変わる。
【スキル選択】
・『危機感知』
・『野生の嗅覚』
・『挨拶』
よし!! 見るからに索敵系のスキルが二つもある。上から調べて行くか、『危機感知』は読んで字の通りだと思うが、『野生の嗅覚』はネット調べれば情報が出て来た。周りに敵がいるか何となく分かるようになるスキルらしい。『挨拶』って何だよ。挨拶が上手くなるスキルか?まあ、無視だな。
『危機感知』はどんなスキルだ? 危機の範囲によってはとても優良なスキルだと思うんだが。
どちらにするか。
・・・・・・・・・・・・よし、決めた。『危機感知』にしよう。『野生の嗅覚』は、敵の正確の位置まではわからないしな危険を先に知れるアドバンテージはとても大きいと思う。もしかすると、敵の位置も分かるかもしれない。頼むぞ、良いスキルであってくれ。
『危機感知』を選ぶ。
ウィンドウの表示が元に戻る。
【名前】冬野 礼司 Lv15
【称号】『禁断の果実』『人魚の真実』
【スキル】『影操作』『鑑定』『回復』『投擲』『危機感知』
どうか、これが使えるスキルでありますように。
スキルを試しに使ってみるために、発動させようとする。
・・・・・・?
何も起こらない。どういうことだ?
もしかして、このスキルはパッシブスキルか。ということは、俺に危機が迫ったとき自動で教えてくれるということか。まあ、これに関してはダンジョンで試してみないとわからないな。
次の日
新しく手に入れた『危機感知』を試すために、ダンジョンに向かっている。
市街を歩いているが休日だからか車がいつもより多い気がする。何かイベントでもあるんだろうか?
そんなことを考えながら、歩道を歩く。
発動:『危機感知』
その時急に、スキルが発動した感覚と共に、背筋がぞわっとなり身体中を悪寒が走りまわる。これ以上進んではいけない気がする。
その直感に従いその場に立ち止まり、少しすると
ドンーーー!
目の前に車が現れた。いや、車というより弾丸だった。
黒光りする大きい車がエンジンの音を響かせながら、目の前の建物の壁に突っ込んでいる。
すごいスピードで衝突したのもあり車の前面部が完全にひしゃげている。俺がそのまま歩いていれば巻き込まれていただろう。直感に従って正解だった。
おそらく『危機感知』が発動したんだろう。取っといてよかった、このスキルは思った以上に優良なスキルかもしれない。
この場にいると面倒だな。早く立ち去ろう。
背後に誰かが呼んだ警察のサイレンを聴きながら、俺はダンジョンに向かった。
何事もなくダンジョンの中に入ることができた。
草原エリアを歩く。とりあえず、スキルが発動するかここら辺をしばらくの間、歩いてみよう。
発動:『危機感知』
スキルが発動した感覚と共に、さっきほどでは無いが少しだけ背筋がぞわっとなる。
何となしに何かがあっちから近づいてくるのが分かる。
やった、賭けに勝った。敵の方向もわかるのは完全に『野生の嗅覚』の上位互換だ。
『危機感知』を選んでよかった。
新しいスキルの検証もできたし、砂浜エリアに行ってレベル上げをするか。
そう考え、砂浜エリアに向かって歩き始めた。




