表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ソロ探索者、ダンジョンに潜る  作者: 西校


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/61

14話


 あれから数日は砂浜エリアを探索して半魚人を数十匹は狩った。


 レベルも13に上がりいい調子だ。


 そういえば、もうすぐ学校が始まるな。まあ、入学の準備はすでに終わっているから問題なくダンジョンに行ける。


 さてと、今日もダンジョンに潜っていこう。


 ダンジョンの入り口をくぐり抜け、ダンジョンに入る。


 目の前にはもはや見慣れてきた、景色が広がっている。今日もいつものように何事もなく無事に探索が終わりますように


 そんなことを思いながら砂浜エリアを目指して歩き始めた。


 草原エリアを歩き、森林エリアを抜け、砂浜エリアに出る。


 ザ、ザ、ザ

 

 早速、モンスターがこっちにくる。足音からして一匹のようだ。


 こっちに歩いてくる半魚人と目が合った瞬間、半魚人が槍を構え走り出す。


 スキルを発動する。


発動:『影操作』


 半魚人の足元の影を動かし、半魚人は体勢を崩し前のめりに倒れ込む。


 『影操作』の扱いもだいぶ上手くなったように感じる。成長を実感でき少し嬉しい。


 うつ伏せに倒れている半魚人に素早く近づき、心臓に向け槍を突き立てる。


 槍がしっかりと刺さっているのを確認し力強く引き抜く。


「ギィィ!!」


 半魚人は痛みで唸り声をあげ、そのままこときれる。


 あらためて思うんだが、魚は痛みの感じ方は人と違うと聞いたことがあるが、コイツは普通に人間と変わらないように見える。まあ、モンスターだしな。


 ドロップアイテムを拾い再び歩き出す。


 とりあえず一匹で行動している半魚人を探す。


 それにしても、いい景色だな。どこまでも続いていそうな水平線を見ながら思う。


 そもそも、この海はどれだけ広いんだ? 鯨のようなモンスターもいるらしいしな。


 周りを警戒しながらも綺麗な景色を見ながら歩き続ける。


 しばらく歩いていると岩が露出している場所に辿り着く。


 こんな場所もあるんだな。砂だけで構成されているエリアだとばかり思っていたが、そんなことなかったのか。


 バシャァ

 

 遠くの方で何かが海面から出てきた。


 岩場の影に隠れて正確に見えない。近づかずに確認するために移動する。


 だんだんと何か見えてきた。


 陶器のような白い肌、海水に濡れた金色の髪が輝き、端正な顔でニコニコと微笑んでいる。お腹から下には青い鱗がキラキラと日光を反射し、まるで宝石のようだ。


 御伽話で出てくるような人魚がそこにいた。


 こちらに気づき手を振ってくる。なんだあれ。


 ・・・・・・・・・・とりあえず、様子を見てみよう。


 近くにあったの岩場の影に隠れ人魚を観察する。どうやら、海から出ることはできないらしい。いつものように鑑定する。


発動:『鑑定』


 《人魚。ユニークモンスターの一匹。擬態型のモンスター。人の真似をして獲物を誘き寄せ、近付いた処を丸呑みにしようとする。性格は臆病で普段は海の中で身を隠しているが、獲物が単独の場合のみ姿を表す。本体は人の部分ではなく魚の部分。》


 ユニークモンスターか。知恵の実と一緒か、ということは逃げることができないだろう。


 しかしいい情報が出てきた、下の部分が本体か。


 しかし、まだ情報が足りない。実際にどうやって捕食するのか見てみたいな。


 そんなことを考えていれば、森林エリアの方からゴブリンが一匹出てくる。


 迷い込んだんだろう。運がいい。


 近くにあった手頃なサイズの石を手に取りゴブリンに投げつけ、隠れる。


発動:『投擲』


 うまい具合にゴブリンに石が当たり、こちらに意識を向けさせる。


 よし、人魚に気付いた。


「ゴブ!!」


 人魚が石を投げたと勘違いしたのか怒った様子で人魚に襲いかかる。


 それに対して人魚は、気にせずに手を振り微笑んでいる。不気味だ。


 ゴブリンと人魚の距離が互いに手が届く位置まで近づき、先に人魚の手がゴブリンに触れる。


 そのとき、人魚の胸の少し上の部分から腰にかけて縦に割れていき、サメのような歯が見えてくる。


 そのまま、近くにいたゴブリンを丸呑みにする。


 そのゴブリンを咀嚼し、しばらくして元に戻る。


 そこには、さっきと同じように微笑み手を振っている人魚の姿があった。


 なんだあれ!! きもいし、怖いな!!


 けど、だいたいわかった。対処も簡単そうだ。


 頭の中で作戦を立て、行動を開始する。


 槍を構えたまま人魚に近づく。


 おそらく、相当至近距離でもなければ、あれは襲いかかってこないだろう。槍が届く位置に来ても襲ってこない。


 そのまま、人魚のお腹を目掛けて槍を突き刺す。


 人魚は口を開けようとしているが、上手く開けていない。よし、上手くいった。


 あとは、槍をしっかり握りしめて人魚を陸の方に引っ張り込む。


 少し重いが、レベルアップして力が上がっている俺には問題ない。


 海に絶対に戻れない場所に引っ張り込む。


 人魚はバタバタと魚のように地面を跳ねている。やはり、そこは魚と同じらしいな。それにしても絵面がすごいな。


 あとは、トドメを刺すだけだ。人魚に刺さっている槍を引き抜き、下半身? に突き刺す。


 ビクンと一度痙攣し、グッタリと倒れる。簡単だったな。


 しばらくして、人魚の体が光の粒子に変わりドロップアイテムが現れる。


 拾い上げ確認する。


 貝殻の飾りのついた髪飾りだ。貝殻の口をよく見れば、歯がびっしりと生えそろっている。


 鑑定したいが、それは家に帰ってやろう。

 

 今日はもう帰ろう。


 随分遠くに来たようだが、地図を頼りにギルドに帰った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
主人公の人間味、というか個性についてほぼ語られてないから感情移入が難しい 年齢すら分からないし。 学校に入学、とあったから中学卒業したてだったのだろうか 第一話に世界観全部詰め込む必要は無いけど、バラ…
最初からそうだったけど戦闘慣れし過ぎてる感があるな 入学とあるので、年齢も大きくて高校生みたいだけど妙に達観してるようなところあるね じっちゃは傭兵か何かで面倒見てもらってるころに一緒に紛争地帯とか巡…
ユニークアイテムの見た目がたいていひどい笑笑
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ