13話
初めて砂浜エリアを探索した次の日。
俺はまた砂浜エリアを探索していた。昨日帰ってネットで情報を集めたところ気になる情報が出てきた。
あの半魚人を倒すと、稀に持っている槍を落とすらしい。ギルドの職員に話を聞いてみたがどうやら本当のことらしい。
今日からそれを狙っていこうと思う。
半魚人を探していると、早速一匹見つかった。運がいいな。
昨日と同じように狩ることができた。
このままどんどん狩っていこう。
数時間後
本当に出た・・・・・。
俺の目の前に半魚人の槍が落ちている。
何十匹も狩らないといけないのかと思っていたが、まさかこんな早く出るなんて思ってもなかった。
とりあえず鑑定してみるか。
発動:『鑑定』
《深海の影の槍。無骨な見た目だが虚鯨の骨で作られており鉄より硬く壊れ難い。釣り針の返しのような構造をしており引き抜く時にさらに傷を与える。深海の影達は主にこれを虚鯨の狩りに使用している》
なるほど、虚鯨か、新しいモンスターの情報が出てきたな。鯨のようなモンスターか
まあ、ここで考えても仕方がないか。
さて、目当ての物は手に入れたし今日は帰るか。
そうして、俺は来た道を戻った。
森林エリアを抜け、草原エリアを進む。
向こう側から二人組の女性が歩いてくる。なぜか、一人見覚えがあるな。誰だったか。
「あ! 冬野さん!!」
あ! あの迷惑女か!!
声をかけられてやっと思い出した。何日か前にモンスタートレインみたいなことをしてきた後、なぜか俺をパーティーに誘ってきたヤバい女だ。今日は何のようだ?
「こんにちは! 冬野さん!!」
「こ、こんにちは」
声がでかいな。
「冬野さんこの前の件なんですが。もう一度、考えてもらえませんか」
またか、拒否されてることにいい加減気付けよ。というか、なんで俺の名前知ってるんだ。まさか、調べたのか? 気持ち悪いな。
「いえ、やはりソロで行きたいのでお断りさせていただきます」
「そこをなんとか!!」
「なんで、そんなに俺とパーティーを組みたいんですか?」
「それは……、この間助けていただいた時、思ったんです。この人になら背中を預けられるなって」
そうか、俺は預けられないがな。
というか、俺とばかり話しているがパーティーの奴はいいのか。
もう一人いたことを思い出し、もう一人に目を向ける。
おそらく、同じ学校の友達か何かだろう。なぜか、こっちをすごく睨んでる。なんだこいつ。
「あの、そちらの方は?」
「あ、この子は同じ学校の友達で、今パーティーを一緒に組んでます」
「じゃあ、なおさら、パーティーには入れませんよ。お友達とパーティーを組んでるのにそこに割って入るようなことはできません」
これだけ、言えばいいだろ。もう、いい加減諦めろよ。
「もういいじゃないですか!! 楓お姉様、こんな人放っておいて行きましょう!!」
さっきまで黙っていたもう一人が急に声を荒げ、迷惑女の手を引き進み出す。
なんでこいつ急に怒鳴り出したんだ?
まあ、いいか。
「え? 由美ちゃん急にどうしたの? 私まだ、冬野さんに話が」
いいぞ、ヒステリック女、そのままそいつを連れてってくれ。
よし、やっと帰れるな。
俺は、再びギルドに足を進めた。




