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輪廻
「ねーねー、くろのす」
「ん?」
「生命って輪廻するの?」
珍しいな。ちぃ…千晴が私に質問してくるの。
「するんじゃない?魂魄の概念が存在するくらいだし」
「えー、なんか曖昧というか適当というか」
「実際、アカシックレコード・ライブラリにも存在してるかどうかのハッキリとした記述は無いんだよ」
「へー…じゃあさ。くろのすの経験からして、生命は輪廻していると思う?」
「私みんなと同い年だよ?たった十数年でそこの判断はできないさ」
「時空間に干渉可能な存在がティーンエイジャーだとは思いたくないな」
うぐっ…
まぁ、友達に嘘つくのは申し訳ないな。
「…負けたよ」
「結論は?」
「敢えてノーコメントとしておいてみる」
「えー、いじわる」
「私にいじわるした罰だよ」
…数世紀前の音楽セッションを思い出しながら、私は回答をはぐらかした。