風邪
久々に風邪を引いた。きつい。
「くろ姉、調子どう?」
「…ちょっと良くなったかも」
「ん、良かった。あくまで解熱剤の効果だから、無理しないようにね」
「…ごめん」
「はいはい気にしないの。お粥作ってくるね」
「…ぃゃ。はなれないで」
「…ふふっ。分かった。ミライー、お粥作ってー」
「はーい」
…弱ったなぁ。
===
変わらない毎日。
ゴミ捨て場から、食べられるものを拾って、まだ使えるガラクタを売る。
「呪いの子め!」「さっさと出ていけ!」
…大丈夫、いつものこと。
『…姉』
「お前が黒死病を振り撒いているせいで…!」「あの呪いの子、スペイン風邪を振り撒いているんですって?近寄らないようにしないと」
…うるさい、うるさい、うるさい。
『…ろ姉』
「あいつ、俺の店から現ナマ盗んでいきやがった!」
「っ…」
違う。そんなことしてない。
…でも、捕まれば、らくになれるかな。
いやだ、しぬのはくるしい。
でも、いきるのもくるしい。
『くろ姉』
もう、なにもしたくな
『くろ姉!』
===
「くろ姉!」
「ぇ………か…こ…?」
「すっごい魘されてたよ。大丈夫?何があったの?」
「…昔の夢見てた」
「ギリシャ時代?」
「…ん」
「…そっか」
「…カコ」
「ん、どしたの?」
「…ぎゅってして」
「ボク1人で足りる?多分、まだみんな起きてるよ」
「…おねがぃ」
…早く、治さないとな。