第三話 レッツゴーパトロール
仕事!
「やっとジユウになれるとおもったら、コレだよ」
「だったら辞めるか」
やめたら、ヒデェことされンだろ
「なぁ、パトロールってなにすんだ」
「 ❰化物❱ を探しつつ、通報を待つ。それだけだ」
「 さがすって、どこにいるのかわかってんのか」
「分からないから、探すんだろ」
そんなのじかんのむだじゃねぇか
「つうか、そんなことも知らないのか」
「おう、しらねぇ」
「義務教育だぞ」
「ンだソレ」
「・・・学校行ってないのか」
がっこうならわかるぜ
「いってねぇよ」
「じゃあお前 ❰化物❱ が現れる理由も知らないのか」
なまえはアイツからきいてたけど
「しらねぇ」
「 ❰化物❱ はな━━━」
{ツーツーツーザザ}
なんのおとだ
「こちら ❰第三部隊❱ ロコモ」
ひとりでなにいってんだ
「了解、見つけ次第討伐します」
「なにいってんだオマエ」
「仕事だ、それから 《オマエ》 じゃなくて、先輩な」
こまけぇな
「細かいとか思ってんだろうが、社会じゃ必要な事だ。覚えとけ」
なぁんでコイツはうえからなんだよ。オレをしたにみやがって
「それから、さっき渡されたヤツ、準備しとけよ」
ン、ああこの、ほうちょうみてぇなのか。
「耐熱性のナタだ。それから、お前がさっき着せられたスーツも、耐熱性だ。ある程度の炎は凌げる。だが、余り調子に乗るな」
「オマエもたたかうのか。そのもってる、デッケェ、けんで」
ア、なんでむしすんだよ
「 《オマエ》 じゃなくて」
ウワ、メンド
「・・・センパイ」
「今回は上からの命令で、お前一人で討伐することになった。まぁ死体は回収してやる」
・・・ゼッテェ、コイツとはなかよくなれねぇな
「さて、この辺だが。ああ、居た」
ひとがたくさんいるな。みんなみにきてんのか ❰化物❱
「アッいた」
スゲェもえてんな。さんにん、いるのか。
「オイ、何してる。こっちにコイ」
いきなり、うでひっぱんなよ。しかも、おこってんのか、センパイ
「ほら、挨拶しろ。警察の方だ」
ケイサツ ❰特隊❱ とはちがうのか
「どうもッス」
「それから、手帳も見せろ」
テチョウ
「 ❰特隊❱ 手帳だよ。貰っただろ」
あ~あの、ほん、みてぇなのか
「ン」
みせたぜ
「今回担当する事になりました ❰シュガルツ❱ と言います。あなたが、ロコモさんですね。それと」
「新人です、訳ありの。それで、状況は」
「 ❰化物❱ が現れてから十五分ほど。当初は一体だったところが」
「二人被害に会い、三体になったと」
へぇ、ひとから ❰化物❱ になるんだな。そういや、アイツらもなってたな
「では、よろしくお願いします」
「お前の出番だ。行け」
「なぁ、いいのか」
「何がだ」
「 ❰化物❱ だってヒトなんだろ」
「元はな。だが、今は違う。アレは死体だ ❰化物❱ になった時点でもう、死んでんだよ。ほら、さっさと行け」
「いきますよ~」
さぁて、どうするか。さんにんいるもんな、ゴチャコヂャかんがえても、いみねぇ。ハシる
「オラッ」
まずはうでをきる。さらに、かこんできたら
「ウラヨッ」
けって、きる。なぐって、きる。ブッタギル
「ヨォシ、おわったぜ」
さんにんとも、きってやった
「オイ、馬鹿」
センパイ、ンでこっちにくるんだ
「ギャァァ~」
せなかが、いてぇし、アツイ。いてぇし、アツイ。いてぇし、いたくはねぇ、アツ・・・
「ッてアツクもねぇ。オラッ」
くびおとせば、しぬだろ
「オッオイ、大丈夫なのか」
オウ、センパイ
「ン、どうしたんだよ」
「いや、スーツが焦げてんだよ」
え、そうなの
「焦げたら、耐熱性も糞もねぇだろ。熱く無いのか」
「オウ、ぜんぜんアツクねぇけど」
なぐられたけど、ぜんぜんダイジョウブだぜ
「そうか。なら、良い。ソコの路地裏で休んでろ」
「センパイは」
「俺は本部に連絡とシュガルツさんに現場の引き継ぎをお願いしにいく」
ああ、むずかしくてわかんねぇ
「大人しくしてろよ」
まっわかんねぇけど、やすめばいいんだな。
「でもなんで、アツクなかったんだろな」
あのときは、メチャクチャ、アツかったのに。いまは、ぜんぜんアツクねぇんだよな。もしかして ❰怪物❱ ってのになっちまったからか。オレはもうヒトじゃねぇのかな
「 いまは、いいか」
むずかしいことかんがえると、あたまがグワングワンして、つかれるンだよな。せっかくやすめんのに、つかれんのは、ヤダ
「誰か、誰か、タスケテェ」
ア、なんだ。タスケテっていったのか。このさきからきこえたよな。いってみるか
「オウ、どうしたんだよ━━━」
「クルな、クルな」
「 ❰化物❱ 」
まだいたのか。
「オラッ」
うしろから、ブッタギル━━━
「グワッ」
なげとばされたのかァ。よくみりゃコイツ、さっきのより、クソデケェじゃねぇか。
「アレッ」
ちからが、はいらねぇ。しぬ━━━
「アッなんだ、しんだ、のか」
❰化物❱ がたおれる。
「流石に、限界が来たんだろ」
センパイ
「ちからがはいらねぇから、たてねぇ」
「この仕事やってくなら、無茶はしないことだ。帰って迷惑になるし、邪魔だ。けど、誰かを守るために動いたんなら、誇れることだ」
「オオ、ありがとな」
「俺は肩も貸さねぇクズじゃねぇ」
いがいと、いいヤツなのか
「あなたも立てますか」
「ええ、擦り傷だけなので」
「一応、見て貰いましょう。警察にお願いしてきます」
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「へぇ~それで倒れちゃったんだ~大変だったね、アサ君」
あのあと、センパイにてつだってもらいながら、かえってきた
「本当大変ですよ。コイツの面倒見るの」
「え~でも肩貸す位には仲良くなったんでしょ」
「センパイはいいヤツだぜ」
「ほら~アサ君も言ってるよ」
センパイのかおが、あかい。てれてやがんだ
「さてさて、報告しないといけないことが二つあるんだ。一つはアサ君が関係してるよ」
オレが
「一つ ❰フガルダール❱ が滅亡した。こっちは、アサ君とは関係ないね」
フガルダールってオレを、うるところじゃん
「まさか」
「その、まさかだよ。ねぇアサ君。どうして世界はこんなことになったと思う」
こんなことってどんなことだ
「分かりやすく言うと、雪が積もっているのか」
「わかんねぇ」
「それはね ❰炎の悪魔❱ と呼ばれる女が原因なんだ。今から五十年ほど前に ❰炎の悪魔❱ が自身の能力を暴走させ、世界の半分を炎で燃え尽きさせた。そして、残った半分に寒さが、つまり冬が来た。それで、世界は雪が積もっているんだ。一応夏もあるけど、冬の方が長いから、溶かしきれないんだよ」
「へぇそれで」
「その、バケモノみたいな女が、近くにある国 ❰フガルダール❱ を燃やし尽くした。たった一日でね。本当ファンタジーだよ」
「で、それがどうしたんだよ」
「これは ❰特隊❱ と国の上の人しか知らないことなんだけど ❰炎の悪魔❱ が放った炎の火の粉に触れる事で 人は ❰化物❱ になってしまうんだ」
「 ❰炎の悪魔❱ が近くに居ることで ❰化物❱ になりやすい。つまり、俺達の仕事が増えるって事だ」
え、え、え~
「オレもう、はたらきたくねぇよ」
「アサ君は正直だね~」
「それで、コイツに関係することは、何です」
オレに、かんけいすることってなんだ
「監視だよ。監視」
「ん。それはきいたぜ」
「そこに追加だよ。本当、上の人は怖がりだよねぇ~」
ついかってことは、もっとオレのジユウがなくなんのか~
「いや~本当。アハハハ」
「何笑ってるんですか、先輩」
なんでわらってんだ
「アサ君をロコモ君の家で預かるんだって」
『ハァァァ~~』