第十三話 思惑!激流!
「腹いっぱいだ~」
アッ寝ころンだら、牛になるンだったな
「お前ら先生に訓練受けてんだろ。調子はどうなんだ」
あのあと、家に帰る途中でセンパイに会った。センパイもスゲェボロボロだった。ンで、いつも通り、ご飯を食った
「あの人ヤバイよ」
シズカの言う通り、ヤバイぜ
「超強いだろ。俺もよく、投げられたモンだ」
センパイも登さんに、訓練してもらってたンだな
「投げられるところか、蹴り飛ばされてるよ」
「首もけられたぜ。しかも、酒のビンを持ったまんま」
ア、どうした。ンな口開けて
「・・・もしかして、酒飲んでるのか」
「オオ、飲んでるぜ」
「飲んでるけど、それが」
また口開けて、どうしたンだよ
「仕事中に何やってんだ、あの人」
「ロコモの時は違うかったの」
「ああ、聞いてる限りじゃな」
えッそうなのか
「まぁその、なんだ。ソレでも ❰第一部隊❱ の隊長なんだ ❰特隊❱ の中じゃ一番強い」
一番かぁ
「アッ、先輩からの忠告だ。まだ二日目だから、これからドンドン、キツくなってくぞ。俺も、何度殺されかけたか分からないくらいだ」
アレよりキツくなんのか
「あっでも、変なことに、ワタシ達怪我はしてないんだよね」
あっそうそう。オレも、ケガ一つもねぇぜ
「ああ、それも先生の実力だ。俺も怪我を負うことは、無かったからな。先生は、守るべきモンは守る人なんだ」
ア~でもよぉ
「酒は飲むじゃん」
「それは・・・そうだな・・・やっぱり、気を付けろ。あの人酔ってるから、何するか分からねぇぞ」
オ~分かったぜ
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「早いな、お前達」
登さんが遅せぇんだよ
「昼からって言ったよな」
アッ、またビン持ってるし。今日は五本かよ
「今、何時だと思ってるんです」
「ああ、俺は昼からとは言ったが、時間は指定してなかったろ」
それは、そうだけどよぉ
「昼からって聞いたから、十二時から待ってたんですよ」
そうだ、言ってやれシズカ
「おうおう、言うもんになったな。少し、泳がせ過ぎたな。良し、来い。釣ってやる」
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「ヨ~イショ」
「ガァ」
また投げ飛ばされた
「やっぱり、ロコモ君は予想外、不規則の動きに弱いですね。ですが、自分のゾーンにさえ、持ち越せば、対応できる時もある。と、なるとロコモ君は、いかに自分のゾーンに相手を入れるかが、戦いの鍵になりますね」
冷静な分析に、淡々と教えてくれる
「ありがとうございます。ウルドラさん」
「いえいえ、僕は、僕にできることを一生懸命やってるだけですよ」
「え~ナニコレ。私だけハブられてない」
・・・先輩
「先輩もありがとうございます」
「キャ~うれしいなぁ」
先輩、本当にアンタって人は
「少し、休憩にしましょう。朝からぶっ通しですから」
「分かりました」
ッ、流石に、体に来るな。一応受け身は取ってるつもりなんだが。休むか
「思った以上に来るでしょう」
「そうですね」
「ハイ、水です」
「ありがとうございます」
ウルドラさんのこう言うところは見習っていきたい
「あの人、体力が馬鹿げてますからね。今だって動いてますし」
先輩は現場でも、よく動く
「普段、デスクワークですから、溜まってる何かがあると思います」
「・・・一応僕も何ですけどね」
ウルドラさんは、その。アレだから
「まっ動けないから、今の部隊に居るんですけどね」
「そんなことは、ないと思いますよ」
「アレの前で動けるとは言えませんよ」
確かに、センパイの前じゃ動けるとは言えない。それに、何故か踊ってるし
「ハッハッハ、本当、元気ですね~彼女」
バディとして、恥ずかしい
「・・・ロコモ君は変わりましたね」
「変わってませんよ」
「いいえ。変わりましたよ。君は元から優しかったが、今はもっと優しくなった。それに、君が ❰特隊❱ に入ったばかりの頃は、目に光がなかった。けれど、今の君には、ソレがある。良い先輩に、良い後輩を持ちましたね」
そうなのか。そうかもしれない ❰特隊❱ に入ったばかりの頃は、何かに追われて、とにかく自分のことを後にしてたかもしれない。でも、今は、恩師とも呼べる先生、愚痴を言える先輩に、そして━━━
「ね~まだ休憩するの~」
「我慢の限界が来たようですね。続きをしましょうか」
「はい」
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「もう、終わりか。お前達」
クソ~昨日よりは痛くねぇけど
「限界、もう、限界」
今日はシズカが先に、限界が来ちまったのかァ
「登さん、オレゃまだやれるぜ」
「・・・そうか。俺はこの後用事があるから、この一回で終わりだ。その代わり、酒を置いてやってやる」
オオ~ついに両手でやってくれンだな
「オラッ」
なんつうか、オレェ昨日より速く動けてる気がするぜぇ
「グフッ」
腹がッ
「まだ遅いが、ン・・・今のは良かったぞ」
「あざっす」
デモなんでェ・・・えッ
「血だ、血が出てる」
「これぐらいで騒ぐな。多分、お前の拳が鼻に当たったんだろうな」
やった。やったぜ、当ててやった
「登さん、モッカイ。モッカイだけ」
「ワタシも、ワタシも」
シズカもか
「 駄目だ。酒が無くなった。それに、アサ、シズカ。お前達の体も限界だ。今日は、帰って休め」
・・・今、オレたちの名前呼んだよな
「返事はどうした」
『ハイッ』
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「ウワッ」
「はぁはぁ、ハァ」
「私が負けるとは」
やった。やッと、先輩に勝てた
「もう、一度お願いします」
「うん。やろう」
何で負けて嬉しそうな顔を、してるんだ
「確かに、勝てた事は良いことですが、僕の体力が・・・」
あのあとからずっと、付き合ってもらってるんだ。無理は出来ないな
「分かりました。ウルドラさんの、体力が回復したら、続きを━━━」
{ウルドラ隊長。ウルドラ隊長。作戦の件でお話しがあります。会議室へ至急お願いします}
「・・・すいません。僕はここまでのようです」
「 《作戦の件》 って、何です」
作戦。恐らく ❰教会❱ のことだろうが
「ああ、警察の配置です。何人借りるか等の話でしょうね。今回の作戦は、民間人にも危害が加わる可能性がありますので」
その手の事も、ウルドラさんの仕事なのか
「お疲れ様です」
日頃の感謝も込めて、深々くお辞儀をする
「ロコモ君、頑張ってください。では、失礼します」
「ご指導、ありがとうございました」
ウルドラさんが部屋から出た事を確認し、もう一度礼をする
「・・・本当、ロコモ君はマジメだな~」
「先輩にも、言いましょうか」
横目で先輩を見ると、つまらなさそうな顔をしていた
「私は固っ苦しいのは、嫌いなんだよ~」
「先輩、続き。よろしくお願いします」
両手を握り、構える。それを見た先輩も構える
「次は負けないよ」
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「登さん、帰っちまったな」
「どうしようっか」
オレたちのこと残して行きやがってヨォ
「帰るって言ってもな~」
カギ、ねぇもんな
「本部に行くか」
「それしかないな」
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「ガァッ」
「余り、調子に乗ったらダメだよ~ロコモく~ん」
煽りやがって
「煽ってないで、手を貸したらどうです」
「私そんな力な~い」
先輩の悪いところだな
「もう一度、お願いします」
「よし、こ~い━━━」
ン。構えないのか
「入っちゃ不味かったか」
『先生ッ』
・・・アッ酒瓶
「なに用ですか~先生~」
先輩が、右手を大きくあげながら、聞く
「お前に用事があって来た」
先輩に
「何かしたかな」
「知りませんよ」
俺に聞かないでください
「それから、アサとシズカがロビーに居たぞ。ロコモの事を探してたぞ」
アイツら、何やってんだ
「すっかりお前に懐いたな」
「うるさいだけですよ」
周りに迷惑かける前に行くか
「先輩、俺行ってきます」
「はいは~い」
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「あっロコモ」
えッどこだ
「ロコモ~帰ろうぜぇ」
「 ああ、帰るか」
ン。ロコモのヤツ、嬉しそうだな
「何かあったの、ロコモ」
シズカも気になったのか
「・・・いや、何でもない」
ンだよ、気になンじゃねぇか
「アッ、今日さ、登さんに名前を呼んでもらったンだぜ」
「ワタシも」
なに、笑ってンだよ
「知ってるよ」
え~知ってンのかよ~
「さっき会ったからな」
えッ登さん居ンのか
「何で居るの」
「先輩に話があるんだってよ」
隊長に~
「ってか、ロコモは何してたの、今日」
あ~ソレ気になる
「先輩とウルドラさんに、ボコボコにされてた」
ウルドラってだれだ
「 ❰第四部隊❱ の隊長だよ」
シズカ知ってンのか
「ふ~ん。で、ボコボコにされたんだァ」
「アサも煽ってるのか」
あおるってなんだ
「相手をバカにすることだよ」
また、知ってンのか
「シズカもアサの扱い方が分かってきたんだな」
「アサは単純だからね」
「 たんじゅんってなんだ」
「絶対教えない」
ンでだよ
「ウソだよ。帰ったら教えてあげるよ」
「ゼッテェだぞ」
約束だかンな
「・・・お前ら、本当に仲良くなったな」
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「で、何の用です。先生」
まっだいたい、分かるけど
「お前、俺に隠してる事があるだろ」
しらばっくれるか
「何のことです~」
「お前が嘘をつく時は、上を見るな」
「えっそうなのッ」
初めて知った
「お前は昔から分かりやすいな」
まさか
「騙された」
「 アサの事だ」
やっぱり、それか~どうする、言う。でもな~
「アイツ、人間じゃねぇだろ」
「 たぶん、ですよ」
まっ先生は上のヤツら嫌いだし、大丈夫か。それに、先生はクズじゃないし
「何で、そう思ったんです」
「・・・俺は殺す気でアイツらの相手をした。勿論、強くなること自体に違和感はない。が、アサの肉体に違和感を感じた。アイツ、俺に負けたら、負けた分、肉体が強くなってる。いや、正確に言うなら、固くなってやがる。アイツの ❰能力❱ かと思ったが、お前から聞いていたモノとは違った。と、なると。一つ、頭に浮かんだのがある」
流石は、先生だ
「 ❰怪物❱ ですか」
「ああ、俺は仕事柄 ❰能力者❱ と対峙する事がある。暴走して ❰怪物❱ になっちまったヤツともだ。ヤツらは、適応しやがる」
つまり、その感覚を感じたと
「さっきも言ったが、俺は殺す気でやっていた。だからだろうな、アイツ、適応してたぞ。俺にな」
「・・・で、先生は確認しに来た訳では無いですよね」
わざわざ、確認するためだけに来る訳がない
「 アイツ ❰怪物❱ になってから戻ったんだろ。ソレを何故、俺に言わなかった」
そりゃだって
「信じるとは思いませんよ」
「信じるも何も、俺はその類いのヤツらとも戦った事がある。あんな面白いヤツらを忘れることは出来ないな」
・・・えっ、初耳なんですけど
「ソレ、知りませんよ」
「言ってなかったか」
「言ってません」
なぁんだソレなら、言っておいてもよかったかも
「じゃあ先生、その適応って何かトリガーが必要なんですか」
「簡単に言うと、死にかけることだな。俺が戦ったヤツも、殺せると思ったら、強くなってた」
《死にかける》 ことか
「 先生、ソレを使って ❰炎の悪魔❱ と戦わせる何てこと、思ってないですよね」
「教え子の部下にそんなことさせるほど、俺は酔ってない」
なら、良かった
「用はこれだけだ」
えっもう、終わり
「ああ、そうだ。言い忘れてた。例の作戦、俺も参加する。じゃあな」
( )
「ええェ~」
ララララララル~




