5話 虎狩り
気の修練はもう定めた目標に着いた。これから虎を狩る
「では、留守を頼む」
「うん」
最近モノの反応は相当良くなって、普通の返事は出来たが、自主意識になるのはまだ程遠いな〜
「………うん?」
なんか怪しくされたようだ。早く行こうか。
俺は真っ直ぐ虎の生息地へ向かい、途中は幾つ道を邪魔するカニとワニを狩り、この前の岩場へ辿った。
「………居る」
一匹の虎がゆっくりとこちらに向かって、俺が隠れた岩から通した。
名称:水虎
生命:1697 体力:1885/2088 妖力:385/451
筋力:732 頑丈:390
智能:59 精神:179
反応:269 俊敏:374
器用:99 運:37
魅力:16(獣)
技:爪撃D、牙噛みD+、水操作C、四足駆けC+
俺はその背後へ近付いた。
残る3歩。
嗅覚の隠蔽魔術は上手くいったな。
残る2歩。
近付いたら直接脳を貫く。
残る1歩――ぱっ⁉︎
考えもなしに俺は後退する同時に、周りの水分を魔力で弾け、周囲から集まった水刃をかわした。
虎も凄く俊敏な身法で身を回転して俺を襲って来る。
足に魔力で剛化、気で剣気、手を地に支える‼︎
虚刃の型・刈草!
魔力と気の運用に刃と化し、襲って来る虎の頭へ薙ぎ、虎を左へ飛ばした。
虎は何回の何回転ぶ後すぐ柔らかく体勢を直した。
……ちえ、防がれたか!
さっき頭を取り落とす寸前に何が水の膜みたいなものを当たった感触がする。おそらく水の障壁――
「ぐうぅぅぅー!」
まだ虎の周囲から水玉が形成し、水刃を放つ。
俺は水刃を躱して前へ奔る。
虎の視線を注意すればその攻撃軌道を読むのは難しくない。でも虎も簡単に接近を許されない。接近しようとその最短ルートもすぐ水刃と水鉄砲で断たれる。
「こうなったら――」
水鉄砲を避け、地面に着く時、足元から涼しいものを縛られた感覚をした。見れば足は地面の水に包まれている。――抜けない。
虎はこの機会を逃さないように爪を光って、水刃と水鉄砲を攻撃して、水の高台を作って飛び降りて来る。
俺は空間を一時転換して、水刃と水鉄砲を逸らし、右手で刀を錬金し、飛び降りている虎と対面する――予定通りだ。
そして虎は時間が止まったように空中で定格された。
「ぐうぅ⁉︎」
虎は困惑しているが、俺はこれ以上の暇を与えるつもりはない。
富獄の型・割落し
裟架斬で虎の頭を斬った――ちえ⁉︎
「かた⁉︎」
虎の皮は思ったより硬い、全力で斬って良かったな。
脳を両断された虎はそのまま地に落ちていた。
「……死んだか」
魂は消散した。確実に死んでいる。