京都で 国会
国会が開かれる場所は京都にあるいくつかの大学の大教室を持ちまわりで使用することにした。
常設の会場は造らない。
まず代議士が衆参合わせて二百人しかいないので大きな施設は必要ないし、予算委員会や審議会も野党が事実上いないも同然なので、人生党の会議室で十分賄える。
それに国会は衆参同時に同じ場所で開く。
衆議院を参議院が見守り、その逆もする。お互いの仕事を近くに感じてもらい一体となった国政をしていることを自覚してもらいためだ。
野党として生き残ったのは共産党と元与党で一部の実力者がそれぞれ数人のみ。
共産党は連合国の中に中国が参加しているのに今後も共産革命を目指すのだろうか。
侵攻以前も少数野党ではあったがけっこうまともな民主的意見を言っていたようだし、常識をもった党だった。共産主義さえ党是にしなければ与党になれる可能性を秘めていたが残念だ。
共産主義はまさに絵に描いた餅だった。
革命が起きてから百年近くなるが、どの国も未だに試行錯誤で民主経済に寄ってきている。
それに共産主義は古い文化を否定するばかりではなく新しい文化も生まれないことがはっきりした。
サブカルチャーや音楽などはその傾向がはっきりしている。
それじゃあ若者には支持されるはずがない。よその国のほうが魅力にあふれているのだから。
これだけ少数の野党では対案や反対を表明しても無力な存在。
彼らの役割は漫才でいうところの「突っ込み」を求めている。
何もボケることを前提に政治をするわけじゃなく、叱咤激励のような意味がある。
つまり「あんだけ大口を叩いて進んでないじゃないか」とか「はよ決めれや!」みたいなものだろうか。当然その都度に発言の機会を与えるので、しっかり勉強をしておいてもらわなけらばならない。
国民には政治の進捗状況を知らせる役割にもなるので重要だ。生活にまで実感できるにはどうしても時間がかかってしまう。
彼らが一生懸命やれば政治は早く動くし自身の評価が上がって次の選挙に有益だろう。
大海は今日の国会で首班指名を佐倉一生にする。
完全なる出来レースだが手順はしっかり踏まなければならない。
正式に佐倉が総理になってから政治の号砲が鳴る。
内閣の陣容はすでに固まっている。
大臣はそれぞれ三人の女性が任命されるが、内閣が集まる時は誰か一人が代表で出席すればいい。
重要な判断はすでに決まっているので、あくまでも対外的な形式にしかならない。
圧倒的な一党独裁の仕組みは政治的決断と実行の速さに現れる。
今回の選挙の比例名簿は一位から五十位までは女性だけ、それ以降は男性と交互に順位付けをしてきたので代議士は女性が三分の二以上になっている。
その中の十人はLGBT系の人がいるが、そこは本人の希望の性別にしている。
新しく設置する省庁は名称も内容も変える。
前例を踏襲したほうが楽かもしれないが、旧政権で縦割り行政が悪政の原因にもなっていたので、どうしても変えたかった。
まず国の財政を管理するのは内閣の直属とした。
大臣が三人もいるので直接やったほうが効率的で間違いないだろうということだ。
外交関係も同じく内閣でやる。
外交交渉はあらゆる分野にまたがる事案が多い。経済、農業、医療などだ。
それを旧政権のように各省が担っては国として決断するまで手順が多くなるし途中で思惑が入り込んだりして相手国の真意が伝わらない懸念がある。
外交は国のトップの人間が相対するものだから、直接、素早く決断したほうがいいに決まっている。大臣が決められず一旦母国に帰ってからとか確認してからでは相手国の信頼を失ってしまう。
旧厚生労働省は旧文部科学省の一部をまとめる。
名称は『人間省』
人間が人間らしく生活できるための省をつくることにした。
健康、労働、年金、女性の妊娠から育児、教育を一括で体系的に行う。
生まれる前から亡くなるまで全てに関することになる。
旧政権のその他の省庁は「総合省」としてまとめる。
科学、地方自治、移民関連、文化、芸術、運輸交通、などだ。
国内専門省ということになる。
かなり圧縮した省庁編成だが、大臣を三人にしたことによって可能になった。
担当職員は少数精鋭でやってもらう。
基本的に公務員は個人の責任は問われないが、責任が発生する前に察知できるようになる。
誰が何を担当しているかわかるので、隣の机にいた同僚などが指摘することも容易い。
だから個人の力量も重要だがチームワークも必要となる。
そのためには大所帯の組織は弊害になるだけだ。
一人一人が責任のある仕事をしなければならない。
職員は新規に採用する。
これらの仕組みや条件を理解したうえで入省してもらう。
意識が高い人材が集まってくれることを期待している。
もちろん報酬も高く、残業は大臣が認めた時のみ、休暇もしっかり取ってもらう。
小さい国になったからこそ実現できたことの一つになる。
ちなみに誰でも経験を問わず、特殊な業務は国籍も関係ない。連合国関連があるからだ。
試験はやるが重要なのは面接になる。
ただの面接ではなく得意なスポーツや趣味を人生党の誰かとやってもらい人間性と判断力、発想力を確認する。
最終的に内閣が承認するが責任も発生する。特に大臣は。
だから大臣の女性は一人一人の職員のことを知っていなくてはならない。野球の監督のようなことをやってもらう。内閣はゼネラルマネージャーのようになる。
職員は国民の為、大臣の為、自分の為と思ってくれれば良いチームができることだろう。
ちなみに職員の男女比は同じにする。
そうだ、プロ野球も外国人枠があるように女性枠を提案してみようかな。




