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佐倉一生 さくらいっしょう

 さすが芸能人だ、さっきの大池さんも政治家になる前はキャスターだったから慣れたものだったが、佐倉一生は現役でメインⅯⅭを務めていただけあって堂々としている。


 「みなさんどうも、佐倉一生です。なぜ僕がこの場にいるのか不思議に思っているでしょう。

 もしかしての予想は当たっています。

 僕は今回の選挙に出て政治家になります。どうして?と思われるでしょう。

 理由はいくつかありますね、仕事がないからだろ!と思う方もいるでしょう。

 半分は当たりです。残り半分は、ずっと昔から社会に対してどうにかできないかと考えていました。

 アイドルになって有名になり、自分が社会に影響を与えられる存在になりましたが、僕ら芸能人、特にアイドルは政治的意見はタブーでした。

 理想のアイドルはプロデュースされたとおりに振舞わなければお金が動きませんから。

 有名になればなるほど縛りはきつくなります。

 何歳までそんな不自由な生活をしなければならないのか。

 それで大金を得られるのだからいいだろう、贅沢な悩みだ!という方もいるでしょう。

 確かにそうですね、黙って従っていればいいだけですから。

 正常な社会で皆さんが満足しているなら、僕らが精一杯応援することで解消されるのなら。

 ですが日本は不景気が続き深刻なことが何度も起こり理不尽な社会が当たり前となった上に政治に期待できないことばかり。

 日本人自身が日本人であることに誇りを持てないので「日本人すごいぜ」「世界から尊敬される日本」とあえて番組をつくったり宣伝しないといけなくなりました。

 しかも視聴率がいいんですよ、残念ながら。

 でもどこの国も同じようなレベルですごいんですよ。日本人だけが特別すごいわけじゃない。

 日本人かどうか微妙なアスリートを「日本人の・・・が世界的に活躍」としていますが、アスリート個人がすごいのであって、日本人すごいじゃない。

 五輪で日本人がメダルを取ると、同じ日本人として誇らしいと思う人は多いでしょう。

 五輪は国威発揚のためにありますから、報道も日本人しか扱いません。当然そうなります。

 メダリストをリスペクトするのは当たりまえです。ですが期待外れの結果を出してしまった選手を批判するのが日本です。

 メダリストは総理と面会するが、その他は隠され最初から存在していなかったように扱われる。

 そんなの当然だ!と言う人が多いでしょう。頑張っていないからだ、努力不足だからだと言って否定する。

 努力は必ず報われるのは報われた人だけが言える言葉です。みんな努力をしたから五輪に出られたのです。選考会に出られたのも努力したからです。

 それを日本人の恥だとか言って捨てる。

 そんなに日本人って高尚な特別な国民なのでしょうか。

 そんなわけありません。

 もしそうなら苦しむ人はいないはずです、自殺も少なく皆が満足し犯罪も少ないでしょう。

 昔から僕はその矛盾が気になって仕方がありませんでした。

 早い時期から芸能人として大人の社会と関わってきました。最初は大人の言うとおりにやっていれば正解でした。

 ですが後輩もでき芸能界で地位も高くなり自分の意見が大人の考えとして通用するようになりました。いつのまにか僕は大人になったのです。

 ですがそれは従来の常識を踏襲しているだけだと気が付きました。

 改善するために新しいことをしようにも新しいことを周囲が理解できないので認めてもらえないジレンマ。

 昨年にグループを解散したのもそれが理由の一つでした。

 グループという枠があるとその常識にとらわれて新しいことができない。

 責任も自分だけが取ればいいので自由なことができると考えました。

 しかし東京の壊滅によって叶わなくなりました。

 大阪に避難して今後を悩んでいた時に大海さんから声をかけられました。

 彼が熱く語ってくれた内容は、僕が心の底に仕舞って忘れようとしてたことを思い出させてくれたのです。

 僕は芸能界しか知りませんが、そのおかげで人脈はとても多いと思っています。

 それに自惚れではありませんが知名度は高いです。

 大学でも勉強しました。

 父は総務省の元官僚でしたから、政治は身近でした。

 これら僕の人生で得た能力を大海さん達に預け日本の未来のために新しいことを実現させる道具として使ってもらうのは本望です。


 政治不信と言う言葉はマスコミが作ったマスコミだけに通用する言葉です。

 昔から庶民は政治には期待はしていませんし信用もしていません。

 言いなりにさえしていればいいという無責任な意識で生活していたのです。

 マスコミの基本は反権力とするのが是でしたから生まれた言葉です。

 ですが最近は政権と同じスタンスです。

 五輪と新型コロナのおかげでそれらが鮮明になりましたが、見えたからと言って誰も動こうとしません。

 関わる方が損だというのが常識なっているからです。

 政治利権を守るためにどんな手段でも使うのが日本ですから、特に長いもの巻かれたがる組織は。

 現状維持、伝統を守る、昔ながらというのが美徳になっている日本文化にありますが、それは美しいものに限ってです。

 今の日本社会は美しいのでしょうか。

 僕はそう思いません。

 醜さの極みが過ぎて感じないところまできています。

  

 ここで僕から個人的に公約をします。

 日本が醜くなった原因は学校にあると思っています、特にブラック校則にあります。

 理不尽で非合理的な規則があるせいで、生徒が納得できなくても教師に逆らうと成績や進路に悪影響があるから反抗をしない。 

 合理的に反論しても「うるさい生意気だ大人の言うとおりにしてればいい」と恫喝されて終わり。

 授業でも差別やマイノリティのことは取り上げません、倫理道徳には必須のはずなのに。

 何故か?それは校則というものがあるからです。

 校則は理不尽さの集約です。それを強制している教師が差別などを教えられるはずがありません。

 そんな理不尽を受け入れることが常識だと思い社会に出るのですから差別がなくなるわけがありません。

 むしろ差別をする側の多数派に属そうとしてしまいます。

 大海さん達は学校教育を大幅に変えようとしています。

 僕はそこに大いに賛同しました。

 これからの日本の学校には校則は不要です。新しい日本の常識に従って学校生活も送ってもらいます。

 僕は大海さん達の応援をします、それが皆さんを応援することに繋がり幸せになってくれると信じています。

 以上ですね」


 佐倉一生は僕が思っていた以上の人間だった。

 僕こそ彼と共に日本を造っていこうと思った。



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