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ロシアの思惑

 アメリカ代表がロシア代表に話しかけた。

 

 「ロシアさんは北海道を支配されましたが、どうされるんですか。

 うちとは異なり日本人がたくさん住んでいますが」


 ロシア代表は待ってましたと言わんばかりに話し始めた。


 「支配と言っても大幅に変える気はありません。そうですね、とりあえずサハリンから稚内まで海底パイプラインを敷いて天然ガスを送ります。

 もちろんロシアと同じ料金で使用できますから、石油や電気より暖房効率がよくなるでしょう。

 日本の本州と異なり極寒ですから喜ばれると思いますよ。

 車はたぶんガソリン車がそのまま使われるでしょうね。

 電気自動車だと寒冷地でバッテリーの性能が落ちますし、アメリカさんが予定している充電計画も雪が積もったり道路の損傷が激しいので現実的ではないです。

 長距離移動も日常ですから効率も悪そうですね。

 むしろタクシーのようなガス車が増えるかもしれません。


 それと天然ガスを使った発電所を各地に造ります。

 既存の苫小牧や釧路は改修し、新規に知床に造ろうと思います。

 それで日本名の北方領土やオホーツク海側の産業は盛んになることでしょう。

 同時に大きな港も必要になりますから造ります。

 さらにロシアと北海道の領土問題が解決し漁業資源が関税無しで流通させます。

 カニとかタラが安く入って来るので、多方面で景気が良くなることでしょう。

 北海道は食料自給率が百パーセント以上だといいます。つまり良質な生産物がロシアにも流れます。

 ロシアからは資源、日本からは生産物とお互い様の関係になりますね。


 それに実はロシアではウオッツカは好まれていません。貧困層のイメージが強く、高齢者か下層の男性労働者しか飲みません。

 ほとんどの国民はワインかビールを好むんですが、北海道はビールはもちろんウイスキー、ワインと日本酒もおいしい産地じゃないですか。

 それが関税なしで流通するなんて、個人的にもうれしいことになります。

 若者には日本のアニメやミュージックなどのサブカルチャーも大人気です。

 今のロシア人は日本文化で出来ていると言っても大げさではありません。半面ロシア文化が盛り上がらいのですが。

 ロシアといっても歴史的に多様な民族がおりまして、日本のような文化は生まれにくいのです。

 たぶんですが、新作アニメの吹き替えもロシア語が作られるのではないかと思っています。

 これも個人的に絶叫ものです。

 たぶん北海道は他より好景気になり人口も増え、世界中から人が集まるようになるかもしれません。

 両国にとっていいこと尽くめと思うのですが。どうでしょうか」

  

 全員が日本代表を見た。


 「最高ですね、侵攻時の説明時より具体的で現実味があります。

 日本政府は領土問題を先送りばかりして、関係者が亡くなるのを見計らってうやむやにする気でしたから。北海道はガソリンはもちろん灯油などの燃料費が本州より割高でしたから道民も喜ぶことでしょう。

 もともと北海道は移住者が開発してきた土地になります。良くも悪くも日本に馴染めない、いわゆる変人が集まったようなところになります。

 古い因習や伝統もなく自由気ままな風土で、日本人らしくない日本人。

 わかりやすいのは北海道出身の有名人、芸能人をみれば一目瞭然。

 ぶっきらぼうだが愛される人柄、世界と馴染める気安さを持ち合わせています。

 ロシアと繋がれば、北海道の才能が更に生かされると確信しました。

 やっぱり北海道の選択は間違っていなかった。

 ありがとうございました」


 日本代表は全員に向けて頭を下げた。


 「いやいや、僕らが考えたことではないんで、お礼を言われても困るのが正直なところですよね皆さん?」

  中国代表がロシアと台湾代表に向けて言った。


 「実はそうなんですよ、日本さん」とロシア代表が答えた。


 「我々は共通の日本人のためになるのではという思いが一致して、アメリカを含む皆さんが協力してくれたから実現したのです」と台湾代表も答えた。


 「それは誰なんですか?」と日本代表が問うと、


 「まあ昔に世話になった人とでも言っておきましょう。実は噴火災害時の当初に連絡がついただけでここしばらくは不通なんですよ。

 東京からは出ていると思いますが、現在どこにいるかもわかりません。

 何度か連絡を試みたんですが、電源が入ってませんとか電波が届かないとかばかりでして。

 名前だけは教えておきますか、『大竹 勤』さんといいます。

 僕らは「オオタケサン」と呼んでいますが。

 近いうちに彼とは会っておきたいですね」


 中国代表が答えて皆がうなずいた。

 日本代表は、そのような一人の日本人が発端だと知って驚いた。

 自分も是非とも会っておきたいと思った。

 

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