佐倉の思い
日本が連合国支配になってから2年が経ち2回目の選挙が行われる。
最初の国会において参議院を廃止することが決定した。
当時はタイミング的に衆議院が任期満了だったが参議院は今回で最後になる。
代わりになる院は作らないので国会は衆議院のみとなる。
そもそも国会議員が多すぎる弊害が多かったので、国土が減少した機会に100人とした。
更に参議院を廃止することで風通しを良くさせる。
そして議員の任期は2年として速やかな結果を求めることで活性化させる。
もちろん不祥事がなくしっかり活動すれば選挙活動しなくても次も当選する可能性は高い。
少ない議員数なので各自の活動もわかりやすくなるし仕事が多くなるので結果の評価に差がつくだろう。
そして今回から選挙の仕組みを根本から変えた。
これまでは有権者が当選してもらいたい推しに対して投票したが、これからは落としたい候補者にも投票する。
そのネガティブ票がポジティブ票を上まわると落選となる。
それは獲得票が多くてもそうなる。
そして立候補するための供託金は10万円とした。
また被選挙権は20歳から60歳までとすることで、やる気さえあれば誰でも立候補できるようにした。
選挙区が全国区なので知名度が高い人が有利になりそうだが、ネガティブ票もあるので確実ではない。
無名であってもネット戦略を利用すればカバーできるし、例え売名目当てやその他の思想宣伝であってもかまわない。
それはそれで有能な人がより鮮明に差別化できる材料にしかならない。
今はネットで検索すればすぐに過去の信賞必罰などはわかる。
ちなみに議員報酬は年間1000万。
その金額内で秘書や交通費文書通信費など経費全てをまかなう。
情報伝達や視察はよほどでない限りネットで解決する。
秘書は一人で十分できるはず。議員本人が無能なら私財で雇えばいい。それだと無能だと宣言しているのと同じになる。
どうしても足りないのであればユーチューブなどで稼げばいい。政策の宣伝もできていいはず。
だとしても地主や資産家が有利になりかねないが、政治活動に私財を使う事は制限をしない。
当たり前だが買収など犯罪に関われば逮捕されるし公民権停止は個人と家族に適用される。
更に秘書なども立候補ができなくなる。
また政党交付金は廃止し党への寄付も禁止する。
いわゆる政治資金パーティー自体は許可するが会費は無料とさせる。
だから集まった有権者は飲み食いはできない。
政治活動報告に飲食は必要ないからだ。
それに伴って後援会といわれるものも禁止とした。
政治家を応援したいのなら個人で活動してくださいと。
手弁当の仲間をつくって協力することはかまわないが責任者などのリーダーを置くことは禁止とした。
あとどうでもいいことに見えるが、国会議員の服装は自由とした。
下着や水着などでない限り、派手だろうが貧相だろうが構わない。
もしかすると11月の国会は仮装が流行る可能性もある。
あと議員が連れている乳幼児の同席も認めた。
その代わり席は専用のテーブルが備えられている端のほうになってもらう。
そこで退出しなくても授乳とオムツ替えができるようにだ。
それは母親に限らず男性でも誰でも可能だ。
つまり祖父母が議員で孫の面倒をどうしても看なければならない場合でも許可される。
望めば保育士の帯同も認める。
前回から半分を女性議員としようと思い立候補者を擁立したが簡単にはいかなかった。
今回の選挙では男女の定数を別にして、それぞれに立候補してもらうことにした。
LGBTとして生活している人はどうなるのかというと、自己申告で立候補してもらう。
だから今回の国会から男性50人女性50人となる。
そうなると女性が妊娠出産と任期が重なる可能性が出てくるが、妊娠時はともかく出産育児有給休暇を最長半年認めることにした。本人が望めば短縮できるが無理はさせない。
当選した議員は全国から選ばれるわけだが、当然居住地はバラバラになるし、人口が集中している地域からは多くなることが予想される。
なので各地に100カ所の宿舎を設け、月に2回の移動をしてもらう。
例えば、仙台の次は盛岡、青森へと順に生活してもらう。
その土地の生活を2週間という短期間だが体験してもらう。
旅行に近いが、濃いしがらみが築きにくく反対に広く知ってもらえる。
全国区が選挙区なので全てに都合がいいはず。
毎月の国会への交通費などは国の予算でまかなう。
国会はいまのところ京都の会館を使っているが、2年以内に新しく議事堂のようなものを新しく建造する。
イメージ的には野球場のような感じを思い描いている。
つまり数万人の国民が観客となって国会を観ることになる。
駐車場も1万台可能で、ショッピングモールや温泉などのリゾート観光施設、遊園地なども計画している。
前回の選挙は非常事態で連合国支配下での選挙だったので、結果的に連合国全面支援の人生党が一党独裁状態での国家運営が続いている。
だから今回は既存の政党が復活しようとするはず。
しかしネガティブ投票の全国区なのでお得意の地盤選挙ができない。
この2年間の変化に賛成する国民と、過去の日本のほうが良かったという国民。
ただし過去の国民は昔の与党の忖度を前提とした利権の社会だろうが、現在は連合国支配の管理があるので、例え過去の与党が躍進しても元のような利権が生まれない。
利権構造をつくるには連合各国に入り込まなければならいが、既に各国の母国の企業が日本に根付いている。
忘れてはいけないのは、現在の日本という国は独立国家のように政府はあるが、それは運営を任されているだけにすぎない。
そして新しい国家運営のテストケースとしての面がある。
民主主義も社会主義も行き詰まりつつある世界。
欧州のユーロ圏もうまくいっていない。
それらの根本的な原因は各国の歴史や民族、宗教、言語が異なっているからだ。
大航海時代からグローバル化して数百年。
だが未だに世界はまとまっていない。
人種間の混血が進み、これまで隔たりがあった文化が混ざり合い一つになることによって世界中がお互い理解できる平等な人間となる。
この狭い島国で人種や文化のミックスさせてみてどうなるか。
世界規模なら数千年かかることでも、日本なら短期間で成果が見込める。
日本人は伝統的に異文化を受け入れる素養がある。
さらに連合国は民主主義と社会主義の両方がメンバーになっているので、いずれうまい具合になる可能性がある。
どういう仕組みが正解かはまだわからないが、自由な発想が実現できる環境をつくることが新しい日本の原初を担っている僕らの役目だ。
人生党をつくった僕と大海さん、大竹さんは各人やることは異なるが同じ志をもっている。
だから僕は今回の選挙でとくに選挙活動はしない。
この2年間での評価をそのまま受け入れるだけ。
同じ人生党の既存議員全員も同じようにおとなしく投票日を待っている。
人生党としては新たに候補者は女性と引退の為の補充として10名ほど。
国民は前回以上に盛り上がっているという。
特に若い高校生以下の意見が活発だそうだ。
だから結果は誰にも予想できない。




