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閑話 佐倉一生の結婚

2000字ほどです

 総理大臣の佐倉一生はSNSを更新した

 いつもは政治関係が多いが、一応アイドルという肩書があるので普段の食事とか些細な出来事をアップしている。

 今日もいつものように個人的なことを書いた。


 「私事ですがこの度、以前よりお付き会いしておりました一般女性の方と入籍をいたしました。

 芸能人の妻であれば過度な取材はお断りするところですが政治家の妻となりますので、落ち着いた時期に表に出るその時まで関係各位の皆さまにはお控えくださりますようお願いいたします」

 

 少し簡略しすぎたか感があるが、まあこれでいいだろう。

 僕は今年で39歳になった。彼女は今年で30歳になる。

 付き合い始めて6年、グループのメンバーの1人が2年前に結婚してからお互いが意識し始めた。

 しかし東京が壊滅し日本は連合国に分割支配となり、僕は新しい日本の総理大臣になってしまった。

 それからというもの僕は期待してくれる国民のために命懸けで動いて来た。

 当然、彼女との時間は全くといってなかった。

 ほとんどスマホ経由でしかコミュニケーションが取れなかった。

 でもそれまでお互いを信じれる時間があったので不安はなかった。

 彼女も同じように思ってくれたようで(本音は正直わからない、芸能人ではなく総理と付き合うということで心を整理したのかもしれない)

 でも僕の方が彼女にそばにいて欲しと願った。

 たぶん総理の重責に疲れが溜まっていたのだろう。

 僕一人で政治をしているわけじゃない。

 政権を担っている仲間の多くは政治家を仕事にしてきたわけじゃない素人の集まりといっていい。

 よくも悪くも国民の代表として知恵を集めてより良い政治を心掛けている。

 しかし政策の責任は総理である僕が取るしかない。

 元アイドルという広告塔だけの存在ではない。

 僕の発する言葉が国を代表するメッセージになるのだから。

 政策面では仲間に助けを求めることができるが、僕の心まで甘えることはできない。

 でもやはり限界を感じてしまった。

 彼女の声を聴きたい話したい。

 電話越しじゃなくリモートでもなく直接会いたい。

 彼女は災害後に実家に帰っていた。

 元々は芸能界でタレントとしていたが、僕と知り合ってからは裏方にフェードアウトしてくれた。

 同じ業界なので現場で会ったりスタッフを交えた食事をしても違和感なく付き合えた。

 グループが活動休止になってからは時間に余裕ができたので、うまくスケジュールをつけてデートできていた。

 東京をから大阪に避難する時は一緒に行動したが、彼女は実家の岡山に一旦帰省という形にした。

 しかしその後すぐに僕は人生党の党首として政治家になり選挙を経て総理になってしまったことでなし崩し的に離れっぱなしになった。

 京都と岡山は距離的に近いので会うのは簡単だが、僕の立場は芸能人以上にプライベートがなかった。

 だから秘かに大阪の場末のバーで待ち合わせをしてから二人の時間を過ごした。

 そこのバーは大海さんと大竹さんが懇意にしている店で、マスターは政権内と通じている。

 基本的に貸し切りになるが、決して二人だけではなくボディーガードを兼ねて大竹さんかピーターのどちらか、もしくは二人ともいることが多かった。たまに大海さんが先に来ていることもあったが、僕以上に忙しいはずなのに。

 まあ3人は興味本位と僕らを心配してくれているからなのは承知している。

 だから彼女も彼らととも親しく話して、マスターたちを含めサークルコンパのような雰囲気で楽しめる。

 たぶん結婚後もここで集まることになるのだろうな。


 結婚発表は予想はしていたが世間をにぎわしたみたいだ。

 まあ元アイドルの総理が結婚なのだから自分のこととはいえ他人ごとのように驚いた。

 大海さんのように一部の政権内部の人だけが知っていた関係だったが、結婚ということは誰にも知らせてはいなかった。

 二人を知っている人達は今更なことだとおもってわざわざという気もしたし、突然のプロポーズと入籍だったので伝えることまで頭が回らなかったというのが本音だ。

 芸能の仕事をメインにしていたら事前に伝えるべきなのだろうが、意識は素人政治家。

 いや政治家も同じように支援者とかには伝えるのだろうが、僕らの新興の政党は広く国民すべてがそうなので、その考えはなかった。

 国民のみなさんは王室の結婚のような騒ぎになっているようで、海外のメディアも日本の様子を報道している。

 連合国の元首達からも祝電が届いた。

 自分的には個人的なことだと高を括っていたが、僕の影響力を認識せざるをえなかった。

 まあでも総理を辞めると同時に政治家も辞めるつもりでいる。

 どういう形になるかわからないが芸能界で再び関わろうかと考えている。

 日課にダンスとボイストレーニング、演技の発声は欠かしていない。

 その時が来るまで奥さんを守り続けていこう。

 そして生まれてくる子供たちが健やかに生きていける日本を創ろう。



 

 

        

他に2000字程度の短編がいくつかあります

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