2.第2の生の始まり
新型コロナウイルスの報道が連日続いていますが、僕の住んでいる地域はまだあまり感染者が出てない様でついつい気が緩んでしまいます。
今、臨時休校中ですが正直家で勉強できないタイプなので早く学校が始まるといいのですが…
明日はオンラインでテストがあるのでまた明後日更新します!
僕は6歳になった。なんかこないだ自己紹介した気もするが、意識はそのままでも人物が変わった以上自己紹介しないわけにはいかないだろう。僕はシムレクト=ネオラール=サーティカン。家は一応貴族だ。なぜ「一応」か。それはこの家の爵位が原因だ。うちの爵位は…準男爵。男爵の下の位である。これの下は士爵、すなわち騎士のみである。この国の貴族制度は少し変わっている。上から公爵、雄爵、伯爵、子爵、男爵、ここまでが正貴族、まぁ普通の貴族だ。そしてうちを含む準男爵、士爵、この2つは国に貢献した一般平民が国から与えられる爵位であることから準貴族と呼ばれている。しかし、準男爵にはもう一つ役割があって、国に不利益を与えたり、私腹を肥やした貴族が罰として落とされる爵位でもあるのだ。うちがどっちかは知らないが、この立ち位置はまぁとにかく厄介らしい。というのも、普通の準男爵は平民からは貴族呼ばわりされ搾取する側として憎まれ、貴族からは薄汚い平民上がりと罵られるそうなのだ。うちは、平民からはともかく、貴族に嫌味を言われたことは一度もなく、寧ろ殆どの貴族家も丁寧に扱ってくれる。だから、今のはあくまで他領の準貴族家の当主が昔父上に漏らしていた愚痴だ。
父上はカムリール=ネオラール=サーティカン、ラフワー筆頭次席子爵領の領主代行を勤めている。この国にはそれぞれの爵位に筆頭、筆頭次席がおり、国の重要事は大抵、皇帝と宰相(筆頭公爵家)、その他の公爵3家、各爵位の筆頭、筆頭次席家の計13人で決めるらしい。辺境地を収める辺境伯も4人いるがそれぞれ皇帝から王の称号が与えられ王として辺境を治める一切の権限を預けられる代わりに、最重要事を決定する全貴族総会の出席権以外、全く国政に関わる権限を持たないそうなのだ。因みに6歳にしてここまで国政に詳しいのは、前世からのあの力を引き継いでいるからだ。そう、「絶対暗記力」。これによって一度読んだ本の内容は一切忘れていない。文字が読めるようになった3歳からこの3年で200冊ほどの本を読んだ。今、僕の頭には200冊分の知識がインプットされている。
「シムレクト、そろそろ支度をしなさい。」
父上の声が聞こえてきた。今日はこの地に帝国立帝都初等学院の魔法鑑定士が来るのだ。この判定で、魔法適性ありと判断されれば、試験なしで来年学院に入学できるのだ。
「分かりました、今そちらに向かいます。」
それじゃ、ちょっくら頑張りますか。
僕は父上と馬車に揺られている。と言っても屋敷から馬車で5分程度、子爵領主館前の広場で鑑定が行われているため、あっという間に到着した。本当は歩きでもよかったのだが、一応貴族として最低限の見栄は張る必要があるらしい。面倒臭い。それまでガヤガヤしていた広場は領主代行の父上と長子である僕の到着、更に筆頭次席子爵家当主ジョナス=ネオラール=ラフワー様とその後継である、ボーダン=ネオラール=ラフワー様の登場で静かになった。
「6歳の子を持つ民たちよ、よくぞこの広場に集まってくれた。」ジョナス様が口を開いた。
「今日の結果に一喜一憂するものもおろう、しかし大事は結果ではない。その後である。どんなに才能があってもそれを物にしようとしなければいずれは落ちぶれよう。その逆もまた然り。貴族?平民?今、そのことが関係あろうか。各自全力で挑むが良い。諸君らの健闘を期待する。」ジョナス様の演説に皆が深々と頭を下げる。そして次に話を始めたのは若い女性であった。
「私は帝国立帝都初等学院より参りました、イザベラ=フォン=マルティーユと申します。マルティーユ伯爵家の血縁でしたが、今は自立し、貴族ではなく一般人として学院で魔法学の教師をしております。以後お見知り置きを。」
余談だが、この国のミドルネームは「ネオラール」が貴族位を「フォン」が貴族出身の一般人を何も持たないのが一般人を意味している。
「さて、それでは早速説明させていただきます。ここに魔鉱石を設置しています。ここに両手をかざすと、赤、青、白、緑、茶、黄、黒、そして発光といういずれかの反応が起こるか、何も起こりません。何も起こらなかった場合、魔力を持っていないことを意味します。色、あるいは発行した場合その人の得意属性を示しています。赤は火、青は水、白は氷、緑は風、茶は土、黄は雷、黒は闇、発行した場合は聖魔法の適性を示します。稀に2つないし3つ特異属性を持つこともありますが、基本1人1つです。それでは説明も終わりましたので、早速鑑定していきます。」
こうして鑑定がスタートした。
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