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10.帝都への道のり

今日は明日が自宅待機で少し時間に余裕があったので自宅近くのカフェで本を片手にコーヒーを一杯いただきました。その本は中々在庫がなく半年ほど待ってようやく在庫があるのを見つけて買ったので、つい嬉しくて2日で読み切ってしまいました。タイトルは「とりかへばや物語」。古典文学ですが中々現代のライトノベルに近い要素を持っています。宜しければ是非読んでみてください!

帝都より勅使がいらっしゃった。彼によるとサーティカン家の男爵陞爵が可決され、1週間後に帝都にて叙勲式が行われるという話だった。

ジョナス様ってすごいやり手だったんだなぁ。僕は彼がこの領内にいるときの優しい叔父のような印象しか持っていなかった。だから滅多に通らない陞爵推薦を無事通し、可決までさせてしまった彼の手腕に舌を巻き驚くことしかできない。つくづく父上の親友があの方で良かったなぁと感じた。

一方、父上は勅命を受けて、大忙しで帝都へ向かう準備と自分が留守にする間の領主代行権限をマルクさんに移行する手続きを行った。





そして3日後。出発前日の夕食の席でのこと。

「シムレクト、明日は帝都へと向かう。途中、フェルセン雄爵領に泊まることになると思うので、そちらの領主代行へ挨拶に行く。帝都には明後日の昼ごろに到着予定だ。本来なら、叙勲式の出席は当主である僕のみなのだが、実は陛下が『歴史上初の全属性適正者と面会したいので出席を許可する』というふうにおっしゃられたそうなので、お前も叙勲式へと参加することになった。作法に関する本は一度でも読んだことがあるか?」

「はい、しっかり頭に入っています。」

「なら、大丈夫だと思うが、一応言っておく。くれぐれも陛下の御前で粗相するなよ。」

「わかりました。」

「明日は朝早くに出発する。今日は早く寝なさい。」

こうして、僕はいつもよりもだいぶ早い時間にベッドに入った。いや、正確には押し込まれた。はぁ、正直言って全く眠くないのだが…。しかし、横になってゴロゴロしているうちにいつの間にか寝てしまった。


翌朝。ラフワー子爵家の方々がわざわざ見送りに来てくださった。

「サーティカン家の皆様、お気をつけて。」

「シム、帰ってきたら帝都の様子教えてくれ!」

「シム兄様、帰ってきたらまた遊んで下さい!」

「カムリール様、領政に関しましては、どうぞお任せください。良い旅を。」

「皆様、どうもありがとうございます!それでは行って参ります。」

こうして、馬車は帝都の道中に立ち寄る、フェルセン雄爵領へと向かっていった。空は晴天。気温も穏やかな今日この頃。馬車の揺れもあり、昨晩十分寝たはずの僕もついついウトウトしてしまう。いや、ここは異世界。もしかしたら、よくある魔物的なものが存在するかも…。

そんな僕の期待も虚しく、馬車は何事もないまま、フェルセン雄爵領へと到着したのだった。…まぁ、ありがたいことなんだけどね、なんかちょっと…。




「ようこそ、サーティカン準男爵家の皆様。いや、男爵家の方がよろしいですかな?」

「お出迎えありがとうございます、ウィルマー準男爵。

まだ、陛下から叙勲されたわけではありませんので、準男爵のままで構いません。」

僕たちは、フェルセン領主館を訪れ、領主代行を勤めているウィルマー準男爵と面会していた。

「奥方様もお元気そうで何よりでございます。」

「お久しぶりですね、貴方様もお元気そうで。」

「そちらが、シムレクト卿ですかな?お噂はかねがね。」

ついに僕にきたか!僕は本で読んだ通りの作法を取る。父上と同じ準男爵だから…、

「初めまして、サーティカン家次期当主、シムレクト=ネオラール=サーティカンと申します。以後、どうぞお見知り置きを。」

そう言いながら、僕は自分の右手を胸に当て、30度程度のお辞儀をする。これは「貴族の礼」と言い、自分と同位の貴族に対して取る作法である。

「ほぅ、すでにそのお年で、作法もマスターされておられるとは…。将来が楽しみですな!」

そう言って、ウィルマー準男爵は微笑んでいた。なんていうか、この方も親戚の叔父さん感、結構あるなぁ。

その後、僕たちはウィルマー準男爵家の方々と夕食を食べ、フェルセン雄爵領主館の客間に泊まらさせてもらった。翌日、フェルセン雄爵領を出発し、少し馬車に揺られると…

そこには立派な門とかなりの行列が見えた。

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