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9.友のために (side ジョナス)

5/3は風邪をひいてしまって投稿できませんでした。ごめんなさい。

何とか無事にテストも終わったのでまた今日から投稿を再開していきたいと思います。ただ少々学校が忙しくなってきたのでもしかすると隔日投稿にさせていただくかのしれません。もう暫くは今まで通り毎日投稿するのでどうぞよろしくお願いします。

(変更時にはまた前書きに書かせてもらいます、あしからず。)

「陛下、質問をお許しいただけますか?」

「許そう、アムーレル筆頭伯爵。」

「ありがとうございます、では、サンクトコバル筆頭子爵。かの家はグランド公爵閣下が仰っておられたように謀反を起こしたのですか?」

「それに関しましては、私がお答えしましょう。」

宰相閣下がそう仰る。

「今の帝国史には載っておりませんがサーティカン家は確かに6代前の当主が謀反を起こしたと旧帝国には記されております。」

「なんと…、おぞましい。」

アムーレル筆頭伯爵は静かに呟いた。

「他に質問等はございませんか?」

「宰相閣下、かの家について補足させて頂きたい。」

「ラフワー筆頭次席子爵、発言をどうぞ。」

「感謝いたします。」

私は目を瞑り軽く息を吐いた。よし。

「かの家は元は初代皇帝陛下アス様の御尊弟サン様を初代とする筆頭公爵家でありました。しかし、約200年前に全てにおいて天才と呼ばれ将来間違いなく賢相として崇められるだろうと言われていた6代前の当主、ハルカムリ=ネオラール=サーティカンが謀反を起こし、準男爵へ降格されました。しかし、かの家はその所業を猛省し、今の当主は当領の発展に尽力を尽くしてくださいました。そして次期当主であるシムレクト=ネオラール=サーティカンには一度見聞きしたものを瞬時に覚え、一生忘れないという力もございます。かの家を陞爵し、国政に携わらせるのが最良作と言えるかと思います。」

「失礼だが、本当に陛下の血縁筋に当たるのか?嘘なら推薦した筆頭子爵共々下手すれば不敬罪で死刑となるぞ。」

「…その件については余が話そう。確かにサーティカン家は我が帝家と血縁関係にある。ラフワー筆頭次席子爵が言っておることは本当だ。」

「作用でございましたか、陛下。ラフワー筆頭次席子爵、かれはなぜ謀反を起こしたのだ?」

「マルク筆頭次席伯爵閣下、申し訳ございませんが、現在に至るまで理由は解明されておりません。」

「そうか…。」

「ラフワー卿、シウレクト今日はどのような人物だ?」

「シャルセン公爵閣下、彼は大変聡明な人物です。また、社交性もあり、当領民らからも親しまれております。貴族としての心構えも大変立派ですので、きっと国のために尽くしてくれるかと思われます。」

「なるほど、中々素晴らしいな。」

ここで1番懸念していたことが起こる。

「…我々は貴族の中でも頂点に君臨している、選ばれた民の中の更に選ばれたもの。どうして、わざわざ謀反貴族の話で貴重な時間を取られなければいかんのだ?」

遂にグランド公爵閣下がキレたのだ。

「…警務卿グランド公爵、これは国のあり方を決める重要な内容だ。そのような考え方は感心できんな。」

「へ、陛下!しかし、彼らは恐ろしくも皇帝陛下に刃を向けたのです!そのような奴らを陞爵させてよろしいのですか?」

ここだ。ここでもし陛下が反対なされば、間違いなく否決される。陛下の次の一言を待つ。

「……、余はかの家の陞爵に賛成である。罪を犯したのは当時の当主であって、今の当主ではない。また、優れた者を採用しないのは、最悪手だ。」

よし!この発言によってサーティカン家の男爵位は確定されたも同然のものになった。

「お待ち下さい!かの家は…」

「では、余から問いたいが、警務卿グランド公爵よ、かの家の何が不満なのだ?」

「それは、先ほどから申し上げております通り、陛下に刃を向けたことでございます。」

「余には直接刃を向けてはいない。それに元の宰相位を授けるのではない。あくまで最下級の男爵位だ。もし、相応しくないと判断すれば、その時にまた降格させても問題なかろう。宰相よ、他に質問がなければ投票に移ろう。」

「へ、陛下。…」

「警務卿よ。この話はこれで終わりである。」

とうとう陛下にまで呆れられてしまった。グランド公爵閣下は悔しさを通り越して、怒りのこもった目で陛下を見ていた。これでは、彼が反逆罪で降格させられかねない。

「他に質問のある方は…いらっしゃいませんね。それではこれより投票に移ります。まずは10分間、賛成か反対かを決定してください。会場外に出ても構いませんが、10分後にこちらに戻ってこられてない場合は棄権と判断いたします。」




10分後、投票が開始した。陛下から爵位の高い順に、それぞれ賛成か反対かを書いた紙を箱の中に入れていく。フェンラー筆頭次席公爵閣下とシャルセン公爵閣下のお姿が見えない。どうやら彼らは棄権したようだ。

「それでは、開票作業に移らさせて頂きます。」

宰相閣下が2つの箱を机の中央においた。

「まずは反対票を確認させて頂きます。…無効投票はございません。次に賛成票を。…こちらも問題ございませんでした。それでは投票結果を発表させて頂きます。……賛成9票、反対2票、棄権2票より国家貴族制定法第3条により、サーティカン準男爵家を男爵家へと陞爵させることが可決されました。」

宰相閣下が推薦状にサインをし、それを陛下に手渡された。

「ここにボルカトール帝国第62代皇帝、アラン=ネオラール=ボルカトールの名の下、サーティカン準男爵の男爵ヘの陞爵を正式に認めることとする。」

陛下が推薦状にサインをし、それを高々と掲げる。

我々は全員、一部は不服そうながらも、膝をつき、その決定に異議がないことを示した。

こうして、定例会議は終わり、サーティカン家の元にはこの決定と叙勲式の日程を伝える勅使が行くこととなった。


感想、アドバイス等聞かせてください!

これからもどうぞご愛読下さい!

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