98 初詣!二人っきりデート
1月1日
「明けましておめでとう!」
優雅にくつろいでいる画像と一緒に俺のスマホに送られてきた。
届主は白崎。
多分画像を見る限り、白崎はハワイでくつろいでいるのだろう。
畜生!何とも羨ましい光景だ!
そんな白崎とは違い、俺は、朝忙しい。
昨日の夜に手に入れた新キャラの強化。
昨日始まったイベントの周回。
やることが沢山あり、俺は今、絶賛寝不足状態の上、猫の手を借りたいほど忙しい。
「和人!お友達が来たわよ!」
と親が俺を呼ぶが、あいにく俺には友達はいない。
俺にいるとしたら、部活仲間と、変人ならいるが……
「和人!いい加減にしなさい!」
と親が部屋に乗り込まれた以上、玄関に向かうしかなさそうだ。
「明けましておめでとう!」
そこにいたのは、千葉さんだ。
あれ?宮前がいないが……
「あぁ、静香は、家族で初詣だよ」
「そう言う千葉さんは?」
「私は、暇そうな丸山君のお世話的な感じできたかな」
あいにく俺は暇ではないんだが……
「むぅ!なんか、私が来て迷惑そうな顔、してそうだけど、もしかして迷惑とかだったかな?」
と顔を膨らせる千葉さんに俺は、首を横に振る。
仮に迷惑だと思っても、千葉さんに迷惑だとは言えない。何しろ千葉さんは怒ると怖いのだから……
「なら、一緒に行こう」
「えっと、どこへ?」
「初詣だよ!」
こんな日にわざわざ人が集まっている所にいく必要でもあるのだろうか?
「なに?行きたくないの?……」
いや、全然そんなことありませんよ!
このまま行きたくないと言えば、千葉さんの機嫌を損ねただろう。
仕方がないが、ここは行くしかない!
俺は寒い中、初詣に向かう事になった。
あぁ、家の中で、キャラクター強化したい・・・・・
「丸山君!聞いているの!」
「はい!なんでしょう?」
ヤバい、何も聞いてなかった!
千葉さんは不機嫌そうにこうった
「もぉ!しっかり人に話は聞いてね!」
「うん」
はぁ・・・・・全くとため息をついた後、千葉さんはこう言った。
「いい!後で、一緒にお参りした後、おみくじ引くからね!」
なんだ。そんな事か……
と心の中で思いながら、俺達は、人混みをかき分け、参拝をした。
そして、おみくじを引くことになった。
「丸山君はどうだった?」
「俺は中吉だ」
不可もなく可もない微妙なところだ。
「千葉さんは、どうでしたか?」
「私は、大吉だよ!しかも恋愛運とか、今がチャンス的な事書いてあるよ!」
と恋愛の所を見せられたが、うん!良かったね!としか言えない。
しかし、恋愛とか興味なさそうなイメージだったが、
「千葉さんには好きな人がいるの?」
「うん、いるよ……」
「えっ、誰ですか?」
「それは、教えられないよ」
一体誰だろう?千葉さんの好きな人とは
千葉さんは学校でも群を抜いて美少女だ。
きっと、千葉さんを落した人物は、さぞ幸せ者だ。
「それより、丸山君の恋愛は」
俺の恋愛は、まだ告白は待つべきと書いている。
なんと、今年はライバルが現れるらしい。
白崎につぐ、第二の白崎。
考えるだけで、ぞっとする。
「第二の白崎さんは以外に身近にいたりしてね」
ちょっと!やめてくださいよ!
そんなぞっとすること考えさせないでくだ……
まさか……
「私は、丸山君のこと好きじゃないよ!ほら!ただの友達的な関係だし!」
そうですよね、俺達は友達的な関係で、恋愛対象に見られませんよね……
なんだか、複雑な気持ちだ。
その後、俺達はお昼ご飯を近くのファミレスで食べ、午後は福袋を買いに、ショッピングセンターへ行った。
「今日はありがとう!丸山君」
「どういたしまして」
すると、俺の耳元に千葉さんが近づき、こう囁いた。
「今日のデート楽しかったよ」
えっ?
今なんて?
僕のきのせいじゃなければ、今デートて……
「じゃあね、丸山君」
あっ、ちょっと待ってください!
一体、千葉さんが残した「デート」と言う意味は
その謎だけ残して、初詣は終わるのであった。
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