61 始まる?お泊まりpart2
ある日の午前中――
この日は、ついに小日向が俺の家にやってくる日。
俺は小日向が来るのを待つため、待ち合わせ場所である、公園で、一人ベンチに座り待っている。
が……かれこれ、30分以上待っても、小日向は現れない状況に俺は今、いる。
「ちっ、遅すぎる……」
小日向の非常識さに、イライラしていた俺は、貧乏ゆすりをしながら待っている。
が……そんなことをしていても小日向が現れるはずもなく、そこから10分いや、30分くらい待った。
そんな時、小日向が姿を現してきた。
「すいません~、遅くなりました~!」
小日向は水色のキャリーバックを引き、駆け足で俺の元へとやってくる。
「おせぇーよ!何してたんだ!」
そんな小日向に気づいた俺は、ベンチから立ち上がり小日向にイラつきをぶつけた。
すると、頭をかきだす小日向は、「えへへ」と言った後、こう言葉を続ける。
「いや~、舞としたことが、寝坊をしてしまして~ホント、すいませんですぅ!」
小日向は、絶対反省していないだろうと思うほど、フレンドリー感溢れる謝り方をしてきた。
そのため、俺は、ガチで怒ろかと思ったが、これ以上、怒っても何も始まらないので、さっさと、家に連れていくことにする、―――
「はぁ……わかった。よし、行こう」
「はーい!」
小日向は元気良く手をあげ、楽しそうに俺の後をついてきた。
そして、場所は変わり、俺の家付近――
小日向としょうもない会話をしていた俺は、後をつけられている気配を感じた。
「おい、誰かついてきていないか?……」
気配を感じた俺は、小日向にこっそり打ち明けてみた。
だが、小日向は、全く思っていた反応をしてきた。
「えっ! そ、そうですかねぇ?!」
この場ではあり得ない動揺。
その瞬間、俺は確信した。
これは、絶対、小日向が関わっている……
そう確信した俺は、小日向を疑いにかかる。
「なんだ?その反応……お前、変だぞ……」
「えっ!そ、そうですぅかねぇ?!」
「あぁ、変だ。お前、何か知っているのだろう?」
「ま、舞は、なにも、知りませんよー!」
と舞はそう言うが小日向は、絶対、嘘をついている。なので、なんとしても、小日向から聞き出す。そう俺は決める。
「嘘をつくな。早く、白状したほうが身のためになるぞ」
少し、強引ではあるかもしれないが、俺は拳をバキバキ鳴らし、小日向を少し脅してみた。
これで、白状してくれたらありがたい……
そう思いながら、小日向の反応を待とうとすると
背後から、もの凄い勢いでやってくる人影がこう言う。
「舞ちゃん!今、助けるよ!」
次の瞬間、俺は真正面から飛び蹴りを食らった。
そして、その場で倒れる――




