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宣言します!!!「俺の彼女と言い張る白崎さんのことは嫌いです!」  作者: プリンアラモード
プロローグ

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1 プロローグ 丸山 和人の過去

初投稿です!

良かったら見てください!





放課後の教室。


昼間の騒がしさが嘘みたいに静まり返った空間に、夕日だけが差し込んでいる。


窓際の席に立つ少女の髪が、赤く染まっていた。


漆畑 楓。


学年でも有名な美少女。


そんな彼女に向かって、俺――丸山 和人は震える声を押し出した。


「……好きだ。付き合ってくれ」


言った瞬間、心臓が嫌になるくらい跳ねた。


手汗で指先がじっとりと濡れている。


漆畑は何も言わない。


ただ静かに、俺を見ていた。


その沈黙が怖かった。


数秒しか経っていないはずなのに、何分にも感じる。


……やっぱり、無理だったか。


そう思った。


漆畑は人気者だ。


明るくて、可愛くて、誰にでも優しい。


対して俺は、どこにでもいる普通の男子。


釣り合うわけがない。


でも、それでも告白しなきゃいけなかった。


なぜなら――


半年前。


俺は、彼女に告白されていたからだ。



冬の放課後。


屋上に吹く風は冷たく、息は白かった。


「……好きです。付き合ってください」


そう言って頭を下げた漆畑の顔は、真っ赤だった。


最初は、ドッキリだと思った。


だって俺たちはほとんど話したこともない。


クラスが同じになったことすらない。


そんな相手から突然告白されて、信じられるわけがなかった。


それでも嬉しかった。


男として、嬉しくないわけがない。


だけど――俺には好きな人がいた。


ずっと目で追いかけていた女子。


笑った顔を見るだけで、その日一日が少し嬉しくなるような存在。


だから俺は迷った。


このチャンスを逃したら、一生後悔するかもしれない。


漆畑と付き合えば、きっと楽しい未来が待っている。


そう思った。


だけど最後の最後で、頭に浮かんだのは“好きな子”の笑顔だった。


その瞬間、俺は気づいてしまった。


このまま頷いたら、きっと後悔する。


だから――


「ごめん」


俺は、漆畑の告白を断った。


その瞬間。


漆畑の顔から血の気が引いた。


「……どうして?」


「他に、好きな人がいる」


言うしかなかった。


誤魔化したくなかった。


すると漆畑は俯き、肩を震わせた。


泣いているんだとすぐに分かった。


胸が痛かった。


最低だと思った。


勇気を出してくれた相手を、自分の都合で傷つけたんだから。


「ごめん。じゃあ――」


立ち去ろうとした時だった。


「待って!」


腕を掴まれる。


振り返ると、涙で目を真っ赤にした漆畑がいた。


「……私、諦めないから」


「え?」


「絶対に振り向かせる。今好きな人なんか忘れるくらい、私を好きにさせる」


涙声なのに、その目だけは真っ直ぐだった。


そして彼女は、俺の手を両手で包み込む。


「だから次は、丸山君から告白して」


そう言い残して、漆畑は走り去っていった。



それから漆畑は、本当に変わった。


毎朝の挨拶。


昼休みの手作り弁当。


放課後の帰り道。


最初は戸惑った。


でも、少しずつ彼女といる時間が当たり前になっていった。


彼女は可愛かった。


優しかった。


そして何より、真っ直ぐだった。


気づけば俺は、彼女を探していた。


好きになっていた。


だから今日。


俺は覚悟を決めて、告白した。


――漆畑から告白された、この教室で。


「……好きだ。付き合ってくれ」


すると漆畑は、俯いたまま肩を震わせた。


泣いてるのかと思った。


だけど違った。


「……ふふっ」


小さな笑い声。


「え……?」


「ねぇ丸山君」


ゆっくり顔を上げた漆畑は、笑っていた。


「本気で、私がまだ好きだと思ってた?」


頭が真っ白になった。


「……なに、言って」


「だって面白すぎるでしょ」


漆畑は堪えきれないように吹き出した。


その笑い方は、俺の知ってる彼女じゃなかった。


「必死にお弁当食べてさ。ちょっと優しくしただけで勘違いして」


「……嘘、だろ」


「嘘じゃないよ」


彼女は笑う。


残酷なくらい、楽しそうに。


「振られた時、ほんと惨めだったんだから。だから決めたの」


漆畑は俺を見つめた。


その目には、もう優しさなんてなかった。


「絶対に同じ気持ち味わわせてやるって」


呼吸が止まりそうになる。


じゃあ、あの日から全部――?


「……全部、演技だったのか?」


「そう。楽しかったよ?」


世界が崩れる音がした。


漆畑は俺の顔を見て、さらに笑う。


「うわ、泣きそう」


「……っ」


「男のくせに情けな」


その言葉が、胸に突き刺さる。


「じゃ、これで終わりね」


漆畑は鞄を持つと、教室の扉へ向かった。


そして最後に、一度だけ振り返る。


「次は、もっと人を信じた方がいいよ」


笑顔だった。


初めて告白してきた、あの日と同じ笑顔。


だからこそ、余計に苦しかった。


扉が閉まる。


静まり返った教室に、俺だけが残された。


夕日が、やけに赤かった。

読んでくれてありがとうございます!


これからどうぞよろしくお願いします!

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