7話 ニートは魔法を習得する
あらすじ
ブレッド司教「手伝いする?」
ニート「イエス」
結論から言えばグロ耐性はいらなかった。
治療もメスとかを使うわけではなく魔法。
病気にも魔法。腰痛にも魔法。
私の中で治癒魔法万能説が生まれつつある。
「はい、次の方ーご用件をどうぞ」
「腰を痛めてしまいまして、その治療を」
私は受付をしている。と言っても本来受付はいらないと思う。どこが悪いかブレッド司教が直接聞いた方が早いからね。
おそらく受付という名目で私に治癒魔法を見せているんだろう。勝手に私がそう思っているだけだが多分そうに違いない。
だってブレッド司教はもうこれでマナポーション6本目だ。1本あたり500ミリリットル程度だからもう1リットル以上水分を取っていることになる。
そりゃ辛いよ。だから早く治癒魔法の技術を目で見て盗んで覚えなくちゃいけない。
この後、神殿の中の図書室で調べてみるか……
「はい、次の方ー!」
それから2人ほど来た人をブレッド司教が治療した。その後ブレッド司教は顔が青いのにもかかわらず無理にマナポーションを飲もうとして司祭達に止められて引きずられていった。
「神が!我らが神の救いを待っている人がぁぁ」
「ブレッド司教、それで患者の前で何回吐いたと思ってるんですか。もう7回ですよ!あなたはポーション一日6本までです」
「そこをなんとか!」
「なりません」
「薄情ものおおぉぉ…ぉ…ぉ……ぉぇ……」
ブレッド司教は引きずられていって見えなくなった。……それにしても3リットル飲んだところで吐くか?
随分とブレッド司教はおっさんにしては胃が小さいのだなぁ。
いや、おっさんだからこそなのか?
うーん……専門家じゃないのでよくわからないですね。ま、考える必要もないでしょ。
胃がんとかだったら笑えないけどなぁ……
まさか……ね?
とりあえず図書館に行こう。それから考えよう。
調べ物が終わった。
『治癒魔法1』『神聖魔法1』『付与魔法1』を得たのはなにが理由がわからなけど使えるならそれでいいか。
治癒魔法の説明は
『手から神の加護によって治癒の波動を患部に放ち、神の慈悲によって波動を受けた患部は癒される。そのものが神からどれだけ慈悲を引き出せるかで治癒できる規模は異なる』とのこと、なるほどわからん。
ちなみに病気の治療は『神聖魔法』の方だった。
こちらも説明は似たようなもので要約すると
『神様に頼んでばい菌をやっつけてもらう……術者がどれくらい神様が頑張ってもらえるかでどれくらいの病気が治せるか決まる』
これである。わけわかんないね。
付与魔法はなんか理論的だった……けど聖属性の欄だけ、神様スーパー理論が突如出没したので吹いてしまった。
内容が別の本で笑ってしまうのは仕方ないと思う。
というか診断魔法とかはないのかね?
本を読み進めていくがない。
波動を手から放つんだからエコー的なことができてもいい気がするんだが……神様の高貴な波動は全てを通過してしまうのかもしれないな。
じゃあ普通の振動魔法的なものを覚えるべきかもしれない。
あとでブレッド司教に相談してみるか。
魔術書欲しい。水汲みやら掃除が楽になりそうだ。
まぁ付与魔法で身体強化できるからだいぶ楽にはなると思うんだけどね。注意書きに身体に使う場合は十分に注意することと書かれてたけど。
肺とか喉に聖属性を付与したらマジ聖歌になりそう、これからが楽しみだなぁ。
マナポーションは蜂蜜風味の青汁味で体に優しい……が6杯目の途中から体内のマナポーション成分が飽和してしまう。
そうなると魔法的効果でマナポーションが鶏油豚骨背油デラックス牛脂っぽく感じるようになり飲むたびに吐き気を催すようになる。
そこから吐くまで何杯飲めるかは飲む人次第。
クーガくん……あなた推理間違えてますよ。