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プラネタリウムに願いを  作者: 地底湖
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第一話



「ほらごらん、これが宇宙さ」



 小人が腕を一振りすると、墨を流したかのように、夜空が一段と暗くなった。いや、見方を変えれば、逆に明るくなったとも言えるかも知れない。

 視覚の全てが光の点に埋め尽くされる。

 背景の闇が濃くなったことで、星々の光が際立ったのだ。

 わたしは、自分という存在が壮大な宇宙にひろがっていくような、不思議な感覚を覚えた。


「これが宇宙……」


「そうとも。僕の魔法で余計な光を消しているからね、本当はこんな風には見えない」


 わたしは言葉を忘れて星空に見入った。

 小人がなにやら小難しい話をしているけど、そんなのはどうでもいい。


 思い描く。

 小舟にのって星の海を進むわたし。

 光の粒が、神々や動物たちの形をして語りかける。

 けれどもそこは、虚ろな世界だった。

 音もにおいも存在しない。

 目を閉じれば星々は消え去り、暗闇が全てを支配する。

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