プラネタリウムに願いを
夕陽に満たされた部室で、わたしは高らかに宣言した。
――プラネタリウムを作ろう。
部員5名、廃部寸前の天文部にはわずかな時間しか残されていない。
廃部阻止の一手として、文化祭に向けてプラネタリウム投影機を作ろうという、カナの提案にも部員たちの反応は鈍い。
それは至って当然、そもそも廃部になりたくないと思っているのは彼女だけなのだから。
現実主義の先輩部員エリと決裂してもなお、一人で突き進もうとするカナ。
しかし文化祭の成功には、部員たちの協力が不可欠だ。
果たして、カナは部員たちを説得し、プラネタリウムを完成させることはできるのだろうか……
【元天文サークル所属の筆者が自身の経験をもとにして書く、プラネタリウム作製奮闘譚】